末路
「お姉ちゃん、頭いい! 死ぬ時の姿がわかったから、違う姿になって違う未来にしたんだね。それでお姉ちゃんの友達は? 二人はどうなったの?」
話を聞き終えると、
「中学から別々になっちゃって、離れ離れになったの。だからわからないわ」
私は曖昧に微笑んだ。
紗耶にはとても言えなかった。二人がもうこの世にいない、なんて。
きっと彼女は、深い絶望を味わいながら死んだのだろう。視界を塞がれて真っ暗な中、自分の吐くゴボゴボという音を聞きながら。
トラックの運転手は事故直前に逃亡したと見られ、目下捜索中とのことだ。
二人が最期に目にしたのは、やはりあの通学路で見た光景だったんだろうか?
「さ、もう寝ましょう。朝寝坊しちゃうわよ」
二人についてこれ以上追及されないよう、私は紗耶に掛け布団を着せかけた。紗耶は素直に頷き、目を閉じた。
二人の死は、正直ショックだった。けれど私は生き延びることができた。おかげで今もこうして紗耶と一緒にいられる。二人の分も生きよう。きっと二人も、私の幸せを願ってくれている。
一人生き残った後ろめたさから逃れるには、そう信じるしかなかった。
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