第11話魚の魔獣と事件発生!

「やっと着いたか。シス案内を頼む。」


「はい。」


「生きていてくれれば良いが…。」




 今日も僕達の家の中は賑やかです。フウとライとブレイブが、木の実取り合ってケンカするんだもん。それも毎朝。木の実いっぱいあるのに。昨日の朝僕がフウに木の実とってあげたら、皆んなそれが欲しいってケンカするし。


「ケンカ、だめ。ぼくおこりゅよ。」


 そう言うと大人しく木の実食べ始めるんだけど。今度からケンカしないように、皆んなのお皿に木の実わけようかな。そうすれば大丈夫だと思うんだけど。

 朝ご飯食べ終わったら、今日は子ファングが遊びに来てくれるみたいだから、何か皆んなで遊べるもの考えておかなくちゃ。

 いつも何か投げて持ってくるじゃつまんないし、家の中は葉っぱがめちゃくちゃになって、僕達にくっついた葉っぱ取るの大変だから、遊ぶの禁止だって。

 どこか遊べる場所ないかな。そう言えば僕が最初にいた湖。あそこで水で遊び出来ないかな。森の中は、暑くもないし寒くもないから、お水で遊んでも大丈夫だよね。


「ふぁんぐきたりゃ、みじゅうみ、いきちゃいでしゅ。みじゅうみ、あしょぼ。」


「いいぞ。それに湖の魔獣も見せてやろう。」


 え?魔獣いるの?でもそうか。魚みたいなのが居るのかな。まさか人食べたりしないよね。心配して聞いたら、そんなおっかない魔獣はいないって。湖に生えてるコケ食べてるやつだって。良かったあ。


 子ファングが来たから、皆んなで湖まで移動。着いてすぐ、子ファングもフウ達もわああああって叫びながら、湖にダイブ。僕も!って行こうとしたら、オニキスに洋服脱いで行けって。まあいいか、誰か居るわけじゃないし。僕は一生懸命服脱いで皆んなの所へ。もう、洋服まで脱ぎにくいなんて。そして僕も湖にダイブ!気持ちいい!!


「キャッキャ!」


「ぼく、うまくおよげるでしゅよ。みてて。」


 子ファングは犬かきしながら、湖の中心へ。そしていきなり潜ったと思ったら、出てきた子ファングは、口に何か咥えてました。魚?

 陸にあげられたのは魚。黄色と青のシマシマ模様の魚です。


「こいつがこの湖に居る魔獣だ。」


 なんかカラフルな魚だね。あ、魔獣か。オニキスがこれがうまいんだって言ったら、子ファングがもっと捕ってくるってまた中心へ。オニキスが俺もって言って中心へ。あっという間に、地面は魚魔獣だらけに。子ファングとうちと分けて、持って帰る事にしました。大きな葉っぱを持ってきて、その上に乗っけました。

 たくさん遊んで休憩して、また遊んで。フウとライが、船みたいな形した葉っぱを持って来てくれて、それ浮かばせて遊びました。本当に船の形してるんだよ。こんな葉っぱもあるんだね。


 そんなこんなで、もう夕方です。子ファングのお父さんが迎えに来たので、今日のお遊びはお終い。オニキスとお父さんが魔法で僕達の体乾かしてくれます。しかもあったかい風だから、冷えた体にはちょうどいいです。魔法って温度調節も出来るんだ。子ファングは魚持って、バイバイして帰っていきます。僕は…。


「ハルト遅いー。」


「オレ達用意終わった。」


 しょうがないじゃん。洋服着るのもお子様の僕には大変なんだよ。さっき魔法で体乾かしてくれたみたいに、洋服も乾かしてくれたら、洋服脱がなくてもよかったんじゃないかオニキスに聞いたら、洋服で溺れたらどうするんだって。…はい、そうですね。

 フウ達に急かされながら、やっと洋服を着替え終えて、さあ、家に帰りましょう。今日のご飯は、湖の魚魔獣です。家から少し離れた所に木の枝用意して、オニキスが魔法で火をつけます。その間に僕達は一生懸命魔獣に、木の枝刺しました。よし!準備完了。火の側に枝刺して、後は焼けるのを待つだけ。

 オニキス最初、そのまま焼こうとしたんだ。大丈夫なのか聞いたら、加減間違えてよく炭になるって言うから、僕がこの方法教えてあげたんだ。

 だんだん魔獣が焼けて来ます。いい焦げ色。


「ほう、うまく焼けるんだな。今度からこうやって食べよう。今までのは苦くてな。しかたなくたまに、生のまま食べてたんだ。」


 だろうね。炭だもんね。さあ、焼けたみたい。早速食べよう。熱々の魚魔獣をハフハフ言いながら食べます。美味しい!!今まで食べた中で1番美味しいかも。しかもなんとこの魚魔獣、頭にしか骨がありません。だからとっても食べやすいんだ。骨がないのにこんなにしっかりした魚魔獣です。さすが魔獣って感じ。


 たっぷり魚食べて、残った魔獣はオニキスが全部食べちゃった。それからお片付けは明日する事にして、火はちゃんと消えたの確認して、僕達は家に入りました。

 戻る途中、1回だけオニキスが振り返りました。


「どうちたの?」


「…いや、何でもないぞ。さあ、帰ってマッタリしよう。」


「?」


 どうしたのかな?ちょっと気になったけど、オニキスは慌ててないし、大丈夫かな?

そして家にかえってマッタリして、寝ようとしたときでした。


「おじちゃあ!ハリュト!」


 暗闇の中から子ファングが突然、家の中に駆け込んできました。目には涙を溜めて、とっても慌ててます。


「とうしゃが、とうしゃが…。」


「穢れか!!」


「ぼく、たしゅけらりぇない…。おじちゃ、とうしゃんたすけて。」


 走り出そうとするオニキスに、僕も連れてってって言いました。


「ダメだ!穢れが危ないことは知ってるだろう!」


 知ってるよ。でも僕穢れなくすこと出来るんでしょう。オニキスだけでも大丈夫かも知れないけど、僕もいた方がいいかも知れないじゃん。この前みたいに、オニキスが倒れちゃったらどうするの。僕の言ったこと、ちょっとだけ考えて、オニキスは連れて行ってくれるって。でも、オニキスが呼ぶまで、近づいたらダメだって。了解!


 皆んなでオニキスに乗って、子ファングのお父さんがいる所に。子ファング、ずっと泣いてるんだ。大丈夫。オニキスと僕が、必ず助けるからね。

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