第七節:上級貴族 侯爵決定

 中には、ユンデル公爵からの正式な書簡も含まれており、本国ギルディアスから上級貴族侯爵位こうしゃくいを与える。


 と書かれた書簡も中には含まれていたのだ。


 重要書類の整理をクララ嬢にまかせ、必要なものをまとめてもらうのである。


 ギルドからの、格上げ書類も含まれていた。


 ユンデル公の話がギルドに回り侯爵位がもらえることになっており、つまりこれらが上級貴族決定じょうきゅうきぞくけっていのお知らせであったのだ。




 あのあと作業員の発表により、その画像をテレビ局がライブニュースで公表してしまったため。


 全て作業員が録画ろくがした映像えいぞうはノーカットで流れたのである。



 公開一日目で、これである。


 なぞの、魔業機マジックマシンウワサと、ギルド支部隊の隊長機の動きとが、同時にふっとんだ、噂になってしまっていたのである。


 特に、ネット上でも取り上げられてしまい拡散率かくさんりつひどかったのである。


 グランシスディア国の、正騎士団が行ったという事実じじつが、世界中に知れ渡ったのである。



 グランシスディアライン正騎士団からは、おとがめではなくお見舞いの品と、どうかことを荒立あらだてないで欲しい。


 というグランシスディアライン正規騎士団の駐屯部隊副隊長からの正式な書簡、と様々な書状が贈られてきていたが、そんな状況にお構いなく、ウワサは広がっていったのである。




 動画のほう、では魔業機の動きが早すぎて見えない!


 等の書き込みでお前らの愛で画面が見えないよという奴が居たり、文章で埋め尽くされていたりしたが。



 文字無しモードでは『魔業機に対する魔動機(グランシスディアラインの正騎士団の非道)』というタイトルで、様々なところにもUPされ続けていたりしてネット上は完全に、おマツり状態であったことをここに記しておかねばならない。


 火消し側も手を大分焼いていたが、手が回りにくいところまで広がってしまったのである。



 尚、私も一部餌食エジキにはなっていた。



「出入り口近辺から、超スロー画像でないと見えないんですけどwwwwwwwww」



とか、書きあげられていたのだ。



「最重量級の高射砲背負って、その機動かよどんだけーwwwwwwwww」



とか散々にはやし立てられており、引くに引けない状態となっていたのだ。



 そしてギルドからの使者も来たのである。


 侯爵コウシャクになったことへの書状とギルドのID証を新しいものに変える話が同時に進行したようでプラチナステータスからブラックオニキスステータスまで、ギルドIDが二段階上がってしまっていたのであった。



 ことが、ことだけに、ギルディアスは正式にグランシスディア連邦共和国にグランシスディアラインの部隊長以下三名の引き渡しを要求したが、グランシスディア国内で厳重げんじゅう処罰しょばついたします、との逆回答でなんを逃れていたのである。



 当然だが、グランシスディアライン副隊長は、引き止められなかった責任を問われ辞職じしょくした。


 他二人の部隊員は別々の地方都市に転移てんいさせられたのであった。



 部隊長について行った二人もグランシスディア・セブンの首都最高裁判所しゅとさいこうさいばんしょから懲役ちょうえき七百五十年執行猶予しっこうゆうよ七日のドギツイ判決を即刻いただき、部隊長に付いては数々の越権行為と他国たこく公爵令嬢こうしゃくれいじょうに対しての行動が問われ懲役ちょうえき千五百年が即刻確定そっこくかくていしたのである。



 その判決に、エルフの王国と、東国四大国家斑鳩国イカルガコクとその旗下のアラワニ国からそれでもぬるいという抗議文書こうぎぶんしょが送られて来ていたらしかった。



 対して、こちらには『侯爵への進位、マコトにおめでとうございます』であるとか、『この度は我が国、姫君を守っていただき、誠にありがとうございました』であるとか、せめてこの勲章クンショウを……というものが、斑鳩イカルガ国とその中のアラワニ国から来ていたりしたである。


 エルフの王国から、この度は同胞どうほうを守っていただき、誠に感謝かんしゃしている等という、エルフの王国からも勲章を贈られもした。



 グランシスディア・ゼロから物理的に戦力が六機居なくなるな、という話を副長やアスカ嬢と話していたらジーンがかけ込んできたのであった。



「ブルーアジュールが、百機に格上げされるそうだぞ」と、いったのである。



「つまり、九十機増えるってことか」



 と、ダイヤ副長が反応した、それで今日は休みだったのかといったのである。



「そういえばギルドからも戦力の拡充かくじゅうをする、といってきている、急ぎ入るようだ。先行で十六機が増えるみたいだ。明日かららしい」



 と、私も付け加えたのだ。



「今回は、皆のパートナーとルーキーのアスカ嬢に乾杯かんぱい!!」



 と、私はいきおいよくシャンパンを開けたのであった。


 街外周は、ブルーアジュールの先行配備機三十機がすでに来ていて、我々は今日は休暇なのである。


 久々に、みんなして病院で、シャンパンを開け。


 サケノツマミをまみ出した、中々無い構図だったが、仕方が無い。


 一人は、ベッドの上から動けないのだ。


 個室なので、できる荒業あらわざではある。


 コマチだけは、何が起きているのか。


 一人、付いて来れていないようであった。


 ただ、美味しいものに、舌鼓したづつみを打つそれだけである。




第二章 第一節へ

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