第四節:魔法機襲撃

「せめてカラーさえ出ればいや形状でも行けるはずだ……」と私がいう。


「確か都市外周に指向性のレーダーがあったな」とそいつが使えればと思った。


「座標転送狙って貰え!」と私が叫ぶ。


 クララ嬢が速攻で州知事のところに座標を転送する。


 ギリギリレーダー照射に当たり形状がレーダーに捉えられていく。


「転送来ます」とクララ嬢、「全員の『データパッド』に形状転送」と私、「魔導光弾でも弾かれそうだな」とさらに追加で。


「連射する、アイゼン下ろせ、残弾十三発……喰らえっ!!」(アイゼンのロックを確認し残弾を全部放つ)……1.3秒で撃ち切った。


「連射したのでオーバーロードを起こしてる、一旦転がすぞ」といって私は高射砲を足元に転がす。


 0.1秒連射だったがまだ気配はあった。


「ついでにこれも喰らえ!!!」といって私が空を四回斬る「次元斬四連撃っ!!」と私が叫んだ。


「デザイナー陣より隊長機へそいつは幽霊だ!」と聞こえたのと同時にアイゼンも そのままに「バク宙する」と私が高機動回避運動を行った。


 相手の攻撃対象になる前に移動回避を行ったのであるバク宙で。


「へ?」とクララ嬢。


 その直後隊長機の居た足場が爆炎で爆ぜる……。


「いかが運動性能が高いとはいっても上空五十メートルからのバク宙はいかがなものかと……」とアスカ嬢、隊長機は二十五メートルは落下したがホバリングモードで空中停止していた。


「セーフ!!」と私がいった。


「だがまだ終わってないぞ、全機警戒ライン下げ籠城する」と私が続ける。


 隊長機が空中二十五メートル付近から地上まで降りてくる。


 それと同時に「一番隊と三番隊はギルドゲートへ、都市内部に戻れ!!」と私、外にいる一番及び三番隊に「高射砲が重ければ置いて来ても構わん全力で走れっ!」と号令をかける「二番隊はシティー内戦闘用意。出番だ!」と私。


「アスカ秘書官州知事に連絡だ、都市内部に警報を出してもらってくれ!! 特に南側がヤバい」


 逆手に持っていた太刀を右手で握り直しVC(真空切り)を連続で空中の相手に向かってこれでもかという程斬りつける。


「これでもまだ崩れんのか!」


(すでにVCは十発は超えていた……)


 が、突然左手を上空に突き出して「シールドっ!」と私が叫ぶ。


 直後隊長機そのものが火炎に包まれた様に見えたが何かが


“カシャンパリン”


 と割れる音がして火炎が消える。


「くっ、全機都市内戦闘用意。魔導機は前衛に回ってくれ!」と私。


「アスカ秘書官は都市内戦闘になることを州知事に直ぐ! 連絡してくれ!! 南側から中央が不味い!!」と私は叫んだ。


「三機か二機がかりで押し込むぞ!! 魔導力が低い者は後陣に回って援護を!!!

「デザイナーより隊長へ奴は、背面が弱点の筈だ!」、

「魔動機でもいい、後方からランスでも突き刺してやれ!」


 ミヒャイルで残像分身をかけ回避に立ちまわる。あちらこちらで爆炎が上がったがミヒャイルはその瞬間に爆炎に紛れて、都市側ゲート内に進入した。


 オープン回線でいい放つ「近場のブルーアジュールは残っている市民を安全な場所へ退避を優先してくれ」と私がいって一旦太刀を鞘に格納する。


「VCが通じなかった相手だ今ならまだ逃げても構わんよ、クララ」と私はいった。


「死ぬおつもりですか、活路はある筈です」とクララがいう。


「崩壊剣、使えましたよね……」と追加する。


「アレか、正面からの真っ向勝負になるぞ」と私はいった。


「アレに次元斬、加えてみませんか」とクララの提案だった。


「混ぜたら行けるのでは?」とも追加する。


「賭けだな……」と私はいう。


「目標は都市外延部に穴を開けて侵入、南側からセントラルタワーに侵攻中」とアスカ嬢は刻々と変わる目標の位置情報を冷静に告げていった。


「各機へ最終機位、自己申告(ボタン1回押すだけで済む)後仕掛けるぞ」


「各機、了解」(各機から了承のコールが帰る。)


「さっきのにアタック入れてみては?」と更にクララから提案があった。


め、次元崩壊アタックってところか……乗った」と私はいった。


「各機へ総隊長機はこれよりセントラルタワー前で奴に攻撃をかます、二十秒後だ。


 烈破波レッパハも乗せようぜ、踏み台にな……」と追加する。


(柄に手をかけて引き抜き先端に左手先を添える)


「五・四・三・二・一・今だっ! 烈破波レッパハ!!」と私は叫んで機体を飛び出させた!


(まだ距離が届かなかったなという笑みともいえるような感覚が有った)


「そこだっ!! 次元崩壊アタック!!!」と私はさらに叫ぶ!!


(次元斬+崩壊剣+アタックが一瞬にして乗る)


 魔導機ミヒャイルの前腕部装甲が弾け飛ぶが、太刀そのものが投擲され物理的に対象の物理防御壁に当たりそこを起点に爆縮が起きた。


「そのまま飛んでいけーっ!!!」と私は叫び最後のほぼ力を出し尽くしアタックも追撃に載せる。


“カシャンパリン!”


 といい音がして対象の物理防御壁が割れた。


 追撃のアタックが真面に入る(ビクン)と魔法機の動きが一瞬だがそこに留まる。


 直後背面に槍・ランス・三叉鉾等が魔法機に次々に刺さる左右からも槍が飛び出て来た若干下側からではあるがそのままドスドスと刺さっていく。


 真上から短距離テレポートで一機飛んで来てそのまま魔法機の中心線に斧がめり込む頭と胴体がカチ割られて。


 そのまま崩れ落ち高速の高架にめり込んだ……。


 即嫌な予感がしたので


「全機後退! 退避!!」


 私は叫んだ!!


 バックブーストをかけながらセントラルタワー前でセントラルタワーをかばうついでに両腕でコクピット近辺を庇い仁王立ちする。


 次の瞬間、爆縮が炸裂し周囲のものを巻き込んで内側に落ちる様に爆発した。


(重力崩壊を起こし爆縮したようにも見えた)


 爆炎が立ち上り激しい衝撃波も周囲に飛んだ。


 シティーの管制から南側に大雨警報が出されて、溜めてあった水がほぼ全て南側広範囲に降り注ぎあちらこちらで燃えていたものを鎮火して行った。


「最後の斧は誰だ!?」と私は聞いた。


「三番隊のオライオン・セグダです」


「短距離テレポート、間に合ったのか」


「ギリギリでした」とセグダ。


「各機得物はブルーアジュールに引き継いで一旦ギルドブロックに退避、私は動けんから回収機を回してくれ。片膝が衝撃波で逝ってしまった様だ」


「本日は回収機ありませんよ」とアスカ嬢が現在の各機の状態を確認しながら言った。


「ではFPTを回してもらえるか?」と私はいった。


「私のPtで宜しければ」とアスカ嬢が答えた。


「それで頼む運ぶだけなら天井開けたら載れるはずだ」と私がいって。


「他に動けないやつはいるか」と追加する。


「一番隊全機無事です」


「二番隊ギリギリ間に合ったわい」


「三番隊、セグダ機がエネルギープールを使い切ったのでセグダ機のみ動けません」


「セグダ機はエネルギーがフルリカバリィしたらギルドブロックへ」と指示した。


「了承しました」とセグダが反応する。


「誰か私に機位近い奴はいるか?」私が全機に聞いた。


「ワシが一番近いのう、アスカ嬢ちゃんのPtに載せるだけなら。カズマ手伝え」とジーン。



「は、了承しました」とカズマは答えた。


(十秒位でジーン機が近づいてくる)


「戦闘終了時の破損率は隊長が一番高いのう、この部隊は……」とジーンがいう。


「そう言ってくれるな」と私は答えを返した。


(一分後にカズマ機が近づいてくる)


「皆今日はそこそこに破損しているな……修理費が一番デカいんじゃないだろうか?」


「でも人的損害はありませんよ?」とアスカ嬢は各位の生命パラメータ情報を確認しながら伝えてきた。


「FPtモードですこれなら大丈夫でしょう、少々狭いですがどうぞ」とバックヤードを開ける。


「どうぞ、載せてください」とアスカ嬢がいう。



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