第四章 秘書官と魔法機襲撃
第一節:隊長付き秘書官と大規模会合
私は、隊長詰め所で珍しく文書を作成していた。
ギルドの転向書類と、隊長付きの秘書官に、なるための資料であった。
隊長付き秘書官に、なるためのテストにはすでに前日に秘書課のネットワークテストを受け全て満点で合格しているのでそれ以上、テストの必要が無かったのである。
秘書課のテストは礼儀作法に始まり・打ち合わせ能力・会議の重要点集約・等十二科目にも及んだのであるが、全く問題が無かったそれどころか基準評価点よりも高い点が出たところがほとんどであったのである。
隊長が、街外周の周辺危険度チェックに行って、帰って来たところだったのである。
私が、ひととおり書類を、作成し終わったのと、時間帯は同じであった。
隊長がドアの前で一番隊に外周チェックの状況を報告し、チェックシートに記録していく。
そして、一番隊隊長ダイヤにチェックリストを返した。
隊長のほうからでも確認しておくといってお供も付けずに、一人街外周の危険地域をチェックをしてきてしまったのである。
「まあ隊長は、腕があるからいいんですが」とダイヤ。
「本来は、三機で行う作業ですよ」とのことであった。
ダイヤなりに、隊長を心配しているのである。
「まあ無事だったから、良かったようなものの」とダイヤ、「邁進する、そういってしまったからな」と隊長。
そして、支部隊長室のドアを開け戻ってきた。
「アスカ、まだ居たのか」と隊長。
「えぇ、隊長に署名を頂かないといけない書類が二件、あったモノですから」と私はいった。
隊長はその時、私の背後にオーラが漂っているような気がしたといっていたがまあそんな感じがしたという程度のモノであったが。
「そうか、拝見しよう」と隊長が言ったが私は見逃さなかった汗をかなり激しくかいていたような跡が残っているのを確認した私が、お茶ではなくスポーツドリンクの方をそっと出す。
そして、それに沿えるように、二つの書類を隊長の前に出した。
秘書官への転向願いの書類と、ギルドナイツへの転向願い、の二つであった。
「本格的に乗り込みに参りました」と私。
「冒険者ギルドからウチに移るのかい?」と隊長、「そして誰の秘書に……」といった瞬間であった。
“バン!!”
と、隊長の机に手をついて。
「私は、アスカ・ジークレフ隊長付き、秘書官になります!!」
と私が、隊長を押し切ったのである。
「すでに秘書課のテストには満点で合格してあります」と、私がついでにいったのである。
「すでに、最高位の上長、ヨナ様から許可だけは頂いていますが……」と隊長に私が詰め寄ったのである。
思わず「わ、分った」と、隊長に言わせるだけの迫力は持っていたのである。
そして冒険者ギルドからギルドナイツへの転向を行い、隊長付き秘書官となったのである。
隊長にサインを貰うと、即文書転送器(今でいうFAXの豪華版)に書類を通しギルド上層部の光速転送網へ載せる。
速攻許可がとおり冒険者ギルド証と書いてあった部分が転送魔法の一種で書き換えられギルドナイツとなり職制が秘書(仮)から支部隊隊長付き秘書官に、書き変わったのであった。
『私がここに来てから十三日目のことであった』
初めての、大規模会合が、州知事との間で発生し、その調整にあたった。
私が様々な困難は確かに合ったが、卒なく対応できたのである。
良い秘書様が、居られますなと州知事様からも認められたのであった。
州知事だけではなく警察庁の長官や・公安の長官などからも覚えが良く、税務長官や
『私がここに来てから十四日目のことであった』
二週間の時が経ち、コマチ・アラ・ニスが退院してきたのである。
隊長はもうすでに治りきっており支部隊員に剣の手ほどきや、機体の捌き方を教えているところであった。
私は壁際でちょうど隊長の教え方を、見ている時であった。
開口一番「なんで、アスカがまだここに居るの?」とコマチ嬢である。
「あ、忘れてた……」と私が、言ったのである。
(事実色々あってコマチのことはすっかりと忘れていたのである)
「隊長が、話すと、ごちゃごちゃするので私から話します」
といってコマチを訓練場の隅まで連れて行った。
「修行から、一転秘書(仮)になり、秘書(仮)をやって居る内に身についてしまったので秘書官の試験を受け合格し正式に秘書官となったのです! で今も支部隊隊長付き秘書官として隊長の
「さらには、コマチも込みで発表儀礼に出ることが決定しています!」と私ぐうの音もいわせぬ要領でさらに畳み込む。
追加で、「命令無視、未整備機体で出撃し怪我を被った貴方に、反論は許されません。今の私は支部隊隊長付き秘書官です」とまで私が押し切った。
「すでに、冒険者ギルドから、ナイツギルドへの転向は済ませてあります」と私が五寸釘も追加した。
実際に怪我をした隊長を前に手早く判断し止血や応急ところ置を施したアルケミーデザイナーとしての手腕、そして病院での薬の処方や対処についてもこと細かく三日程であったが口を出しており総評が良かったこと、さらには秘書官として訓練スケジュール等の調整や、他の部署との連携まで行っており秘書官としても有能であることを周囲に認めさせていたのである。
すでにギルド側でもこれ以上ない組み合わせであるとして、特例を認め。
隊長付き秘書官にヨナ様のお墨付きもあって、格たる地位を確立しているのであった。
周囲への存在感もあり州知事・警察庁長官・税務長官など、ディシマイカル・
(さらにこの話はギルドから国元にも伝わっており、ちょうど良い花嫁修業にもなるといわれているのであった。国元からの許可も取付けてあったりするのである)
追加で、笠を重ねる、「コマチは当面、私の下に秘書官補助として就いて、頂きます。あとコマチは、命令無視をよく行うと、聞いていますので、指令小隊隊長直属です」と私が言い切った。
コマチは、もう口パク金魚に変化していた。
そこに、レオンが加わって止め? を刺す。
「初めまして、レオン・スィルベントと申します。現在三番隊の隊長をさせてもらっています。私も発表儀礼には出ますのでぜひ一緒にいかがですか?」とレオン。
因みに、普段のレオンは、すでに優男としては支部隊内に知れ渡っている。
そういう本性が隠されていたのである。
(これのため、前の
人の本性は話して付き合ってみないと判らないというが、正にそのとおりであった。
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