第七節:一番艦サグレア
一日置いてから、そんなことになっているんですか?というメールが二十五通、魔法習ったこと無いのですが大丈夫でしょうかというメールが十七通やってきた。
それらにはていねいにここが幽霊と虹に狙われている旨であるため、機体の機能を全て生かして戦う所存であるという内容とできることはすべて対応しようという応援メールを返信しておくにとどめた。
皆には魔導も精霊魔法も簡単なモノしか教えないからそのつもりで来てもらって大丈夫だし『今回限り』ではあるが魔導士ギルドの理事からもヨナ様からも許可を得ているから問題はない、といった追伸分も送っておいたのである。
そして精霊魔法はこの限りではないので問題はないとも説明を付けた。
最期に両過程修了者にプレゼントを渡す旨を伝えて置いたプレゼントといっても何か分からなくて迷われてもイカンと思い『フィッティングマジックリング』魔法の発動体を過程修了者には支部隊隊長から手渡す
それには納得しましたよろしくお願いしますというメールが皆から届いていたのをひとつづつ丁寧に確認して、『データパッド』に誰がどんなことを心配しているかというメモ書きにしていったのである。
後はカリキュラムは二人して手分けするしか無いので魔導は私が、精霊魔法はアスカ秘書官がそれぞれに仕上げチェックをしていった。
基礎のきの字から応用編のおの字まで一受講三十三時間分を基本とし、追加受講十四日分と個別指導がさらに追加されるということを記録しておいたのである。
まぁそんなことを黙々と熟して居るとNS-FPTが到着した様であった。
少し休憩をはさむつもりで出迎えに行くことにした。アスカ秘書官も同行するといったので一緒に行くことにする。
ほかにもノイン・デザイナーも同行した。
リムジンタイプのFPVをクララ嬢が用意したのでそれにワルキューレ嬢も一緒に乗せて行くことになった。
八人乗りの中型FPVである。
ゲートの移設作業はもう終っており、旧ゲートを潜りといってもバーや設備は無いがリムジン型FPVをタラップの横に付ける。
形式にのっとって赤いじゅうたんを転がしてタラップに付けるクララ嬢。
簡易的に線が引いてあるだけの施設ではあるが、その構造データーはすでにNS-FPTのほうに登録されて居たらしく。
特に問題なく到着できていた。
私や秘書官のアスカ嬢、ノイン・デザイナーが規定位置に並ぶ。
部隊指揮官と艦長の二人が下りてくる。副長は船でお留守番の様だった。
規定位置に並ぶと、
「部隊指揮官のアオヤ・ムラサメ大佐であります。これより貴下の指揮に入ります。よろしくお願い致します」と、それに対し、
「長旅お疲れ様でした、支部隊部隊長のアスカ・ジークレフですこちらこそ宜しくお願いします」と返礼を返した。
艦長は直立不動のまま
「一番艦サグレア艦長のヨウスケ・
「わかっております、貴官と貴艦の航海の無事をお祈り申し上げる」と答えるにとどめた。
一番艦~三番艦までは輸送の脚になるという特例が盛り込まれているのであった。
「これにて、荷物の降ろし方を初めさせていただきます。ので受け入れをよろしくお願いします」
そこで初めてアスカ嬢が話始める。
「秘書官のアスカ・アラ・ニスです、荷物データをいただきたく存じます」と艦長は素早く内ポケットから『チップメモリ』を取り出し
「こちらにございます」とアスカ秘書官に渡していた。
それを確認すると。
「メカニックで手隙の人員は東側倉庫に集合、荷物の受け入れ態勢に入る。それと建築班は工具を持って現着せよと部隊通信に連絡していた」とアスカ嬢が小型の通信機で支部隊通信に乗せた。
私がいった、
「ムラサメ大佐は下船するということで宜しいのですかな?」と聞く。
百リットルはあろうトランクケースを持って降りて来ていたからであったが。
「ハイそのとおりです。私はここに残り部下を待つことになります」と答えたので。
「急ごしらえで申し訳ないが、兵舎はまだ一部しか完成して無いのでそちらにご案内ということでよかったのかな、ノイン・デザイナー」と初めてノインに声を掛ける。
「はい申し訳ありませんがまだ士官用の宿舎は出来上がっておりませんので、今から降ろされる積み荷の中に士官用の宿舎が入っておりますので。今しばらくお待ちいただければていねいに創りますので」としっかりとした口調でノインが答える。
するとムラサメ大佐は、
「よろしくお願いします話は充分に聞いておりますので、ノイン・デザイナー」
それとコレをお預かりして居ますとムラサメ大佐が私に「小型のトランクケースと書簡をヨナ様から直々に預かって参りました。書簡はケースの中にございます」といって渡してくれた。
ケースは結構厳重なモノでは有ったので「これは?」というと。
「部隊表とその資料それに他にも複数あるようでして、渡せば分かると申されておりました」とムラサメ大佐。
「ありがとう、心して読ませてもらう」といって受け取った。
という所で着任式と他の簡易式は終わりになった。
「荷下ろしはどれくらいかかりそうですか?」とアスカ秘書官。
「1日くらいは掛かるかと」と艦長。
分かりましたとアスカ秘書官がいってチップ内のデータを瞬時に『データパッド』に読み込ませて、さらにそれをノイン・デザイナーに渡した。
ノイン・デザイナーも同様に自分の『データパッド』にデータを全て移し。
アスカ秘書官に返却した。
「では受け入れに入ります」とアスカ秘書官が凛々しく敬礼する。
その敬礼に返礼で敬礼を返すセギマリー艦長。
「ノイン・デザイナーは、ムラサメ大佐を兵舎まで案内後合流してください」とアスカ秘書官がデータをかなり早く見ながらいった。
アスカ秘書官が後に気配を感じ振り返ると見事に、受け入れを行う人員が隊列を組んで休めの姿勢で待っていた。
それに答えるかのように、
「では荷物の受け入れを開始する、各班取り急ぎ連携し受け入れにあたってください、注意一秒怪我一生ですのでくれぐれも気を付けて作業にあたる様に……」と警告も行って作業が開始された……。
その様を見ながら艦長はこうも思っていた、中々やりますねと……。
ノインはムラサメ大佐を兵舎に案内し鍵を渡すと、
「では、資材の確認と組み立てに入りますので。これにて失礼いたします」といった。
ムラサメ大佐が案内された部屋は最初に組み立てられた分隊長用の個室では有った、少々士官用には手狭ではあるが快適では有ったので、そのまま手荷物や持ってきたものの確認を行うことにした。
アスカ秘書官に一律でここの荷の受け入れを任せ、ノイン・デザイナーと協力してことに当たってくれと私が頼むと、
「分かりましたお任せください」と綺麗な返事が返ってきた。
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