第二節:東側大規模改修
……それから直ぐに……
「メールで電子書簡が届きました」とクララ嬢。
回しますといって侯爵のほうにデータを回す。
「ふむふむ、ヨナ様からか、地上巡航艦かヨナ様らしい…んNS-FPTがベース。イカンこれはドックが数個必要になるぞ。アスカ、ノインを即呼んでくれ幅はSL-FPTよりも一回り大きい…ふむふむ……」と私は茶を飲みながら資料を見ていたが資料を見た際にお茶を吹き出しそうになっていた。
アスカ嬢が「ノイン・デザイナー総隊長がお呼びです。直ぐに支部隊隊長室二階へお越しください」とアスカ嬢が支部隊用非常通信で呼びかけた。
「アスカ、東側倉庫をギルド用に改良してよいか州知事に連絡メールを入れて置いてくれ。連絡の件のご丁寧にありがとうございます。と付けて置いてくれ」といった。
不味いかもな少しだけ思った。
サイズや人員が一気に増えるなとも思った訳ではある。
「どのくらいの規模の改修になるので?」とはアスカ嬢、「SL-FPTよりも一回り大きい奴が入るNS-FPTが四隻ほどの改修になる筈だが」というと。
「工事業者の選択は如何なさいますか?」との返答がやってきた。
「それはギルドで資材も業者も持つといってきている…のでギルド側で」と私は思った、また大規模改修になるのかと。
「流石に、機密の塊をその辺の業者さんに見せるわけにもいかんだろう?」この前の件もあるしな……。(第一章、第六節参照)
ちょうどそのころノインは酒こそ飲んではいなかったが高架下ラーメンを堪能した後、ギルド証を見せゲートを通過しようとして居た時であった。
「緊急で呼ばれてるみたいだな」とゲート警備員。
「その様ですね」といって四点パス(顔形パス、光彩パス、DNAパス、IDパス)を行うと。
「でわ行って来ます」といって走り出した。
それから三分後「遅れましたノインです。入ってもよろしいですか?」
「ちょっと待ったがこれくらいは範囲内だろう」といったまだ大丈夫の範囲と思った。
「今回は何の件です?」、
「東隣の倉庫も借りることが出来たので大規模改修をだなやって貰いたいんだが、資材なんかはギルドで持ってくるといってはいる」といって先ほどメモしたものをノインに手渡した。
ノインはまずそれを見て……「ドックが要りますね四つ程、しかも規格外ですか……東隣ならかなり余裕がありそうですが?」
「雨季の時期に頼むのは間違っていると思うんだが……でも来ちゃうんだよなー。物資とギルドの設備改修業者が……」
「ヨナ様がかなり会議の席で、荒れて居られた様だしな。火を噴きそうになってたらしいぞ」と付け加えた。
「青図面でも書いてみましょうかねまずは」
そして『データパッド』を取り出してタッチペンでスラスラと描き始めた。
流石デザイナーと思わせる作りで外装補正がほとんど要らない見事な造りであった。
後壁面にも何か張り付いているのを見つけたので「コレは?」と思わず聞いて見ると壁面設置の兵舎ですという答えが返ってきた。
「三面もある広大な壁面を余らせておくのは勿体ない」との答えであった。
「西側よりもデカい分機動兵器格納庫にも余裕ができるが階段式にしたのか」と私。
「えぇ全部で六段ですね下三段は格納式ですが上三段は階段式ですその空いたスペースには給弾庫を設けます自動給弾方式にしておけば直ぐに出られますしね」
「一両一両の隙間をソコソコ取れるようにしてありますのでヒトの移動も問題ないかと。上三段は階段式でヒトの移動、下三段は梯子方式でのヒトの移動です。後粘着榴弾対応の装甲の様なので板の取り付け作業は要らんでしょうし」
「凄いなデザイナーっていうのは」というと、「メカ系に強いただのオタクですがね」と若干否定した。
「今の処、設備デザイナーっていうのが無いのでエンジンデザイナーとシップデザイナーとMMデザイナーをMixさせている上に、一応ですが建築関係もほとんど抑えてはいますが」と、それだけ抑えていてもあまり自信はなさそうだったが……。
「やはりノインに頼んで正解だな」という。
「他のデザイナーとも合わせはしますので抜けは無くなるかと」と答えた。
やはり他のデザイナーとの打ち合わせも重要なのだという口ぶりであった。
「虹騎士団との交戦で分かったことなんだが、やはりウチにも随伴の歩兵戦力が必要になる。でヨナ様に頼んでみた訳なんだがタランチュラの件となると直ぐ動いてくださる」と私がお茶をすすりながらいった。
「見ようによっては大分利用している様にも見えますが」とアスカ嬢から厳しめの突っ込みをもらった、「厳しい所を所を突くね、でもこうしないと同じことが二度三度起こった時に対処できなくなるんだよ」同じことは二度と繰り返してはダメなんだと思いながら。
「まぁそうですものね」とクララ嬢もいった「同じことは二度目はしないほうがいいのですが」
「そうなると上は、下はなんで何もいわないんだといって下の所為にする」
これが悪循環になるのさと私がいった。
「ウチも三小隊が六編成+指令小隊三機だから本来はもう+六機揃えれば中隊が七編成揃うんだがね、まぁでもギリギリ入っちゃうんだな元々は四十機南側だけで入る筈だから、指揮小隊も増員したいなー小隊だけだと他の中隊にひずみが出るからなー」
「それで指令小隊は三機編成一小隊しか居ないんですか?
一中隊として見るならあと六機は必要なのでは?」とノインが少しビビりながら答えた。
「指令小隊も中隊にして見ようかどうせならこの際機材だけ揃えて六人は魔剣士クラスを揃えてみたいな」と私がかなり希望をモリモリでいうと。
「指令小隊について行くのはギルデュースでも難しそうですね、魔剣士を揃えるということは新機体を考えなければいけませんが」と不安そうにいった。
「しかし一番隊から三番隊はどちらかといえばギルデュースでない分、さらに変則的な構成になりやすい」と私がいった。
「まぁ皆腕で、持ってはいるんだがね」とも私が続ける。
「さらには、各機ともオーバーホールが必要な時期に近づいてるんだ」と追加もした。
「部品が各機違うのにオーバーホールですか!?」とノインがびっくりしたような声を上げた。
「仕方ないじゃないか。今更ギルデュースにしろといっても魔導機も混じっているんだから」と肩をすくめながら私がいった。
「そうですね、魔動機に今更乗り換えろといっても。無理ですもんね」と首を捻る。
ノインに何か考えが有りそうだったので、しばし私が静観すると。
「まず四番隊から六番隊までのギルデュースの二十七機の魔導機化を、図って見ましょうか?」とノインがこれが実は出来るんですなといった感じでいった。
「そんなことできるのか?」と私は驚いた。
第八章 第三節へ
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