遼州人 自分達は『スキル』に目覚めた『宇宙最弱人種』だと『無敵の幼女』は語った
第13話 『監禁』と『拉致』と『シゴキ』 『真性縦社会』での『無茶な命令』
吐しゃ物まみれの誠は、その汚らしい建物の廊下で、三人の『
さらに『シゴキ』と言う名の『後輩への教育』と言う名のもとの、島田の手下の『野郎』による全身洗浄処理が施された。
そして、『出荷』と称して『東都警察』と同じ水色の『軍服』のような制服を着せられて、『簀巻きにされた』誠は『無理やり』カウラの銀色の『ハコスカ』と言うガソリンエンジン自動車に押し込まれた。
屯所に着くまで、カウラはどうやらその水にちょっとした問題があることを指摘した。
誠が『監禁』されていた建物。『火盗』隊員寮こと『ヤンキー王国』の目の前にその水は、ここ豊川市の『消火水槽』に消防用水として保管されていたらしい。その水は『島田の独断』で『勝手に』持ち出され、『ヤンキー王国』の色々な用途に利用されているとカウラは語った。
『島田先輩……それ『犯罪』です』
猿轡を噛まされた誠はそう言いたかったができなかった。
誠が得意とする『口から酸っぱい液体を吐く』と言う技まで封じられていた。
そうして誠は『火盗』の屯所に『納品』された。
そして、気が付くと誠はパイプ椅子に座らされていた。とりあえず身体の自由は勝ち取ったが、逃げても仕方が無いのであきらめていた。
目の前にはパイプ椅子がある。だだっ広い部屋の端っこに誠と誰もいないパイプ椅子が向かい合っている。
「おー!待たせたな!」
理想のプリティーボイスが誠の耳をつかんで離さない。
振り向くと『偉大なる中佐殿』と呼ばれる『萌え』の化身が近づいてきていた。8歳幼女にしか見えない『人類最強』にして自称『公儀介錯人』、『女侠客』クバルカ・ラン中佐だった。その可愛らしい手には『納品書』と言う伝票が握られていた。
まず、彼女の右手を見る。『孫六』と言う物騒な『人切り包丁』は握られていなかった。
「なんだ?アタシが『孫六』を持ってねーと不自然か?」
誠は唯一、誠の命を救ってくれそうな幼女に命乞いの視線を送っていた。
「よっこらしょ」
そう言いながら『大人用』のパイプ椅子にのっかる。ランはどう見ても8歳女児にしか見えない。
「まず、アタシは書類上は34歳だ!大人だ!オメーより年上だ!」
爆弾発言をする幼女。つまり、『永遠の8歳』であることの宣言と誠は理解した。
「どこでもそーだが、軍や警察なんていうものは『完全縦社会』だからな。一日でも先輩なら、そいつを立てる!尊敬して自ら『奴隷』となる!それがあたりめーなんだ。会社も一流ほどそーだ。転職の際に参考にしろよ」
ランはそう言って笑う。『体育会系』を超えた『縦社会』の存在に誠は怯えていた。
「当然、うちも『縦社会』うちの馬鹿共!結構、楽しー『おもちゃ』だ!気に入った!ってよ、神前、良かったな。人間以下の立派な『おもちゃ』として扱ってくれるそうだ、先輩達が」
そう言って目の前の『偉大なる中佐殿』と呼ばれる『萌え』の象徴はそんな意味不明な言葉を口にした。
「つーわけで。『人権剥奪済み』のオメーに仕事をやる。オメーは3番機担当。『アタシ』が決めた。専用機だ。『回収・補給』に特化したレアな機体だ。そいつに乗れ!やれ!」
これが、『おっさん』の声なら即座に断るところだった。『萌え萌えボイス』なところが誠のツボだった。
「とりあえず、……4年。5年はやれ!履歴書でそれ以前に退職歴があると、ガクッと市場価値落ちんぞ。特に、アタシ等『公務員』だかんな!偉い人となんかあったと思われると、もー『アウト』だ。世渡り下手の烙印押されて、人生棒に振る。一度も社会の厳しさの中で『奴隷』として生きた経験のない奴は組織に不要なんだ。わかるだろ?」
誠は『幼女』から『組織に不要』とまで言われるとぐうの音もでなかった。
「28歳ぐらいまで……この『特殊な部隊』で……」
誠の前でランはプリティーな笑顔で誠を見つめていた。
「次の仕事……」
そこまで言って誠は後悔した。書類上『34歳』だが、『萌え』な『幼女』である。たかが知れている。そう誠は甘く考えていた。
「大丈夫だ。『異世界』で『特殊な公務員』の仕事がある。『ちょっとしたレアスキル』が必要だが、アタシも隊長も持ってる。オメーもいずれ持つ予定だ。その時はぜひ、アタシと同じ『時空……」
『火盗』の隊員は全員で誠を馬鹿にしていじめなければならない宿命でも背負っているのか?誠はすべてを疑いだした。
「……っと。それは言えねえな。『スキル』に目覚めた後でアタシと隊長で決める」
誠には『スキル』とは『魔法』で、『異世界』とは『なんたら公国とか〇〇ドチルダ』で、そこの『本局』の……と目の前の幼女の姿から、ある『遼州星系』でも大人気の『バトル系魔法少女アニメ』の設定を考えていた。
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