『その男ヴァン・ダム』 セガールに仕事を取られた男
ジャン=クロード・ヴァン・ダムが、郵便局強盗!?
局内で銃を乱射し、子どもを含む客や職員たちを人質に取って立てこもる。
医者と交渉人が話を聞きに行くが、ヴァンダムは暴れだし、手出しできない。
しかし、それは真犯人による自作自演だった。
ヴァンダムは利用されているだけだった。
ヴァンダムのセルフパロディ映画。
本作でヴァンダムは落ちぶれた俳優という扱いである。
妻と親権を争い、敗訴濃厚。
弁護士に送る金の工面にも、苦労する始末。
せっかく取ってきた映画『紫の魔よけ』の主役も、セガールに奪われる。
おまけにタクシードライバーにまで「こんな無愛想な男だとは思わなかった」と、愛想を尽かされる。
郵便局に寄って金を引き出そうとしていたが、既に強盗が入っていた直後。
どこからどこまでもツイてない。
「訓練を積んだハリウッドスターでも、銃を持った相手の前には無力」
という現実も突きつける。
終盤、ステージが上がっていき、ヴァンダムの独白が始まる。
「オレより才能のあるヤツはたくさんいたが、オレは誰よりもスターになった」
「理由は、スターになることを誰よりも強く望んだだけ」
「オレは何も成し遂げていない! 普通の男だ!」
頂点にのし上がったスターでさえ、地位を危ぶみ、スターだからこそ、自分は無力と強く思えてしまうモノなのかも知れない。
ちなみに、『紫の魔よけ』という映画が本当にあるのか調べてみたが、フィクションのようだ。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます