『真実の行方』 シン・ファイトクラブ

 大司教殺害の容疑をかけられた、多重人格の青年。


 容疑者は、教会に住まわせてもらっている貧乏人だ。

 司教に恨みなどなく、第三者の存在さえほのめかす。


 かつての恋人を検事に添えた検察側は、残虐性から犯人を死刑にしたがっている。


 だが、リチャード・ギア扮する弁護士は、この青年が人を殺せるとは思えない。


 やがて、司教が河川地帯開発のビジネスをもみ消したことで権力者たちから恨まれているとわかる。


 だが、検察側も容疑者が司教に強い殺意を抱いていた証拠を掴んでいた。


 はたして、真実にたどり着くことができるのか。


 

 これはキツイ。


 なにがすごいって、エドワード・ノートンの怪演である。


 吃音持ちの青年役で、地味で平凡なのに、リチャード・ギアと渡り合っている。

 その存在感は見事だ。


 ぶっちゃけると、オチはなんとなく読める。

 だが、そこに至るまでのドラマが濃厚で、見る人を飽きさせない。


 謎が次々と明になるにつれ、ますます真実がなんなのかわからなくなっていく。

 本当に法廷にいるかのようなスリリングな展開で、畳み掛けるように展開が押し寄せてくる。

 

 しかもこの作品、同じような内容の『ファイト・クラブ』の三年前の作品だ。


 まさしく『シン・ファイトクラブ』と言えるかもしれない傑作だ。

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