教室に入るのはドキドキです!?

私はクラス分け表を見てクラスへ向かう。お母さんは体育館に先に入って、サトねぇと校舎で別れた。


「じゃっ!そこを曲がれば教室だから。1-1組ね。分かり易くて良いじゃない!」


じゃね!と、私は1人で教室へ向かった。


『ああ、どうしよう!さっきの歌で緊張が解れたのにまた緊張してきたよ………』


でも、さっきの歌に勇気を出して踏み出そうってあったし!


意を決してドアを開いた。


すでに教室にいたクラスメイトの視線が集中する。


ゴクリッと喉を鳴らして教室に入った。黒板に席順が書いてあり私はいつも通り廊下側の前の列だった。まぁ、あいうえお順だからいつも最初は決まっているんだよね~井上って名字は。


机に置いてあったシオリを見て時間が経つのを待った。ああぁ……長く感じる。そんな時、中学の同級生が入って来た。


「あっ、小鳥(ことり)!」

「おっ!めぐみじゃん!良かったよー!知り合いが居て」


中学の同級生で小学校からの腐れ縁。姉と同じくバスケット部に所属して背もそこそこ高い。


「私も知らない人ばかりで心細かったよ」

「だよねー」


他愛の無い話しをしているとまた知り合いが入ってきた。


「あっ………良かった。めぐみがいた」

「静香!静香も同じクラスなんだね。またよろしくね!」

「うん。よろしく」


静香は中学から知り合った友達で、文化部で図書委員をやっていたの。でも運動もそこそこ出来る。


「あ、二人はあんまり面識無かったよね」


私は二人を紹介し、二人は握手をした。やっぱりみんな上手くクラスに馴染めるか不安で緊張していたんだね。

気付けば、クラスのほとんどの生徒が席に着いていた。


「えっと、初めまして。私、若葉中から来た上田香織って言うの。これからよろしくね」


なんと!初対面のクラスメイトが話しかけて来ました。凄いなー!絶対勇気が必要だったよね。


「うん!私……私達は三葉中の出身で私は【井上めぐみ】です。こっちの背の高い子はバスケ部所属の【高橋小鳥】ね」


「高校ではまだ部活に入ってないけどな。よろしくっ!」

「名前の様に可愛く無いけどね」


「めぐみ!気にしている事を!コノヤロ~」

「あははは、でっこっちが【瀬川静香】」


「えっと、よろしくお願いします」

「そんなに畏まらなくて良いよ。私の中学、少し遠いから知り合いが居なくて心細かったんだ」


やっぱりね。声を掛けるのに凄く勇気がいるからね!

少し話をしていると先生が入って来ました。


「みんな入学おめでとう!私はこれから1年間担任になる【今泉恵子】です。よろしくお願いします!」


へぇ~女性の先生なんだ。けっこう若いね。


「今泉先生は何歳なんですか?」


自然と声が出た自分が不思議だ。


「ちょっと!女性に年齢を聞くのは失礼よ!私は永遠の20歳よ!」


教室の空気が凍った瞬間だった。でも─


「あっ、27歳なんですね」

「なんで知ってるのよ!?」


「えっと、シオリの先生紹介に書いてありました」


「えっ!?」

「えっ?」


なんで先生がシオリを知らないのよ!


………………気まずい空気が流れた。


「えーと、1人を除いて全員いるわね。これから体育館に移動になるわよー」


あっ、目を泳がせて無理矢理、話題を変えた。なんかゴメンなさい。


「コホンッ!このクラスは運が良いわよー!1人凄い生徒がいるのよ!」


今泉先生はクラスを見渡して言った。


「このクラスに新入生代表を務める子がいるの。その子は祝辞を述べる為に先に体育館に行ってるわ!」


新入生代表?凡人の私にはピンッと来なかった。首を傾げていると、後ろから香織が指でつついて話掛けてきた。


コソコソ

「新入生代表って、受験で1番成績の良かった生徒だよ」


!?


おおぅ!?マジですかー!


「えーと、井上さんね。そうびっくりしないでね」


恥ずかしいー!


「しかも、美人でスタイルが良いのよね~マジでムカつ………本当に凄いわよねー」


おい!先生よ!?今、本音がポロリとでただろう。


「ってな訳で、詳しい自己紹介は後からやるから、体育館に移動するわよ~」



体育館に移動すると生徒の家族達はすでに着席していた。私達もクラス順にパイプ椅子に座っていった。


そして退屈な校長先生などの円説が始まり、遂に新入生代表が呼ばれた。


「新入生代表、皇(すめらぎ)詩音さん、お願いします」


「はいっ!」


声が響いてそちらを向くと壁際に居たであろう人物は階段を登り、舞台の上に立った。


はっ!?あの人は─






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