入学式の帰り道、助けた美少女が俺に何故か猛アプローチしてくるのだが?
しまドン
第1話 人助け
今日は、入学式、俺は晴れて高校生になる。
「優斗〜!そろそろ、学校行くわよ!」
「わかった、すぐ降りる」
母に呼ばれ、荷物を持ち自室を出る。自己紹介がまだだったな。俺は、橘 優斗。見た目は普通らしい、性格は損しかしない性格と言われたことがある。いや、そんなに損なことしてるか?…まあ、いいや。
「優斗、帰りは歩いて帰ってね、入学式終わったら仕事行くから」
「了解!」
と言って、車の中では肩の力を抜いてくつろぐ。正直、今の俺はこれからの学校生活にかなりの不安がある。だって、俺はあまり人付き合いが得意じゃない。それに、中学の友達はある程度いるとはいえ、新しい友人ができるとは限らないからだ。
***
「着いた!」
「それじゃ、行ってらっしゃい。私と父さんは、体育館にいるから」
そう言って、二人は体育館に向かっていった。
「とりあえず、新入生の集合場所は、っと、ここか!」
「おはよう、優斗」
「おう、おはよう、春樹」
「教室、行こうぜ!」
「あぁ、いいぞ」
彼は玄道春樹。俺の親友である。
「そうそう、首席の女の子がめっちゃ可愛いらしいぞ」
「へぇー、まあ、俺には関係ないだろけど…」
「ほんと、お前は夢がねえな…」
その時の俺は、関わることなんてないだろうと思っていた。教室に入ると、すでに、ほとんどの生徒は来ていた。空いている席に春樹と座る。入学式が始まってからは、そこまで、中学校の時と変わりなかったから覚えていないが、春樹が言っていたように、新入生挨拶で壇上に女子生徒が上がった時は、少しザワつくほどだったことは覚えている。名前は…忘れた(笑)
***
入学式が終わるとクラス分けの発表があった。
「お、今年も一緒だな。よろしく優斗」
「おう、よろしく、春樹」
「それに新入生挨拶してた子、俺らと同じクラスだってよ」
「ふぅん、まあ、良かったんじゃないか」
「なんだよ、冷たいな…」
今日は、これで終わりで後は帰るだけだ。春樹は、これから祝いもあり、親が迎えに来ているらしく、校門前で別れた。
イヤホンを片耳に付けて、帰っていると、少し前に同じ制服の女子生徒がいた。俺の家と同じ方角とは珍しいな。俺の家の周りは、住宅が少ない。スマホを弄りながら歩くのは危ないと思うが…触らぬ神に祟なしとも言うからな。何か言って、もし、同じクラスだと気まずくもなるし何もしない方がいいな。信号が横断歩道に差し掛かった。この横断歩道は車も少なく、あまり人が通らないからと言ってスピードを緩めないまま進入する車や車の確認を疎かにする人も多い。前にいる彼女は何も気にせず、横断歩道を渡っていく。
プープー!
「え…」
「危ない!痛…」
俺は、咄嗟に飛び出して彼女を抱きしめ、自分の体をクッションにするように前に倒れた。その際、車を完全に避け切れず、『ゴンッ!』足首の当たりをぶつけ、彼女が降りてから、痛みでそこにうずくまる事しか出来なかった。
「だ、大丈夫ですか?」
「だ、だいじょ、痛!」
車の運転手も直ぐに出てきて、足首の痛みで一人で上手く立って歩くことが出来ない俺は救急車を呼ばれ病院に運ばれた。救急車まで呼ばなくても…
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