第2話 弐
私は父親とお話する為にお部屋から出ておりまして、
リビングへ向かっているのですが、父親がソファーで
腰をかけて座っているのですけど、俯いてガックリしているような
感じで可哀想な感じがします。
それでも私は父親とお話しないといけないような気がするので
勇気を出して行こうと思います。
私はソファーに座っている父親の側まで行って
「お父さん、平気?」
父親は私の顔を見ながら
「さっきは本当にすまなかった、悪い」
「ううん、お父さんもお母さんと喧嘩しているし、
きっと寂しいという気持ちがあったんだよね」
「そうかもしれないな」
「本当にお母さんと喧嘩したの?」
「喧嘩した事は本当だ、全部お父さんが悪い」
「だよね……」
「仕事ばかりしていたせいだな」
本当に父親は元気もなくて明るくもなくてどうすればいいのって
感じではあるのですが、本当に解決策があるのかなって
思い始めているのです。
「そのね、お父さんが良ければ、恋人役くらいにならなってもいいよ」
「それは本当か?」
「本当だよ」
「そうか、ありがとう」
父親は腰をあげてソファーから立ち上がると私の側まで来て
抱きしめてくれて手で頭を撫でてくれるのです。
「2人でお母さんを迎えに行こうよ」
「それは出来ない」
「どうしてよ」
「俺が全部悪いし、顔向けできない」
「私も一緒に行くから行こうよ」
「しかしな……」
「お母さんの事を愛しているんじゃないの?」
「愛しているさ」
「じゃあ2人で行こうよ」
「わかったよ、行こう」
「うん」
私と父親は早速、リビングから出て玄関まで行くと玄関ドアが音を立てながら
開いて、そこには母親が立っているのです。
「お母さん……」
成哉は道子の事をじっと眺めているのですけど、
成哉は意を決してからしっかりと道子に謝罪するのです。
「貴方、私もどうかしていたの、お互い様よ」
「ああっ、そうだな」
「お母さん、お帰りなさい」
「彩、ただいま」
母親は玄関で靴を脱ぐと私と母親と父親の3人で
リビングへ戻ると3人ともソファーに腰をかけて
座っているのです。
母親と父親が面と向かって座っておりまして、
私は母親の隣に座っているのです。
「道子、今まで本当にすまなかった」
「貴方だって家庭を守る為に頑張っていたよね、
感謝しているのよ」
「それはありがとうな」
父親は頬を朱色に染めているのですから
きっと照れ臭いのでしょう。
「お話が変わるけどね、彩、いつになったら結婚するの?」
「結婚したいけどね、お相手がいないの」
「彩も今年で30歳でしょ、頑張りなさいよ」
「そのね、お母さん、お父さんと恋人になろうかなって」
「!?」
「ごめんなさい、ごめんなさい、ごめんなさい」
「彩、ぜんぜん構わないわ」
「えっ? いいの?」
「いいわ、お父さんと恋人になりなさい」
「う、うん」
まさか母親に父親の事をお話したら
承認されるとは思ってなかったし、
本当に驚いている私です。
これで正式に父親と恋人になれるし、
堂々と父親とお付き合い出来るのかなって
思っているので嬉しいという感情があります。
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