第5話 山手線気絶
ガストを出て、そこから2時間かけて環七を南下した。徐々に明るくなっていく。
前日の14時から歩き続けて今に至る。元日の朝にこんな体験をするのは初めてである。
葛西臨海公園に着いたのは5時過ぎだった。初日の出に間に合った。たくさん人がいた。なんとか海べりで初日の出を見る事ができた。
「みんな歩いて来たのかな」
「15時間かけて歩いて来たんだろ」
などとMと話した。2人共上機嫌である。
少し経ってから葛西臨海公園駅から始発の電車に乗った。山手線に乗り換えると、端の席に座れた。次は天皇杯だ。代々木駅に行かねばならないが、そのまま熟睡してしまい、ふと気が付くと11時になっていた。環状の山手線を3周くらいしてるようだった。
Mを起こして国立競技場まで行き、12時入場。
Mは「ゼロ列のチケットが買えたんだぜ」と得意気である。「ゼロってことは最前列だ」
おお、すごい。だけど興味のない2チームの試合を最前列で見てもなあ。
中に入るもその座席が見つからず、係員に場所を聞いた。
「ああ、O列ですね。オー列はあのあたりです」
ゼロじゃねえじゃねえか。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録(無料)
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます