第五節:市街戦後

「セグダですフルリカバリィしました周囲に気を付けて帰投します」


「大通りを選んで歩けば被害は少ないはずだ」と私はいった。


 経験上、重MMは大通りを歩けば被害が少ないのである。


「以外と軽いんですね」とカズマがいった。


「そりゃ色々ないからな……」と私。


「ほりゃっと!」ジーンがかけ声を掛けて、アスカ嬢のPtに載せてくれる。


「すまなかった二人とも、手伝ってくれてありがとう」


「でわ戻るかの」


「はい」


 二人が戻ったところで「よろしく頼むアスカ、アスカは今日はどこで管制をしてたんだ」


「MMの中です、機材が揃っていましたから」


「記者さん今日は多いな……」


「まぁアレだけのことをしたんですから、そこそこ叩かれるのは覚悟しないと」


「クララ損害報告まとめられそうなら今の内から出しておいてくれ」


「『データパッド』に渡しますのでそこからどうぞ」


「ギルドへの報告書が一番怖いな」と私は久々になげいて見せた。


「そちらは手伝えますよ」とアスカ嬢は各機の損害状況の大枠を埋めながらいった。


「それは助かる」と私も『データパッド』から損害データを拾い始めた。


「幽霊騒ぎで今思い出したところなんだが、灰月の件はどこへ行った?」


「それがですね、幽霊が消えたら消えていました……」アスカ嬢が答えた。


「電波望遠鏡も何も捉えて無いのか……」と私がいう。


「みたいですね(『データパッド』をチラ見しながら)」とアスカ嬢。


「と着きましたよー、でも誰かに手伝って貰わないと……立てませんな」とアスカ嬢。


「整備モードでポートを、寝かせてクレーンで移動させましょう」とクララ嬢が提案した。


「それしかないな」と私は降りて見ていった。


「では一旦向き変えますので……、離れていてください」とアスカ嬢が通達してFPtモードのまま華麗にターンして、向きを変えた。


 その間に整備ポートを寝かせて行く。


 油圧では無いが電磁力で動くので比較的スムーズに動くのだ。


「ではクレーンを回しますね」とクララ嬢が操作し始めた。


「今日は腕部回りと武器ですか……無くなったのって」とアスカ嬢が報告書をまとめながらいった。


「太刀が痛いよな……、盾はあるんだがな……」


「盾使うことの方が稀ですけれどもね……」とクララ嬢が付け加えた。


「と移動終りましたが、さてどこから手を付けますかね……」とクララ嬢が呟いた。



第四章 資料へ

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