第31話ふらふらドラゴンおじさん
あのね、いつも僕達がドラゴンさん達と遊んでる場所が、穴だらけになってました。
それからせっかく昨日ドラゴンおじさんが、もう1回あの美味しいお花咲かせてくれたのに、またなくなっちゃってて、僕もぷるちゃんウルちゃんムーちゃんも、最初は穴にビックリしたけど、お花がないのを見て今度はしょんぼりと、なんか嫌な感じです。
「ぷっ、何ですかエリアス坊っちゃんもムー様達もその顔は」
ホールさんが僕達の方見て急に笑い始めました。そしたら一緒にいたコステロにぃに達やガルダー達も僕達を見て、笑い始めました。にぃに達が僕達のお顔、みんなブスってしてるって。
ん? ブスっと?
「何でエリアス達怒ってるの?」
怒ってる? う~ん、僕今、お花がなくなっちゃってて、今日はもう練習終わりだから、お昼のご飯食べたらドラゴンさん達と遊んで。その後はおやつにギムルおじさんのおやつ食べて、それからお花も食べようと思ってたの。
そしたら穴ぼこだらけで、お花がなくなっちゃってて。
僕がにぃに達にそう言ったら、ぷるちゃん達もおんなじ事考えてたんだって。
「そうか、それでみんそんなブスッとしてるのか。花がなくなっててイライラしたんだな」
イライラ? 僕なんかお胸がむかむかって感じ。
「坊っちゃん達、あの穴も花を消してしまったのも、全部ムーの父上、ヱン様がやったんだ」
え? ドラゴンおじさん、昨日お母さん達にたくさん怒られたのに、また今日こんなに穴ぼこ空けちゃったの?
ホールさんのお話聞いてたら、真ん中に集まってたドラゴンさん達が、急にドラゴンさんのお家の方に走り出しました。それでお家の中にどたどた入って行って、窓からお外を見ます。これも昨日とおんなじ。
ドラゴンさん達がお家に入ったから、真ん中が見えるようになりました。ドラゴンおじさんがいて、お家に入らなかったドラゴンさんが何匹かいて、それからパーシバルさんとウィリスさんでしょう。
あっ、かあ様とドラゴンおじさん発見! ん? かあ様のあのお顔、いつもの怒ってるお顔じゃない。もっと怒ってるときのお顔だ。かあ様笑いながら怒ってる!
僕ドラゴンおじさんに、ドラゴンおじさんがお花なくしちゃったから怒ろうと思ったけど、後ででいいや。今は逃げなくちゃ。にぃに達もかあ様が怒ってるのが分かって、すぐに騎士さんのお家に行こうって言いました。
ガルダーとアロンはドラゴンさんのお家に戻って、僕達は急いで騎士さんのお家に行きます。僕はムーちゃんとお手々繋いで、いつもみたいにみんなで一生懸命歩いてお家に。
僕達がご飯を食べてお外に出たら、穴ぼこが全部なくなってて綺麗になってました。かあ様が僕達に気が付いて僕達の方に歩いてきます。うん、良かった。いつもの優しいかあ様です。
「エリアスちゃん、それにムーちゃん達、初めてのお勉強はどうだったかしら? 楽しかった?」
「うん! あのねぇ、ムーちゃんボールをフワッて、われなかったの」
「エリアス、それじゃあ母様分からないよ」
「最初はたくさん割ったけど、最後は割らなくなったんだ!」
「ダレル、それも母様分からないよ」
コステロにぃにが、お勉強のお話をかあ様にしてくれて、ムーちゃんがボールを浮かせるマネします。そしたらかあ様が1回かあ様にも見せてって言いました。今日かあ様がずっとドラゴンおじさんと一緒にいたから、ムーちゃんが頑張って練習したの見たいんだって。
あれ? そういえばドラゴンおじさん何処?
僕はキョロキョロ、ムーちゃんもみんなもキョロキョロ。あっ、あんな遠くでお座りしてる! ムーちゃんがかあ様にボール浮かせるの見せたら、地面は綺麗に直ってるけど、食べられるお花咲かせてもらわなくちゃ。
でも…なんかドラゴンおじさんお疲れみたいな感じ。かあ様にたくさん怒られちゃったのかな?
ホールさんがアロンとガルダーを呼んで、さっきみたいに魔法でボールを作ってくれます。
「ムー様、先程と同じですよ。ゆっくり割らないように静かにです」
『ガウガウ!!』
ムーちゃんがお手々を前に出しました。それからじぃ~ってボールを見て、僕達はちょっと離れてムーちゃんを応戦。
ボールはすぐにフワッて浮かんで、それからすぐに下に下ります。ほら、もうムーちゃん全然ボール割らないよ。
「あら、ムーちゃん凄いじゃない! お昼までしか練習してないのに、もうボールを割らないで浮かばせられるようになったのね!」
かあ様がムーちゃんに拍手して、その後ムーちゃんの頭をなでなでしてくれます。ムーちゃんしっぽをふりふり、それからとってもニッコリです。
『ガウガウガァ』
『ムーちゃん頑張ったって』
「そうね、頑張ったわね。そうだは頑張ったムーちゃんと、ムーちゃんのことを頑張って応援したエリアスちゃん達には夕食の時、ケーキを1つを2つにしてあげるわ」
ケーキ2つ!! 僕達万歳してそれからいろんな所走ります。
それで僕達が喜んでたら、かあ様が突然大きなお声でドラゴンおじさんを呼びました。ゆっくり立ってフラフラこっちに歩いてくるドラゴンおじさん。かあ様がフラフラのドラゴンおじさんにブツブツお話始めちゃいました。
「お分かりですか! 見ていたでしょう、ムーちゃんはまだ小さいのに、もう練習の成果が出ています。それに比べてヱン様、あなたは何ですか!」
フラフラだけどとってもニッコリのドラゴンおじさん。
「さすがワシの息子だ!」
「そういう事を言っているのではありません。だいたいヱン様は…」
なかなかかあ様のお話が終わりません。かあ様、僕ドラゴンおじさんにお花咲かせてもらいたいんだけど。
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