第四節:公爵家
この部隊の、地位層は私が下級貴族(子爵)の出身で一番高く、次いで元支部隊隊長ジーンも同様(男爵)で、ダイヤだけは一般市民の出身なのだ。
公爵家が、いかに遠い存在かも知っていたのである。
だから、手の届かない存在である事も、よく分っていたのである。
それ以降、ダイヤから返信は無かったのだから……。
「封鎖するぞ……」と、いって。
私が、無線封鎖しようとする。
その瞬間であった。
「そのお嬢さんを、ウチで
「さっきの話は聞いてたか? 恨まれるぞ絶対」と、無線を切る前に少しいったのである。
「少し
「任せたが、食い下がり過ぎるなよ」と、返答するしか無かった。
どんな、伝手なのかは分からないので、任せるしか無いわけだ。
そして、病室前に戻って来た。
先程から、すでに
“コンコン”
とノックをする。
「どうぞ」と、部屋の主が答える。
部屋に、入るとアスカ嬢が居ないのを確認した。
すると、もう帰ってしまったのか……早いなと思い、花瓶をベッド脇の小テーブルを兼ねた
「何か、電話でね、呼び出されたみたいなの」と、コマチ嬢が心配そうにいった。
「そうなのか」、近くの空いている
「すれ違わなかったから、国際電話のほうか」と、
「上層部かな」と、続けたのである。
「たいちょうー、何かやってるんじゃないでしょうね、あの子を巻き込んだら……」と、
痛いほどに。
「あの子はノーマルなんですからね」と、
「なんだって? ノーマルの太刀さばきでは無かったぞ、それにあのバランスのとり方も……あれはナイツの?」と、いう。
すると、コマチが泣き出しながら小さい頃の話をしてだしていた。
武人のほうが「
私にも、少しは覚えがある、ノーマルなのに太刀筋が良く、かなわないとまではいかなかったが、筋が良かったヤツのことを。
そうして、十五分ほどすると、コマチは泣き止んだが、顔に
すると、少し強めに
“ゴンゴンゴン”
とノック音がした。
アスカ嬢では、なさそうだったので直ぐに席から
それを確認した、コマチ嬢が、
「どうぞ」と、部屋の主として返答をする。
すると、正騎士団グランシスディアラインのナイツが三人程来ていた。
「珍しいじゃねーか、こんなところに来るなんざ!!」と私のほうから話しかけた。
ほぼ牽制のつもりで、
それは、無視された様だった。
「公爵家の方が来ているとの
「大統領の
すると、ようやく反応があったのである。
「
“ドバン!!!”
と、いういい音がして。
正騎士団が三人とも、
「ぐぬぬ」と、隊長格が、頭を上げ様とするが上がらない。
他の奴らは、ピクリとも動かなかった。
「我が隊の、隊長を
「これは、
「一時期お世話になりまする」と、ていねいに一礼される。
私に、向かっていったのだ。
コマチは、口をパクパクと金魚の様に動かしているのみだった。
いつ倒れても、おかしくないなと私は思ったのである。
「わかったよろしく頼む」と、アスカ嬢のほうに向き直して、いったのであった。
グランシスディアラインの連中は、皆指一本も動かせない状態でいたのだ。
三分経過がする。
正騎士団最後の一人、隊長格が気を失ったのを確認してから、ナースコールを押した。
ストレッチャー三つと共に、である。
「流石だな」と、私がいった。
「いいえあれ位の
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