第三一節:チェックアウトの用意
「さて貴腐ワインは尽きたので次に移るとしよう」と私がいってもう一本の食後酒の方を開けた。
「こっちはクイズは無理だけどなデカデカ書いてあるから」
そしてワゴンのに上用意されているワイングラスに、新たに注いでいく。
そして夜は更けていったのである。
「丁度寝やすい位に酔えたんじゃないか?」と私がいうと。
「そこまで考えられていたとは。ビジネスマナーは奥が深いな」とヒジリが呟いた。
「明日は迎えが来るからな、そういう意味では朝まで酒が残っても大丈夫なのさ」といった。
「アスカが寝てしまったか
「後はお任せしても良いかな?」と私がサヨリ嬢に聞いた。
「流石にこれ以上はな、結婚でもしていれば話は別なんだが」と私がいいながら出て来た。
「結婚していればなんだって?」とヒジリが食いついて来た。
「ああ、その話か結婚してれば寝かし込むのも容易なんだが未婚同士だからな、しかも相手は公爵御令嬢だ、襟でも正そうものならこっちの首が飛びかねん。だから後はサヨリさんに任せて来たよ」と私がこわいこわいっといった感じでワゴンに全てをかたずけて、例のアレはアスカ嬢が持っていることも確認すると。
「そろそろ寝るか」と私がいった。
「オウ」とヒジリも同意する。
「しっかしマメマメしくなったよなー」とヒジリもいった。
「休暇中だからだよ。普段はされる側だからな」と私がいった。
「専務だったらそうか」とヒジリが考え直したようだった。
「もう片付けたのか荷物は手早いな」とヒジリがいった、確かにヒジリの荷物はまだかたずいていない状態であった。
「こちらの荷物は既にサコッシュとスーツケースと太刀袋だけだからな」寝る前にかたずけるか?
「明日は物事がサクサク進むから、今のうちに片付けた方がイイゼ」と私がいった。
「そんなにサクサク進むなら今のうちに片付けるか。ライト落とすのは待ってくれるか?」とヒジリが慌てて詰め込みだした。
「オウ、チェックアウトが一一:三〇が頃だからな」と私が答えた。
「俺はライトコークでも飲んでるよ。チビチビとな」といって私が冷蔵庫からライトコークを引っ張り出し栓を開ける瓶ものである。
「会わせてみたい人も居るしな、まぁダメっていわれたらそこまでだが」と私が続けた。
片付け終わるまでにかった所要時間は二十分だった男性として見ると比較的長い方かなと思わせた、まぁ迷ってる時間が多かったから仕方ないのかもしれないが。
「ライト落とすぞ」と私がいった、魔導式ライトであるのでスイッチ一つという奴だが。
「オウ」とヒジリが景気よく答えた。
五日目を過ぎてから寝た為少しくらいは起きる時間が遅れるかとも思ったが変わらずに〇五:三〇にはしっかりと起床した。
又もや狸寝入りをと思ったが先に起きて、身支度を整えることにした。
何時でも着替えられるように先にシャワーで熱いのを浴びてから体を洗い上げるその後洗面に入る前に髭をソリ落とし身支度や香水もサッとかける。
その後、軽装に着替え口臭を落っことし歯も綺麗に磨きあげた。
いつも通り非の打ち所がないくらいにしておく。
そして荷物を纏めに行くまず専用パッケージを出しておくそこに荷物をほり込んで行き詰め込んでしまう、ベッドの上にスーツケースを引っ張り上げその上に専用パッケージその上にサコッシュを置きさらに太刀袋も載せておく。
武器は専用にショートソードと帯剣用の帯を並べてセットして。
時間を見る〇六:〇〇だった。
ベッドの上に軽装のまま上がり座禅を組んで瞑想に入る。
寝ている様にしか見えないから、多分だがヒジリは起こそうとしないだろうと考え深い瞑想に入れる。
ヒジリが起きた〇六:三〇だった時間がずれていた。
こちらの呼吸音がほとんどせず高位の瞑想状態に入っていることはどうやら分かったみたいだった。
こちらが既に軽装になっているのを確認してヒジリがトレーニングを諦めシャワーに向かったのが分かった。
女性陣も今日は若干遅れ気味の様だった気配をたどり誰が何処に居るのか把握する。
サヨリ嬢がシャワールームを使っているであろう感覚が有った。
アスカ嬢が覚醒した様だった、〇七:〇〇だった何時もより速かったがみたいだが迷っている様だった、昨日の記憶を
ヒジリが戻ってきたが私はピクリとも動かなかった、
体内時計では時間は〇七:三〇になったころだった。
これが悟りの境地という奴かという感覚になれた。
しかしソコソコ疲れる気がするので〇七:四五と思われる時間で
「すげえな」と正直にヒジリがいった。
「今のは瞑想というんだ」といって私は座禅を崩した。
「精神修養の鍛錬の内の一つだよ」と追加した。
ヒジリは略礼装に着替えていた。
「軽装のままでいいのかと聞かれる」
「朝食が終わって少し経ってから着替えるんだ。そうで無いと皴が気になるんだ」といって誤魔化すことにした。
着替えるのなんかは直ぐできるからなともいっておいた。
今日の朝食は既に連絡を入れて一時間ほど遅らせてある。
「今日の朝食は一〇:〇〇からだからな」と私がいった。
「対応が早いな、そりゃそれで食ってるからな」とフォローもした。
「〇八:三〇かまぁ何時もより遅いのは仕方が無いかまだ休暇中だし」と私が呟いた。
「今日の朝食のメニューは何だ?」とヒジリが聞いた。
「レッドサーモンのムニエルの筈だが」と私がヒジリにいった。
「軽いメニューだ三十分もあれば余裕で食べられるだろう」と私が続けた。
「もし、俺もアスカも着替え中だったら迎えを部屋に迎え入れてもらえないか?」と
「俺でいいなら承ろう」とヒジリが
アスカ嬢がシャワーを終えたようだった。
軽装かどうか確認するべく部屋の外に出た確かに軽装だったアスカ嬢から目配せが飛んできた、こちらも返礼の目配せをする。
「朝食は一時間遅らせてある」と私が伝えた。
「昨日はすみませんでしたアスカ卿」とアスカ嬢がいった。
「気にしなくてもいいよ、当たり前のことをしただけだから」と私が返す。
今が〇九:〇〇か髪が乾くまでの時間を考えれば順当な時間かと考えた。
サヨリ嬢も略礼装だった。
アスカ嬢が髪を解いて普段のストレートヘアに戻していた。
今が〇九:三〇だった。
「アスカ卿ひょっとして朝、瞑想しておられませんでしたか?」とアスカ嬢がいった。
「そうだけど、どうやって気づいたんだ?」と不思議そうに聞いて見る。
「精霊視というのは
「二人とも凄いな会話の内容が一ランクも二ランクも上に感じるぜ」とヒジリが感心していた。
第十一章 第三二節へ
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