エルフの集落へたどり着くと、一番大きい家へ通された。

「シオン・クロスベルジュ様、ご無沙汰しております。エルフを束ねている長、リーフレットと申します」

「こちらこそ、幼少の頃の記憶で余り覚えていないのですが、リーファのお母様ですよね？」

クスリッと笑いリーフレットが答えた。

「ええそうです。スタンピードのゴタゴタの中で、録な挨拶も出来ずに居なくなってしまい申し訳ありませんでした」

「いいえ、こちらの王国が至らぬばかりに本当に申し訳ありません！」

お互いに頭を下げて本題へと入った。

「現在のエルフは約3000名と言った所です。住む場所は多少離れていますが、かなりの同族が奴隷にされ慰め者として売られました。すでにハーフエルフも多数います」

シオンは顔に出さないように困った事がないか聞いてみた。

「ようやくまともな住居が人数分出来た事と、リーファのおかげで食糧事情は何とかなっています。最近は手の空いた者達で作物を育てていますが、日光不足のためうまくいっていないのが現状です」

「では、私がその日光不足を解決しましょう！それと育てて欲しい植物の種を持って来ました」

シオンは種をリーフレットに渡すとエルフの女王は目を開いて驚いた！

「これは希少な薬草の種ではないですか！？上薬草の種にマジックポーションの原料になる魔草も…………」

「全て差し上げます。上手くいくかわかりませんがやって見ませんか？」

リーフレットは少し考えて答えた。

「ではどうやって日光不足を解決するのですか？この大樹海では木々に覆われ薄暗い場所ばかりですよ？」

シオンは満面の笑みを浮かべて答えた。

「私が農地予定地の森を切り開きます！全ての木々を吹き飛ばして更地にしてみせます！」

流石のリーフレットもまさか！？と思ったが、リーファや一緒にいたエルフ達はシオンの暗黒滅殺術で森を吹き飛ばした力を見ているので納得した。

「お母様、シオンの力があれば一部の森を更地にするのは可能です！すでにその力を私は見ています！」

リーファが口を挟んでシオンは続けた。

「今度はドワーフと獣人達の集落にきちんとした道を作り、それぞれの特産品の交換、販売できるようにしていく予定です」

シオンの計画にリーフレットが驚いた。

「そこまで考えていたのですか？しかし、かなりの労力と時間が掛かりますよ？」

「いえ？道の作成は１番早いですよ？一直線に力を放って地面を切り取っていけばいいのですから。まぁ、石畳を整備するのには土魔法使える魔法使いの協力が必要ですけれどね」

リーフレットは呆然としたが、リーファは先ほどの暗黒滅殺術【弐の型】『虚無の一閃』を使えば１ヶ月以内で道を整備する事ができると思った。

「後、先ほどの種の中に比較的簡単で大量に生産できる魔草があります。その魔草は魔物の嫌いな匂いを放つので道の左右に植えれば、安全に通行できるようになるでしょう」

！？

「そこまで！？本当に考えて頂いているのですね。我々エルフはクロスベルジュ公爵に恩があります。シオンさんが領主として導いてくれるのなら、全力で力になりましょう！」

シオンとリーフレットは硬く握手をして、今後の協力体制を約束したのだった。

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