第17話みんなお着替え
馬車が少し進んでガタンって音がして止まりました。ドアをライオネルが開けてくれます。とう様達が下りて、ぷるちゃんとウルちゃんとムーちゃんが下りて、僕が最後。
下りて周りを見たら、どこかのお家の中でした。お家? 小屋?
「エリアスちゃん、みんなでお手々繋いで、かあ様達の後ろついて来てね。ラッセルお願いね」
「エリアス行くぞ」
ダレルにぃにが僕のお手々繋いで、僕はムーちゃんとお手々繋ぎます。頭の上にぷるちゃんとウルちゃんが乗りました。
ドアの前には騎士さんが立ってて、ドアを開けてくれて僕達はそこに入っていきます。ドアの中はとってもとっても長い廊下でした。先頭をホールとアロンが歩いて最後は騎士さん。それで少し廊下を歩いたら、壁になっちゃって僕達進めなくなっちゃいました。
「かあさま、ろうかない」
「ふふ、そうね。でも…」
ホールさんが壁にお手々つけたら、壁に丸い絵が出てきて、その丸がピカって光ります。それから少しずつ光が消えていったら、壁がなくなって、ドアが出てきました。魔法でドアを隠してたんだって。
ドアを開けたらキラキラの光りが廊下を明るくして、僕中に入ってビックリです。
「かあさま! おしろ!!」
僕ここ知ってる、王様じぃじやカイン君が住んでるお城の中だよ。僕何回も遊びに来てるから分かります。僕達いつお城に着いたのかな? お城に入る大きな門通った? いつもの大きなお庭も、僕とカイン君が大好きな噴水も。それから僕が上るのにとってもとっても大変な、お城に入る長い長い階段も歩いてません。
階段ね長いし1段が大きいから、僕1歩ずつしか上れなくて、いつもふぅふぅしちゃうんだ。だから途中でいつもライオネルが抱っこしてくれます。
「今日は特別。馬車でお城に入る入り口まで来たのよ。だから後は廊下を歩いただけでお城に入れたの」
「らくねぇ」
「エリアスちゃんはあの長い階段上らなくて良いから楽かもしれないわね。でもこの道は今日だけなのよ」
そっかぁ。ちょっと残念。でもお庭とか見れないのはちょっと。
「よくきたな。予定より早くついたんじゃないか?」
「レイトンおじさん!!」
えと、レイトンおじさんはカイン君のとう様で、いつも僕といっぱい遊んでくれます。
僕がレイトンおじさんの方に走って行こうとしたら、かあ様が僕のお洋服掴んで、ご挨拶って。みんなでピシッて立ってご挨拶です。
「殿下、この度は配慮いただき」
「まだ情報を流して日が浅い。盛り上がりもまだまだ収まっていないところに、君達の馬車の紋章を見たら、住民は大騒ぎだろうからな。さぁ、まずは準備を。すぐに王の間へ来てもらうことになる。皆もう集まっているからな」
何かみんなとっても忙しそう。レイトンおじさんが、また別の日に遊んでくれるって言って、ドラゴンおじさんとムーちゃんにご挨拶して行っちゃって、メイドさんが近づいてきて、僕達はお泊まりするお部屋に行きます。
いつもおんなじお部屋にお泊まりです。綺麗なお庭が窓から見えるお部屋。それからバルコニーがあって、そこでご飯食べたりおやつ食べたりできるの。
それからお泊まりの時は、とう様とかあ様、にぃに達と一緒のお部屋でお泊りです。だから僕ね、みんなとずっと一緒にいられるし、それから寝る時はとう様とかあ様の間に挟まって寝られるから、とっても嬉しくてニコニコです。
お部屋に着いたら、ライオネルとシェーラと他の使用人さんとメイドさんが、どんどん荷物を運んで来て、クローゼットにお洋服とかしまって、他の荷物もパパパって片付けちゃいました。
次にとう様が、たまに着るとってもカッコいいお洋服にお着替えして、それからにぃに達もお着替えして。それが終わったら、とう様とにぃに達は、じぃじとばぁばが泊まるお部屋に行っちゃいました。
とう様達が行っちゃったら、今度はばぁばがお部屋に入ってきます。今度はばぁばとかあ様がお着替えなんだって。僕も一緒にお着替えです。
僕のお洋服もとう様みたいにカッコいいお洋服です。青と白色。僕がお着替えしてたら、ぷるちゃんとウルちゃんがクローゼットの中ゴソゴソして、自分のお洋服持ってきました。お誕生日に着たお洋服。
「みんなもおようふく、かあさまい~い?」
「う~ん、お話終わった後なら良いわよ」
これからいっぱいご挨拶なんだって。それからいっぱいお話もあるから、それが終わったら良いって言いました。ムーちゃんがかあ様のお話聞いてちょっと寂しいお顔しました。
ムーちゃんとお友達になってから、かあ様がムーちゃんに、赤色と青色で真ん中のドラゴンさんの絵が描いてある、カッコいいマント作ってくれました。それから白色と黒色のマントも。白と黒のマントはいつでも着ていいマント。赤と青のマントは、特別な時に着れるマントです。
お城に遊びに来たから、特別なマントも持って来てて、だからムーちゃんすぐに着たかったって。
「大丈夫、ご挨拶が終わったら着せてあげるわ。だからちょっとだけ待ってね」
『ギャウゥゥゥ?』
『ほんとう? だって』
「かあさま、ほんとうってきいてるってぇ」
「ええ、本当よ。お約束」
『ギャウウウ!!』
『分かったてぇ』
かあ様とシェーラにお洋服着せてもらって、次はかあ様達がお着替えです。かあ様達はお城に来ると、いつもお着替えが遅くなります。着るものがいっぱいなの。
だからその間僕はみんなと、お部屋の中行ったり来たり、クローゼットの中みたり、ベッドの下除いたり、いろんなことしてお着替えが終わるので待ちます。
お外も見たいけど、お着替えの時はカーテン閉めちゃうからダメ。
あっ、ぷるちゃん達が持ってきた、おもちゃが入ってる箱発見。中をゴソゴソしてふわふわのボールも発見。このボールで遊んで待ってても良いかな?
「かあさまぁ、ふわふわボールであそんでてい~い?」
「かあ様達のお洋服の方に飛ばしちゃダメよ。お洋服が汚れちゃったら大変だわ。それから思い切り投げるのもいけないわ。エリアスちゃんのお洋服が汚れちゃうから。静かにコロコロ転がすなら良いわよ」
転がすのは良いって。離れてドアの近くの方に行って最初は僕から、そっと静かに転がします。
コロコロ。ボールはすぐに止まっちゃいました。ふわふわのボールにはふわふわのお毛々がついてるからあんまり転がりません。
次はぷるちゃんとウルちゃん。2人はもう少しだけ強くボールを転がします。僕よりも少しだけ遠くまで転がりました。
最後はムーちゃんです。ムーちゃんはお手々で転がすよりもしっぽで転がすほうが上手。だからしっぽでぽんっ! ボールが飛んでベッドの近くにある、台に置いてあった壺みたいなやつの上にちょうど乗っかりました。
ふふ、なんかおもしろい。僕達は箱の所に行ってガサゴソ。硬いボールを探して壺の所に戻ります。
お椅子を持ってきて、よいしょよいしょ。お椅子に乗っかったらふわふわボールを取って、硬いボールを乗っけてみます。硬いボールはすぽんって中に入っちゃいました。う~ん、これはダメ。やっぱりふわふわボールだね。
壺の中にお手々入れて硬いボールを取ったら、もう1度ふわふわボールを乗っけます。ほらやっぱりピッタリ。
ボールを見てたムーちゃんが、ボールを上から何回か突いたり押したりしました。そうしたら、ふわふわボールも中に入っちゃったんだ。もうダメだよ。上に乗ってるのが何か面白いんだから。すぐにボールを取ろうとします。
あれ? ボール取れない。お毛々を引っ張るけど、全然ボールが壺から出てきません。何で? 入ったのに出てこないの?
僕のこと見てたぷるちゃん達が手伝ってくれます。僕とぷるちゃんがお毛々引っ張って、ウルちゃんとムーちゃんが壺を引っ張って。
「みんながんばれぇ!」
『ぷるるるん!!』
『ひっぱれぇ~!』
『ギャウゥゥゥ!!』
一生懸命引っ張ります。でも全然ボール取れなくて、もう1回みんなで力を入れて、せぇの!!
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急にボールが壺から出ました。頑張って引っ張ってたから僕とぷるちゃんは、グラって後ろに倒れてお椅子も倒れて、
「わあぁぁぁぁぁぁ!」
『ぷゆん!』
ぷるちゃんが痛くないように、僕の下でぽよんぽよんって、クッションみたいになってくれます。
倒れながらウルちゃん達の方見たら、ウルちゃんもコロコロベッドに転がって、ムーちゃんはおっとっとって、ベッドに倒れそうになってました。
「エリアスちゃん!!」
かあ様の声が聞こえた時、ムーちゃんがベッドに倒れました。
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