第39話 マスク越しでも、しぶとく強く。

 好きなだけ食べて飲んで寝て、一日中大好きな小説をワクワク妄想したり書いたり、好きな人とだけ会って気軽におしゃべり出来るのなら、ストレスなど一切たまらないのかも知れませんね。


 でも生活をしていく上で、そんなわけにはいかない場合って多いと思います。


 何しろ、ストレスの多い世の中です。


 特にコロナが発症してからは。


 外出中は欠かさず、マスクをしなきゃならないわけです。


 一昔前などは、考えられなかったことですねー。


 何年か後にこのエッセイを読み返したときに、すっかりコロナが終息した後になっており、「ああ、こんな大変だった出来事もあったよね!」って思い返せる日が来るのを、ただ祈るばかりです。


 だって今は毎日が仮面舞踏会。


 毎日マスカレード(なぜ二度言う?)。


 マスクをしたバンパイアや狼男が街中に紛れ込んでいたって、不思議はありません。


 あ、このネタで小説書いてみようかな(^^♪


 なんつって、冗談はさておき。


 文化も徐々に、変化していくのを感じますね。


 全員がマスク越し美女に、マスク越し美男子となっちゃいました(笑)。


 マスクのおかげで、お化粧の仕方なども昔とは変わってしまった気がします。


 一日中家にいたりすっぴんでいられる日は、このマスク。


 ファンデーションをきちんと塗る日は、このマスク。


 などなど(笑)。


 夏場などは大変でしたよね?


 マスクしちゃうとどうしても暑いから。


 自分以外の人に対する気配りも、今まで以上に必要になってしまいました。


 私達、ここまで本当によく頑張りました。


 自分に何かご褒美をあげたっていいと思います。


 苦しさを立派に乗り越えて、ちゃんと生きているわけですからね。


 苦しさといえば実は最近、手術の後遺症による「鼻詰まり」の頻度が増して、呼吸が苦しくなる事が多くなりました。


 病院の先生からは、飲み薬や塗り薬や鼻にさす薬などを処方していただいております。


 でもね、鼻にさす薬を頻繁に使ったら、効かなくなってしまうようなのです。


 六時間おきに使用するつもりが、気づくと三時間おきに(笑)。


 こんな事ではいけない!


 呼吸困難、めっちゃつらいです。


 実は呼吸困難が原因で、パニックを起こしたことが何度かありまして。


 代表的なのは二年前の、左傾部腫瘍摘出手術の直後ですね。


「とさまじふさーん、わかりますか?」


 手術の後、看護師さんの声が聞こえて目が覚めました。


 その時は意識が混濁した感覚でした。


 麻酔が切れた後だったからでしょうか。


 酸素マスクに強い圧迫感を感じて無性に外したくなってしまい、焦りやら不安やらが一気に襲って来て呼吸が出来なくなり、暴れそうになっちゃいました。


 たくさんの医療スタッフの方々に、見守られていたのを覚えています。


「ゆっくり深呼吸して下さい。大丈夫ですよ」


 って手を握って下さり、呼吸を整え、何とか元に戻れました。


 安心させて下さったスタッフの方々、本当にありがとうございました。


 あの時は本当に、目の前がチカチカして一瞬、死の恐怖みたいな感覚を味わいましたね。


 これまで、そういったパニックと自分は全く無縁だと思っていたため、「え? どうして?」となりまして、あの出来事については結構ショックが大きかったです。


 あれ、何だったのでしょうね? 理由は今でもわかりません。


 でも「生きていて良かったー」と強く感じました。


 何かのマイナスを抱え込むと、私はそれらがモロに、体調に出てしまうみたいです。


 こんな自分もいるんだな、と、ストンと腑に落ちました。


 年齢も年齢なので、無理しないように気をつけなければなりませんね。


 生きていれば時に情緒不安定になりますし、人によって差はあれど、バランスを崩す可能性があります。


 でも、そうなってしまってからが、しぶとく強く生きる上での、本当の勝負だと思うのです。


「こういう自分でいちゃ、ダメなんだよな」


 って気づくタイミングを、普段からチョコチョコ持つように心がけておきたいです。


 歯止めがきかず狂っていくような自分を、パニックになって誰かを傷つけてしまう自分を、私は許すつもりはありません。


 どんな状況に陥ったとしても、そういう自分がいるのだという事を、時には客観的に見つめなおして、上手にコントロールしながら、他の人に迷惑をかけないように生きていきたいな。


 なかなか難しいですけどね。

 

 とにかく呼吸困難だけはもう、死が目前に迫る時以外は勘弁してほしいです(涙)。


 どうもね、寒暖差が激しい夜に、口をパカーと開けながら、グースカ寝ていたらしいのです。


 家族が言うには大いびきをかいていた様で(笑)。


 嫌ですねぇ、いびきをかくおばちゃんなんて。


 それでね、元々弱かった喉がやられまして、最近までしばらく喉風邪をひいておりました。


 喉を守るには口を閉じたいんですけど、しょっちゅう鼻詰まりを起こしてるとそれも難しい(笑)。


 んで、病院の先生に相談したところ、下記のアドバイスをしていただき、脳内がフリーズしたんですよ。


「マスクしながら寝ればいいんだよ」と。


 マスクー?


 家でもマスクー?


 寝る時もマスクマスク?


 えええええー…………。


 もうワタクシ、マスクさんと仲良くし過ぎなので、距離を置きたいのですが、先生。


 加湿器だけじゃいけませんかね?


 てな愚痴を先生に言うわけにもいかず、「はいぃ」と返事して帰宅いたしました。


 抵抗しても仕方ない…………呼吸困難はもっと嫌ですし。


 しぶしぶその晩「マスクしながら寝る」を試してみました。


 鼻の薬をさした直後に、マスク装着してハイ就寝。


 そしたらね…………思った以上に、快適だったのです!


 喉も朝まで潤ったままですし。


 鼻も朝まで詰まらなくなりました。


 苦しくて夜中に目覚めて、薬をさす必要もあまりないし。


 ああ、嬉しい!


 もっと早くマスクして寝れば良かった!!


 ってなりましてね。


 寝ている間だけじゃなくて家にいる間も食べる時以外、今はマスクをしながら過ごしております(笑)。


 なんだかもう、なりふり構っていられないんです、体調管理第一で。


 マスクさん、体を守ってくれて本当にありがとう。


 とっても感謝しておりますよ。

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