『シザーハンズ』 その手は、何も掴めなかったのか?

 クリスマス、及び冬に見たい映画と言えば、ほぼ必ず出てくる映画の一つ。


「雪はどこから来るの?」

 孫にせがまれて老婆が語る。

 ハサミ状の両手を持って生まれた人造人間の話を。


 ジザーハンズ・エドワードは、人間の手をもらう前に生みの親である発明家は死んでしまう。


 エドワードは、死んだ発明家に触れることも出来ない。

 ハサミに付着した血を見て、なんとも言えない表情になるエドワード。


 古びた屋敷に一人住むことになるエドワードの家に、化粧品のセールスレディが。


 彼女は動物の形に切り取られた庭の木を不思議がる。

 

 エドワードの身の上話を聞いたセールスレディは、彼を連れ帰る。


 彼女の家に住むこととなったエドワードは、庭の木を恐竜の形へ刈り取る。自分の住んでいた城でやっていたように。


 特技を受け入れられたエドワードは、街の人気者に。


 やがて、エドワードはセールスレディの娘と恋に落ちるが。

 

 いわゆる、大人のおとぎ話。

 ハート形のクッキーを心臓にするとか、実にロマンチックである。ティム・バートンワールドというか。


 パステルカラーの街や、類型的なキャラなど、非現実的な世界観ながら、シザーハンズの個性は死んでない。


 エドワードが天使の彫刻を作り、雪を降らせるシーン。

 その下で、ウィノナ・ライダーが踊るシーンが特にいい。


 切ないラストシーンは必見。


 昔、一回通しで見たのに、定期的にまた見たくなる作品。

 ああダメだ。展開全部わかってるのにまた胸が苦しくなる。

 やっぱいいわー、この映画。


 こういう「上げて落とすシナリオ」は、創作に大いに役立つ。


「特殊な生まれのヤツが、みんなから受け入れられる。けど、些細なことがきっかけで結局追い出される」

 というパターン。


 世界観、キャラなどの描写は、大げさだけど。

 小説世界で例えると、星新一っぽい? そういうシュールさ。

 見た目はゼリービーンズなのに、塩味みたいな感じの映画。


 そういうのも全部ひっくるめてティム・バートンワールドである。

 なので、そこだけは下手に真似しない方がいいかも。

 

 ラストの対決シーンは、「ざまぁ」展開というか、「インガオホー」展開かと。

 一番重荷が取れるシーンなのだが、後味は悪い感じ。

 

 ティム・バートンなので、としか言いようのないシーン描写。

 

 この監督の作品とテリー・ギリアム監督、キューブリック監督は、「そういうもん」として見た方が、自然と頭が理解してくれるかも。


 センスを疑ったら負けなので。


 

 幻想的な世界観の構築は難しい。


 キャラは参考になる。

 小説よりは、マンガ向けっぽい。

 

 ジョニデを一気にスターへとのし上げた作品でも有名かと。

 この映画以降、ジョニデは本格的にウィノナ・ライダーと交際し、腕に


「ウィノナよ永遠に」


 と入れ墨を彫る。


 だが、破局。

 

 その後、刺青の文面を


「アル中よ永遠に」


 と書き換えたことも有名になったとか。


 って、爆笑問題さんの番組で、デーブ・スペクターさんが言ってた。

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