『ドラゴン・オブ・ナチス』 死亡フラグは折れるのか?
GYAOがとんでもない映画を配信した。
第二次大戦下にドラゴンを召喚したナチスの話だ。
ドラゴンの卵を手に入れたドイツ軍。
後日、連合軍の戦闘機部隊が、謎の飛行生物の手によって壊滅した。
腕が立つはみ出し者部隊が結成され、立ち向かうが、相手は未知の生物、ドラゴンだった。
幻想世界から来たハ虫類に、人類は勝てるのか?
ドラゴンが襲ってくる映画といえば、荒廃した土地が舞台の『サラマンダー』や、『ダンジョン&ドラゴン』などがある。
変わったナチスの侵攻と言えば、月にナチスの基地がある設定の『アイアンスカイ』が、記憶に新しい。
だが、この映画は第二次大戦のまっただ中に、ナチスの支配下の元、ドラゴンが攻めてくる。
無料動画サービスGYAO! も、えらい映画を配信したなぁ。
確かに、映画レビュアーからするとすこぶる評判は悪い。
2014年作品とは思えないクオリティの低さは、言うまでもなく。
戦争映画である意味なんてないし、アクション映画としても
「空を飛んでドラゴン退治」
のシーンがずっと続く。
あとは女性とのロマンスくらい。
ただ、ドイツ軍のマークがプリントされた巨大ドラゴンのインパクトは凄まじい。
いろんな特撮好き、B級映画好きが反応していて、オレもそれで本作の存在に気づいたくらい。
バカ映画としては、楽しめるかと。
『スター・ウォーズ』1作目のデススター戦みたいな、「狭い崖下での撃ち合い」シーンがあるのは、なんか意識してるのかなーと思ったり。
カメラアングルとか、まんまだったので。
また、ドラゴンは「魔女」と呼ばれている奴らに操作されている。
ここも、『モスラ』の双子をイメージさせた。
色んな作品からいいとこ通りしているように思える。
基本、
「ドラゴンの火炎ブレス=死亡確認!」
と思っていい。
一応、ドラゴンにも弱点があって、「首を機銃で撃てば」死ぬっちゃ死ぬ。
それまでに振り切れればいいだけで。
大抵、そこまで行かなくて死ぬ。
ドラゴンを殺せても、「撃ち落としてやったぜヒャッハー」とか言っているヤツは大抵、ドラゴンのブレスに焼かれて撃ち落とされる。死亡確認!
多くの犠牲を払いながらも、任務を達成できる直前だ。
そこに、ラスボスが登場する。
主人公は言う。
「基地にいる看護婦に……いや、これは自分から話す!」
主人公は、自らの死亡フラグをへし折ることができるか?
こういったちょっとした緊張感が満載だ。
B級っていいよね、と思わせてくれる。
金曜ロードショーで、『ローグ・ワン』が放送されたときに発見。
SWファンが太鼓判を押した傑作を撮っているにもかかわらず、
「うわ、バカ映画や! 見よ!」
と、オレはこっちを見た。
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