第2話 俺の前に現れたのは…

第一話の方を少し書き直しました。


____

俺は、病院に運ばれるうちに痛みは我慢出来るくらいにまで引いた。だが、足首を動かそうとすると激痛が走り、動かせなかった。はぁ…とんだ災難だ。まさか、入学式の帰り道で病院に運ばれるとは誰が思うだろか?病院についてからは、レントゲンなどを取り、診察を受けた。


「えっと、骨折ですね」


「…本当ですか?」


「はい、今回は靭帯損傷などは見受けられないので完治には1ヶ月程度になりますね。今後、一週間毎に包帯などの交換をするので通院をお願いします」


「わかりました」


完治するのに1ヶ月か…マジか…辛いな。


「今日から家に帰れますが、松葉杖の使い方を教えるので、リハビリの方に言ってください」


「わかりました。ありがとうございました」


母さんは仕事立場的にで忙しく、親父が会社に訳を話して迎えに来てくれることになった。まあ、迎えが来るのもまだ先出し、松葉杖の使い方をしっかり教わるとしよう。


「あ、あの!あなたですよね、私を助けてくれたのは?」


「え、えっと、君は…新入生挨拶してた、えっと…?」


「相原 由乃って言います」


「相原さん、君が無事でよかったよ。怪我はしなかった?」


「はい、私はあなたが守ってくれたので…その、………」


「ごめん、最後の方聞き取れなかった」


「な、なんでもないです!」


春樹が言っていた可愛い子は相原さんのことなんだろう。その、めっちゃ可愛いです。少し、彼女に見とれていると


「あ、肩貸しますね、えっと…」


「あ、ごめん、言ってなかったね…俺は、橘 優斗」


「橘くんですね。それじゃ、リハビリの方ですよね。行きましょう」


俺は彼女の手を借りてリハビリの受付に処方箋のような紙を渡し、少しして松葉杖のレクチャーを受けた。ちょうど、会計を待っている時に


「優斗!大丈夫か?」


「あ、親父!大丈夫だよって言っても骨折だけどな…一週間に一回通院してくれだってさ」


「そうか…えっとそちらは?」


苦笑いで親父に言うと、親父は少しほっとしていた。その後俺の隣で先程から付き添ってくれている彼女のことについて聞いてくる。


「すいませんでした。彼が怪我をしてしまったのは私のせいです。私の不注意で…」


「親父…あんまり、相原さんを責めないでくれ、俺が無意識に助けただけだからさ」


「あぁ、なるほど。事故って聞いて急いで来てみれば、体を張るのはいいが、程々にしろよ。じゃないと、身を滅ぼす。相原さんだったな、優斗を心配して、病院まで来てくれてありがとう」


「え、でも、私は橘くんに」


「あいつは、そんな事思っちゃいない。助けるために当然のことをした、それより、感謝されて嬉しいくらいだろ。そうだろ?」


「あぁ、そうだよ…」


俺は少し顔が熱くなるのを感じた。きっと、それは照れくささから来たものだろう。


「だから、相原さんは何も気にしなくていい」


そう言って親父は微笑む


「それじゃ、さっさと会計済ませて帰るか。相原さんは帰りはどうする?送ろうか?」


「え、そ、そこまでしてもらっていいんですか?」


「ああ、優斗の事を心配してきてくれたお礼とでも思ってくれればいい」


「そ、そういう事でしたら、お願いします」


俺は、親父の運転する車で相原さんを見送り、家に帰って夕食を食べ、風呂に浸かりたかったが、包帯やギブスを濡らすわけにもいかず、仕方なくタオルで体を拭くだけで済ませ、布団に入って寝ることにした。

この時の俺は、これから彼女と親密に関わっていくとは思いもしていなかった。

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