第4話 ファミレス睡眠
環七から帝釈天まで寄り道、と言われても距離がわからない。いま調べたら片道1200メートルと言ったところだった。40.1kmが42.5kmになるだけである。誤差だよ、誤差。
なんて言ってられるか。2km歩くというのは、普段の生活でもちょっと大変である。ましてやその時は23時。
だけど当時の私、なにも考えておらず、そのままホイホイ付いて行きました。
23:30に帝釈天に着くも、ものすごい人だかりである。
「これは入れないぞ」
参道入口で躊躇していると、ヤンキーが改造車でタイヤを鳴らしながら参道に突っ込んでいった。あわてて避ける人たち。だけど車幅、道幅、人の数、これをどう見ても通れず改造車は急ブレーキをかけて往生。
「これが帝釈天かあ」
妙に納得して我々はそこを後にした。元日は環七に戻る路上で迎えた。コンビニがあったので地図を立ち読みした。
Mは「ファミレスがあればそこで眠れる」と言う。
私はファミレスのようなところが苦手なのであまり入ったことはなく、そういうものなのかと感心していた。
1~2km離れた場所にガストがあった。
フラフラと歩いて2時頃にファミレスに入った。この距離にこの時間がかかるようでは、2人とも既に体力が限界だったはずだ。
ガストはそこそこに人がいた。こんな時間に飲み食いしてる人がいるのか、しかも元日に。正直驚いた。
Mは何か甘い飲み物を、私は「宇治抹茶」を注文した。宇治抹茶が一番安かったからである。
そして寝た。20分で店員に起こされた。
「全然寝れないじゃないか」と私が言うと
「おかしいな。客が少ないんだから寝たっていいじゃないか」
Mは憤慨していた。
3時だった。あと2時間半ほどで海まで着かねばならない。
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