第4話

いきなり車に引っ張られた。

抵抗しようにも、力負けして抵抗できない。

手を縛られ、足を縛られ。何も身動きが取れない状態になった。

突飛すぎて、逆に冷静になる。とりあえず、スマホのリダイレクトで電話をかける。後は、神のみぞ知る。

通話が繋がる音がした、しかし、すぐバレる。通話は切られ、私は殴られる。

「このあま!通話していやがった!!」

「まぁまぁ、丁度いいじゃないですか、そのスマホを使って、通話相手を呼び出しましょう、人数は多いほうが良い。」

人数……?誘拐なら一人のほうがいいんじゃないの……?

「ですが、なにかされると面倒なので、その子は、寝かせておきましょうか。」

そこで、意識が途切れる。


次に目が冷めたときは、目の前に彼氏が居た。

私を助けに来て捕まったんだと察した、彼の方を向くと、彼と目が合う。彼の顔がパッと明るくなり、すぐさま青ざめた。

鉈を持った男が彼に向かって動き出す。

彼はその男に隠れ見えなくなってしまった。

直後、彼の悲鳴と血、そして尿が流れてくる。

男はこっちを向き途中で曲がった棒のようなものをこっちに投げてきた。それが"腕"だと理解するのに、時間はかからなかった。とっさに悲鳴はです、私の荒い息と彼の悲鳴が空間を支配した。

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あぁ、神様。目の前の現象は現実か?

俺の腕は彼女の目の前に有って、俺の体から離れている。

そして、今、痛みを伴って下半身が俺から離れる。今度は痛みが強すぎて、悲鳴すら出ない。代わりに、彼女の悲鳴が聞こえる。

そこで、俺の意識は途絶えた。

目が覚めると、血は止まっていて、包帯が巻かれていた。

左腕と両足は俺の前に吊り下がって、下においたバケツにに血を溜めている。

動けない俺を知らない男が抱き上げる。残った右手も言うことを聞かない、俺はただ、呆然と彼女が同じ形になるのを眺めることしかできなかった。

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暗い、ただただ、暗い。

左腕と両足の感覚がない、それと。下腹部が痛い。

右腕には針が刺さったような感覚が走る。

口には圧迫感が有り、時々液体が胃を刺激する。

ここは、地獄か?

何時間たった?

耐え難い苦しみに、私は思考を止めた。

彼の嗚咽が聞こえるが、もう、なにもしたくない。

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