『セガVS任天堂』 逆湯川専務商法

 メガドライブとスーファミによる、海外ゲハ戦争の舞台裏。


 ファミコン販売当時、セガは高性能のマシンを開発していた。

 しかし、世間はファミコン一色。

 そこで、オモチャメーカーを牽引していた広報マンを引き抜く。


 引き抜いたのは、中山隼雄。

 セガ・オブ・ジャパンのCEOが、自らスカウトに来たのだ。


 彼が宣伝し、立ち上がったのが「ソニックシリーズ」だ。


 ソニックは従来のハードゲームにはなかった「スピード感」があった。

 日本ではそれほどの売れ行きではなかったが、海外勢にはウケた。尖ったゲームを求めていたからである。


 意外だったのは、セガの開発チームが日本のお伺いを立てないと動けなかったこと。


 セガの中山社長が全ての実権を握っており、彼が首を縦に振らないと何もできなかったという。


 しかし、広報マンは「アメリカ流のやり方でいい」と、好きにさせたのが。これがよかった。


 セガも任天堂も、会社総出で互いをディスり合う。

 

 やや自虐的にサターンやドリキャスを売る、「湯川専務商法」とは逆の戦法だ。


 モータル・コンバットの残虐性を問う裁判まで起こした。


 ビックリしたのが、ゲームの残虐性まで、ライバル開発会社の作り出したデマだと言い張った点だ。

 たしかに、科学的に見てもゲーム脳はデマなのだが。



 とはいえ、こうしたディスり合戦にまで発展したのも、相手を脅威に思っていたからだ。


 本当に嫌っていれば、こんなふざけた映画を上映するなんてありえない。

 互いを無視して終わりだ。


 最後のオチにも至らない。

 ネタバレは避けるが、本ドキュメントはオチが面白い。

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