第四節:シュレイディア先行試作型
そして、それから二日後、
「ワシの船、輸送艦じゃないんだがな……」と再び
「そこを何とかといってこれが、高名な和菓子職人の創りし金の卵に御座います」といいながら私と秘書官以下二人が接待に上がったのである。
「後数往復は頼まねばいけないと思いまして、今回は人数分とは行きませんでしたが」数を用意させました。
アスカ嬢と、クララ嬢、ワルキューレ嬢がそれぞれ木箱をその場に置いて行く。
「む、この木箱の創りもかなりの腕ではないか」とそこは見抜いたのではあるが。
中身も同じものをといって横を空けるとそこには紙包みに入った見事な梱包のされたものが並んで入っていた、かなりの量がある。
「どうかこれで一つお願いしたく」と私が頭を下げながらいうと、
「よし分かったワシも男だ引き受けさせてもらおう、いろいろ面白いことも考えてるみたいだしな」
「久しぶりに笑っておられるヨナ様を見れたのだ、中々
「そういっていただけるとより励めます」と流石は金の提督だ見ている処が違うとも思ったが表情には載せなかった。
そういっている下ではノインが、各デザイナーと共同でメカニックを動かしていた。
「この荷物は全部南側の四番前に積み上げてくれ後そっちのパッケージング三十四個は西端っこに寄せて積んで置いてくれ一つだけ四番整備ポート前に置いてくれ、その赤いのは東端に積んで置いてくれ六十あるから数添え間違いないようにな。フレームは一機を残して一機だけ四番上に移動。残りは東端に支えを付けて並べて置いてくれ埃避けを被せるのを忘れない様に……」と大騒ぎになった。
「他の資材は一番隊から三番隊までの各機の足元に踏ませないような位置に巧い事積み上げてくれ」とノインが率先して指示を行っていった。
「赤色の内二十七個は西隣の倉庫に移動同じく南側に積み上げて置いてくれ積み上げ終わったら雨天様ののカバーで包んで置いてくれ、何かいわれたら私の名前を出してくれていい」といったのであった。
と上で会話が一段落したころに電話が鳴った、
「ノインです荷分け終了しました、ありがとう御座いますとお伝えください」、
「分かった伝えておく」といって私が切ると。
「急ぎか?」と金の提督。
「ではなく下のデザイナーからです、ありがとうございましたとのことです」と伝えると。
「よい部下にも恵まれとるなぁ」
「良きことじゃ、よしでわ私も戻るかの」と腰を上げる、
「でわな」と片手を上げて挨拶をされた。
「我々も降りるか」といって席を立ち、ブリッジ後部のVTOL着陸用デッキに向かった。
エンジンの始動音が聞こえて来たので、急ぎAFPVに戻ると全員四人で載り込みドアを閉め。
OKサインを運転手に出す。
「では、出ます」とサーラインアグルア号の通信士に連絡を入れて船を離れブリッジサイドを規定位置で通過し降下するそれとは逆にサーラインアグルア号はギルドシティー方面に向かって上昇していくところであった。
「あの大きさでマッハ七十五以上が出る、というのだから驚きだよな」と私がいう。
「ウチにくる子らはその半分でしたっけ」とクララ嬢が聞いて来たので「展開速度にものをいわす為マッハ五十二から五十三、四くらいまでは出ると聞いてはいるが高度に依るところが大きいらしいな」と私は思った展開速度にものをいわすことが出来るようになるなと。
「まぁあまり高い速度で低い高度では地上に被害が出ますものね、HSTでも高度三十~六十キロメートルとのことですから」とクララ嬢が博識に答えた。
「そういえば、アスカ四~六番隊に付けるギルデュースも名称は決まったかい?」と聞くと、
「あまり立派なものでも引かれてしまうでしょうし難しいんですね」名称ってとアスカ嬢はまだ考えている様だった。
「根詰めても仕方が無いのでゆっくり考えると良い時間はある」というと。
「分かりました適度に気を抜いて考えることにします」といった。
一方その頃地上では、
「えー、『エージェント』を一旦降りるんですかぁ?」とコマチ嬢、というか機体交代のため。
「エージェントはそのままなんです。新しい機体に乗り換えていただきたいんですが、ご協力いただけませんか?、一応隊長からも命令書は出ていますが」といった。
「これなんですが」と『先行試作型シュレィディア企画書』をノインが見せた。確かにエージェントとの交代と書いてある。
「今のクラスよりも三ランクはアップするはずなんですが」と続ける。
「そんな機体私には勿体ないですぅ」とサリィ嬢と話し始めたするとサリィ嬢が
「私が全力でバックアップしますので自信を持って乗ってください」といってコマチを勇気づけた。
すると、
「一応頑張ってみますのでよろしくお願いしますぅ」という答えを得られた。
「メカニック二番隊は即四番整備ポート前に集合」とノインがいった。
「各自『データパッド』展開データを転送する、この指示に従い先行試作型シュレィディアを製作に入る、以上何か質問は?」とノイン。
「エージェント機と交代とありますがフレームと資材はどちらに?」とメインメカニック。
「フレームは今大型クレーンで四番整備ポートの上に吊り下げられている。資材とパッケージはその前に展開してある荷物がそうだ」とノインがいった。
「分かりやした」とメインメカニック。
「ギルデュースに似てますなと」メインメカニック、サクラ嬢が答えた。
「パッケージがギルデュースですからねぇ」とノインがいう。
「装甲は標準級としても外観は変化させましょう」とノインが追加した。
「以上、作業開始。エージェントは仮の西側整備ポート十番へ移してください。すでに許可は取ってありますのでどうぞ」といった。
「判りました、エージェントを移しに行って来ますぅ」と元気が治ったコマチ嬢であった。
因みにお客様用の六番には黒騎士のフレームがあったりしたがそこまでは気が付かなかったようである。
「FPTはそのままで行けますので。大丈夫です!」とノインが追加する。
「了承しました。組み上げお願いしますぅ」とコマチ嬢は言った。
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