第三節:各部隊の確認と連携
「そういえば、ギルドの支部隊って
「支部隊はすることが無いが、正規騎士団のギルデュース乗りなら、することが多いかな」と答えるに留めた。
私がしたこと無いものを、語っても
緊急展開だけはなるべくしたくない、というのが現実ではあるのだ。
緊急展開とは、状況の分からないところに、一番先に乗り込むことである。
最悪部隊が
私一人らならともかく……、と思っていたのである。
そうしている内に、三番隊の詰め所まで来る。
「小隊長は居るかい?」といってドアを開ける。
中央の事務机で、書類に埋もれていた。
「はいこちらです」と若い声が帰ってきた。
「支部隊隊長のアスカ・ジークレフだ、顔を見に来ただけだ仕事は続けてくれて、構わない」といった。
「はい、三番隊を預からせて頂きます。レオン・スィルベントと申します」と少々、弱気になっている声が聞こえる。
「最初の事務仕事が一番大変なだけだ。あとはそんなに多くないから残さず片付けたほうが良い」とアドバイスにならんアドバイスをすると「支部隊隊長も1日目はこんなんだったのですか?」と質問が来た。
「パートナーが居ればパートナーにも、手伝ってもらうと良い」というと「実は振られてしまって、今は居ないんです」とレオンが答えた。
「え!?」と聞き直すところだった。
「目下パートナー探し中ですが、M・MのほうにはBCを予備で据え付けてありますので戦場に行くのは支障ありません。」と答えた。
「
とここでも二カ月半先の話をする事に、成ったが「
「二カ月半頑張ろうな、それか運命の出会いがあるかもよ?」と答えておいた。
ナイツの噂話の中で運命の出会いはあるにはある。
(街中で美女を助けたと思ったら、その美女から発表儀礼の席で指定されるとか。無い訳ではないが、ナイツ同士の、都市伝説の類で、噂話の類ではあったが……。)
「希望を捨てないことだ、邪魔したね」と私が言って、三番隊詰め所をあとにする。
アスカ嬢も付いてくる。
「どう取られました?」とアスカ嬢。
「根っからのまじめさんだが、見るべきところはあると思うよ」と答えた勘の様なものではあるが、もう一つの勘も告げていた優男かなと……だった。
戦場で勘とは非常識だが、信じるしかあるまい。これはいつもの、私の癖でもあった。
勘を頼り、勘に従った戦い方をする。
たまには勘以外の判断もせねばとは、思ってはいるのだが、真っ先に働くのは勘であり、それが外れたことが無い。
という事実もあったのである。
各部隊の隊長を確認したので、各隊の隊員とパートナーを見に行くことにした。
アスカ嬢も付き合う。
三番隊が一番近かったので三番隊から見て回ることにした。
見るといっても眺めて様子をうかがうだけだが、これも重要な支部隊隊長の任務の内の一つである。
(機種確認や装備の確認も込みではある、見える範囲でだが……)
三番隊はA級~B級までの重装級が揃っていた、この部隊は守備向きだなと思ったくらいである。
ほとんどが重装級の騎士型であった。
重装級とは重装級フレームに重装型の外部装甲を張りデカい盾を持って、前線を押し上げるか守備戦線を張るチームのことである。
手を上げて、挨拶をしながら回った。
戦果はそれなりに有ったS級は居ないまでも
次いで、二番隊ジーンの部隊を見に回る。
こちらの部隊は、うって変わって、軽装級と標準級をミックスした部隊であり。
側面援護が、主体かなと思った。
ジーンが居たので
こちらは三番隊とは、変わって軍事型が多く、オプション換装で何とかなるタイプが多かった、ジーンらしい組み方では有ったので、信頼することにした。
軍事型とは、角ばった装甲の軽装級や標準級に、軽装型装甲を載せたものが多く、主に足回りを、
最後に、一番隊ダイヤの部隊を、見て回ることにした。
こちらは、標準級が主体で、
各機とも、騎士型標準型装甲で中軽量シールドを備え、
ダイヤに聞いても、そのくらいしか答えが返ってこなかったので、この一番隊を標準と考えることにした。
一番隊のクラスの平均は、B+級であることが分かった。
まあ予想の範囲内だ。
自機のほうに、戻ることにした。
最終的には、さらに九機が増え、一部隊辺り九機まで数が増える。三部隊がそれぞれ中隊編成になる。
増加する九機も三分割(標準級・軽装級・重装級それぞれ三機づつの編成である)できる。
組み合わせになっていたので、各部隊には問題のない配置で行けるはずなのであった。
想定の範囲内だ。
メカニックさんたちは着くのが五日後と、成っているのでそれまでは各自で補修整備や部隊章の貼り付け等が行われるであろうと思っていた。
ギルド支部隊としては、州知事旗下のブルーアジュール準騎士団との連携も、重要だったのである程度の情報は流すことにしなければならなかった。
時間を確認すると、まだお昼を過ぎたところだ。
支部隊隊長詰め所で連絡チャンネルを開く、連絡先は『州知事』の処である。
アポイントは取ってないのでまず受付に聞いた。
「州知事様にお話があるんだが、今は大丈夫かなと」笑顔でいうと、「大丈夫です、お
「ジークレフ侯爵様、何か御用ですか?」といったので、「そちらとも連携が必要な、ときもあるだろうから、データを渡しておこうと、思いましてね」と真面目な顔に戻る。
「これは、ありがとう御座います。こちらでも連携の話がそろそろ、必要になるかと思い。データを各部隊長に出させていたところだったのです」と州知事はいった。
「では、データーの交換を、致しましょうか」と、私のほうで言い、データーを渡す、用意をする。
向こうでもデータを渡す用意が、できたようだ。
お互いに画面右下部の表示を、押し合い(画面自体がタッチパネル方式に成って居るのである)互いにデータを、交換する。
データーの交換は、直ぐ済んだのだが、二カ月先の発表儀礼の行う場所と警備の話が出て来た。
警備はどうすればいいのだろうかとか色々悩んではいる様だったが、失礼に当たらない範囲で作法を守れば問題は無いはずだった……。
ヒヤヒヤとはしている様であった。
州知事になって初めての、一大イベントらしくかなり緊張している様子が
発表儀礼の場所データと周囲のデータをもらい、こちらでも検討をしてみるということになった。
「初めてのことだから、緊張するのは仕方ないですよ」といったがあまり緊張は取れてないようだった、まあ無理もない。
第二章 第四節へ
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