設定4 グランシスディア世界の人族の終焉と新人族

 設定1の文末資料の最初にも、あったようにこの世界でのコモンレース種はすでに全種族総人口の十五パーセント未満に落ちた。


 これは紛れもない事実であり、人族の辿たどった歴史が語っている。


 人族は、滅びの道を走っている。


 そこに気付いた、少数の科学者や学者が、居たのである。


 彼らは、警鐘を鳴らしつつ、何か道が無いか模索し始めた。


 そこに、超生命体の超龍の一派が接触を図ったのである。


 滅びるしかなかった人族に、一筋の光明が差し込んだ瞬間でもあり、長い闘争の始まりでもあったのである。


 その超龍の働きかけにより、新たなDNA構造が生まれ、新人族ニューレース(以下NR)が誕生した。


 NR交配種と、婚姻(交わり)し、新たに生まれ変わることで再び人口を増やそうとする動きができたのであった。


 その動きは三一〇〇年から発展し始め最初は少なかったが、徐々に増えNRは全種族比十二パーセントを超えた。


 二八〇四〇年、新人族になるのを好まない人族至上主義が生まれてしまった。


 これにより一時期足踏みしたものの流れは止められず、二九〇四〇年時点でNRは全種族比二十パーセントにまで増えたのであった。


 まだ少ないが、そのうち逆転するだろうと言われてはいるのが現状である。


 人族至上主義とは『新人族は見つけ次第殺してしまえ、それに加担する同族・多種族も同罪だ。皆殺しにしてしまえ』という過激思想派閥で、自らは短い生涯さえ満足できればそれでいい。


 後の者をかえりみない者たちであったので、拡大しなかった。


 いかんせん数が少なすぎ、基本的な人族の考え方にならなかった。


 大多数の人族に生まれた者たちは、来世こそNRになりたいという願いができるほどNRの評価が高かったのである。


 特に寿命が飛躍的に伸び、そして健康面も人族よりはるかに強く普通の病には毒されない等と良い評価ばかりが見えたからでもあった。


 悪い評価が無いわけではないが、ほぼ全ての面で人族より強く逞しかった。


 寿命が延びた際に何をするのかなどの根本的問題を置いたままだったためである。


[文末資料]-----------------------------


■NR:New Race:新人族

 DNA構造は三重螺旋であり、DNAが梯子構造の人族よりも強い能力を持つ。


 人族と同様にパターンはナイツ・メイジ・ノーマル・デザイナーとなる。


 寿命は、平均で九百九十九歳を数える。九百九十九歳以上生きるものも居れば、九百九十九歳を目前に亡くなるものも居たが、人族よりもはるかに長命であるため人族からは羨望の眼差しで見られることが多かった。


 結婚時に人族をパートナーに選ぶと間違いなくNRが生まれてくる。


 原種ノーマルタイプ交配種が存在しNRに生まれ変わりたいと願うものが交配種と結婚するようになっている。


 悪い評価としては、病に侵されてしまった際にアルケミー・デザイナーの力を借りなければいけない。


 普通のアルケミー・ドクターには治せないのだ。


 ドクター⇒オーソリティー⇒エンジニア⇒メカニック⇒デザイナーの格がある。

 


■Prototype New Race・H (homunculus) type:原種NR・H(ホムンクルス)型

 ニューレース種の原種である、アルケミー・デザイナーの創った胚からしか生まれない。例外はある。


 アルケミー(NR)・デザイナーによって創り出されるのは、原種ニューレース種である。だが、エヴォリューションニューレースから生まれることもある。


 特に、ナイツのパートナー原種NR・H(ニューレース・ホムンクルス)、メイジのパートナー原種NR・Mc(ニューレース・ムーンチャイルド)が有名である。


 なぜ有名か、というとナイツ(H種)やメイジ(Mc種)のパートナーとして戦場におもむくからである。


 国を挙げての戦いに赴くには、可憐な、小粋な容姿が耳目を引き点けるのである。


 他にEv(エヴォリューション)NRという種があるがこの種もH型とMc型に分かれる。(次項記載)


 そしてH型とMc型は他のNR種にない特徴を持つ、年老いないのである。


 創り出され成長を止められた段階で、不老となるのである。


 その代わり不老にはなるが、戦場を渡り歩くため寿命が他の交配種NRたちよりも短いことが多く長く生きられ無いという宿命じみたものを持っていた。


 全ての原種NRの寿命が短いわけでは無い、しかしH型とMc型は仕方ないといわれるモノを持っていたのである。



 成長の止め方は五パターンに分けられ予め決められていた。


 童(SS)型・少(S)型・清(M)型・青(L)型・成(LL)型の五パターンに分けられていた。



 童(SS)型は一番若く実年齢に換算し直して六歳位であった、一番若く成長に期待が持てる一方で精神の不安定さと体力的には一番低く問題も一番大きく抱えていた。


 ただ一番早くに完成させられるため数は多かったのだ。



 少(S)型は七歳位で童型と近いが若干大人びている分精神はまだ安定していたがそれでも不安は残った。


 二番目に完成させられるため比較的数は多かった。



 清(M)型は八歳位を前提にされており一番双方ともに安定していた。安定した能力を求められたため比較的多い方ではあった。



 青(L)型は九歳位を前提にされており安定感は合ったが成長の伸びしろが余りなかった。


 育成に時間がかかるので少数であった。



 成(LL)型十~十二歳位を前提にされており精神安定性は抜群であったが伸びしろがほとんどなかった。


 それに時間がかかるためあまり作られなかった。


 逆にいえば成型は初めからMAX百パーセント出せるが百パーセント以上は狙えなかったともいえる。


 性別は創り手に依り決定されるモノであるため、一概に何ともいえないが若干男性型が少ないといわれている。



■Evolution New Race=EvNR:エヴォリューションニューレース

 ニューレース種のEv(進化)種である、かなり高位のアルケミー(NR)デザイナーの創った胚からしか生まれない。


 進化の名を持つニューレース種であるが、ニューレースNew RaceエヴォリューションEvolution、ニューレース進化種とは別物である。


 主に、作成時に作者のエゴが大きく入り変調を来たすがその変調に依り進化した種がEvNRと呼ばれるのである。


 世代交代を経て持続できるエゴの持続率は約三代までで消失し四代目からは普通のNR種が生まれて来るということが確認されている。


 通常種の原種NRさんよりもかなり強くVVS2-Class以上FL-ClassかFT(フラワータイトル:花の名前を冠した称号の様なもの)を持っていることが多いといわれる。


 尚現在、本作品に出ているEvNR種は現在クララ嬢のみでFTは百合である。


 因みに自らの証明手段としての強さの品格(Class)はダイヤモンドのクラリティーのグレードに依存している。


 ちなみにこの種を母として生まれてくる、者の中に原種ニューレースも存在するし、EvNRも存在する。


[FTだけ独自の概念である]



■デザイナー種

 どの種族にも存在するが、数は少なく人口比で一/百兆と言われるタイプである。 


 この世界でデザイナー種と認定されると様々な厚遇を得られることが決定する。


 唯一原種NR-H種と-Mc種からは発生しないといわれているが、それも事実かどうかわからない。


 この(デザイナー)種でないと職業的なデザイナーやメカニックになれない訳ではない。


 職業とは別物である。



■フルラインゲージ(コンバットゲージ・クラリティー)

 原種NR種自ら考えだした比較手段で、自分はどれくらい強いかを見せつけるための手段として施行された。


 機械的に計測されるコンバットゲージと全く異なる思想から判断される品格のクラリティーの二つからなる。


 クラリティーの上位にFT:フラワータイトルが存在する。




姫君の影武者、設定資料集へはこちらから

https://kakuyomu.jp/works/16816700425930285626/episodes/16816927859596887604

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