第3話 参

母親からいきなりとんでもない事を言われるのです。


「彩、お父さんとここでキスしなさい」

「えっ? お母さん何て事を言うのよ、やめてよ」

「お父さんの恋人になるのでしょ? ほらっ、キスしなさい」

「恥ずかしくて出来ないよ」

「今年で30歳になるのに恥ずかしいって

子供があるまいし」

「だ、だって、お母さんが見ているじゃないの」

「何言っているのよ、彩、ほらっ、キスしなさい」

「出来ません」

彩は母親からキスしなさいと言われているのですけど、

頑なに拒んでいるのです。


いくら父親と恋人になるからって母親の居る所で

キスなんて出来るわけないのです。


「彩、キスしないと家から追い出すよ」

「それは困るよ」

「じゃあキスしようね」

「うぅぅぅ……わかったよ」

彩は腰をあげてソファーから立ち上がると父親の側まで行くのですが

父親の顔をじっと見ている彩は恥ずかしいのか、頬を朱色に染めていまして

本当にキスしないといけないのかなって思っているのです。


「お、お父さん、キスするね」

「あ、ああっ、わかった」

彩は意を決して父親とキスしようとしているのですが

流石に恥ずかしいのでしょうか、勇気が出ないのです。


「彩、キスしないの?」

「い、今からキスするから」

彩は父親の唇に唇を重ねると本当にキスしていると

父親の舌が彩のお口の中に入って来ると彩は身体をビクッて

させておりまして、父親の舌が彩のお口の中を舐めまわしていると

彩は変な気分となってくると彩も父親の舌に自らの舌を絡ませて

深いキスをしているのです。


お互いに何度も何度も深いキスをしていると2人は高揚しているような

感じでおりまして、本当に恋人同士だなって雰囲気が漂っているのです。


深いキスが終わると舌と舌が離れると透明な糸が出来上がっていると

それがまるで橋みたいになっているのです。


「彩ったら意外と大胆なのね」

「お、お母さんがキスしなさいって言ったじゃないの」

「そうだっけ? 忘れたわ」

「むぅっ、お母さんの意地悪」

彩は頬を膨らませてむぅってしていると父親が彩の頭を

撫でていると嬉しそうにしている彩です。


父親はそんな彩が愛しいのか、彩の事を溺愛しておりまして、

溺愛されている彩は心底喜んでいるのです。


「貴方も彩の事が大好きなのね」

「そうだな、大好きだな」

「お父さん大好き」

彩と父親は目線が合うと2人はまたしても深いキスをしているのです。


「何かこのお部屋って暑いわ、どうしてなのかな」

母親はわざとらしくそういう事を言われると彩と父親は恥ずかしそうに

しているより照れているのです。


そんな2人は本当の意味での恋人同士になれているかもしれません。

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如月家の人々~恋愛模様のその先へ~ 一ノ瀬 彩音 @takutaku2019

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