第38話 断捨離ってどう思います?

 ぶっちゃけ、断捨離は苦手です。


 じふちゃん、片付けが嫌いなわけではありませんし、取り組んでみると結構はかどったりもします。


 何せ結婚する前は、料理よりも掃除や片付けの方が得意だと思っていたくらいでしたから。


 いざ試みるとそれは大きな間違いで、どちらが得意ともいえず、似たり寄ったりの凡庸さでしたね(笑)。


「お料理たーのしい! お片付けたーのしい! お掃除たーのしい!!」


 って感覚で家事を楽しめれば、人生がもっともっとハッピーになれそうな気がするのですけど。


 今の私は「たーのしい!」を、物語作成に全て注ぎ込んでしまっているようなものでして。


 ひっくり返してみると、それって家事やほかの仕事にたくさんの時間や情熱を注げなくなることであり。


 全てにおいて集中力を発揮出来なくなるというのが、どうにも複雑なものですね(何だかやたらと言い訳じみておりますね:笑)。


 夢中になり過ぎる性格の最大の欠点は、一つの事に夢中になっている間はほかの事が完全に疎かになってしまうという事だと思います。


 この辺のバランスを取りながら上手に生きていくのが『大人』なのでしょうけれど、人によってバランス感覚って当然異なるわけで。


 アタマの中で勝手な優先順位を作ってしまい、小説を書く時間をたくさん取ろうとするうちに、片付け作業が放ったらかし、という事があったりもします。


 こんな事ではいけませんね。


 まず、きちんとした生活を送ることが、最優先事項なわけですから。


 はたから見るとどう映るのかわかりませんが、じふちゃんの家ってパッと見た感じではまぁ、「別にそんなにゴチャゴチャしてないじゃん?」ってかろうじて言ってもらえるような家の中、になるのかも知れません。


 一見スッキリに映るけど、じっくりと見たら色々ゴチャゴチャ物があるよね、みたいな感じ(笑)。


 突然の来客があったとしても、慌てず騒がず中にお通しするくらいの状態は保っているつもり…………です。


 んで、『断捨離』については、脳内で様々な葛藤があったりします。


 物を捨てた後って当然、家の中がスッキリするので心の中もスッキリして、大変気持ち良くなります。


 今はコレにときめかないから、コレはいらない。


 今もコレにはときめいて心躍るから、コレは必要。


 その瞬間に沸き起こった感覚で断捨離を行ってしまえば、その時にときめかなかった物たちは目の前から消え去っていくので、家の中は綺麗に片付いていきます。


 でもね、思うんですよ。


 ときめきって、その都度変化しませんか?


 書籍に関していえば私の場合、『赤毛のアン』(小説)と『銀河英雄伝説』(小説)と『ドラえもん』(漫画)と『映画ドラえもんシリーズ』(漫画)の全巻などは、永遠のバイブルにあたります。


 五年に一回くらいは、必ず読み返したくなる宝物です。


 たまたま私の断捨離ターンがその五年の真ん中にあたった場合、「処分しちゃお!」という決断を下してしまうわけなのですね。


 これは長編の部類に属するから、もう二度と読み返す事はないだろう、なんつって。


 ところがどっこい。


 読み返したくなる時って、大長編だろうが何だろうが、絶対に一文字残らず読み返したくなっちゃうもので。


「今でしょ今! あれを読み返すのは今この瞬間でしょ? 今まさに読みたくなったっつーのに何で、私の手元にあれが無いわけ? うわああああバカバカバカ! 私のバカー! まーたやっちまったよ、あの断捨離モードの私に捨てられちゃったんだよ! 何してくれちゃったのよホントにもう!!」


 ってプリプリと怒り出し、新刊で買い直したシリーズ本がなんと多い事か…………。


 さらに『ナルニア国物語』とか『モモ』とか『星の王子様』とか『ゲド戦記』とかなどは、宝物を超えてお守りの部類に入ると思いますので(これは私が大好きな、とあるWEB作家さんが伝えて下さった言葉を拝借しました)、死ぬまで捨てられない事が確定致しております(笑)。


 友達に相談したところ「本はWEBで買い直しちゃえばいいんじゃない?」と、助言をもらいました。


 あったまいい!


 まぁ、自分が死んだあとPCのデータをどうするかって話も、断捨離話においては悩みどころの一つではあるのですが。


 本以外の物に関しても、意外とこの悩みって起こりうる話でして。


 ホームベーカリー。


 ミキサー。


 冬場だけ活躍する圧力鍋。


 いつ使いたくなるか、さっぱりわかりません。


 今までで一番「捨てなければ良かった!」と思った物って、遠い過去に書いた自分の作品群やメモの数々です。


 まさか、創作を再開すると思いませんでしたから、潔くほとんどを捨てておりました。


 昔の感覚って今とは全く異なっているので、意外と新鮮な驚きがあったりするんですよね。


 プラスではなくマイナスな感情などを暴露した物も取っておくと、案外創作に役立ったりします。


 あれらをちゃんと取っておけば、今書いている小説の内容はいい意味で異なっていたかも知れません。


 ま、捨てちゃったものは仕方無いですけどねー。


 捨てたい! と思って迷う時が来たら、衝動だけでパッパと潔くやってしまうのでは無く、今度はじっくりと考えてみたいと思います。


 自分が死んだ後、処分する家族に迷惑かけないよう、必要最低限を見極めながら「魂に触れる物だけ死ぬまで取っておく!」を目標にしていきたいですね。


 結局のところ、今目の前にある一つ一つの物たちと向き合って、答えを出すしか無いしなぁ(笑)。


 どう変われるか自分でもわかりませんが、今はこんな感覚で頑張ってみようかと思います。

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