第10話森には危険もいっぱい。そしてまたまた名前をつけましょう
次の日も探検です。今日は最初に、この森の景色が1番良く見える場所に、連れて行ってもらいました。
森の奥へ進んでいって、ファングの縄張りを通って、さらに奥へ進みます。大きい木が増えてきて、そして今目の前には、とっても大きい木が。この森で1番大きい木なんだって。どのくらい大きいかって言うと、木の幹は僕がお子様なせいもあると思うんだけど、壁だね。向こう側なんて、ちっとも見えません。枝も僕の体くらい太いし、葉っぱも僕の顔くらいなのが付いてます。
この木はオニキスが生まれる前から、もうずっと前からここにあるんだって。オニキスに歳聞いたら、200歳超えてるんじゃないかって。もう分かんないって言ってました。でもそれでも若いんだって。この木にもびっくりしたけど、オニキスの歳にもびっくりしたよ。フウとライは、生まれて2年だって。うん、なんか普通で安心したよ。
オニキスに乗ったまま木のてっぺんに登ります。
「わああああ!しゅごい!」
凄くいい眺め。遮るものは何にもないし、今日は天気もいいし。サイコー!!とってもいい景色に本来の目的忘れるとこでした。森のことちゃんと見なくちゃね。
森を見渡して観察します。オニキスがあそこが、僕達の家のある所、あっちがファングの縄張りって、僕が行った所がどの辺か教えてくれます。本当に広い森です。うん森だけだね。遠くの方に街とか見えるのかなと思ったけど、木だけでした。
人がいるのかなとか、街があるのかなとか思ってたから、少しだけ残念だったけど、僕の家はここだし、家族もいるからいいんだ。
木から下りて、次に行くのは、森の外の方。森で危ない草とか木がある場所があるんだって。それの勉強に行きます。
着いた所には、とっても先が鋭い草、朝だけ毒を出す花、近づいた魔獣を捕食して養分にしちゃう木、そんな危ない植物が生えてました。
「いいか。絶対1人で出歩くな。こういう危ないものが森にはたくさんあるんだ。ハルトなどすぐに死ぬか、大怪我をする。」
僕だってそんな事になりたくないもんね。絶対1人で歩くのはよそう。でも、こういう勉強は大事だよね。ちゃんと知っておかないと、大変な事になっちゃう。森は楽しいけど、危ない事も多いんだね。
勉強の後は、もう1度森の奥に行って、この前の子ファングと遊びました。うん。いつ見ても可愛い。他の子ファングとも仲良くなったんだよ。ていうか、殆どのファングと仲良くなったけど、オニキスがピリピリしちゃって、大人ファングはなかなか近寄って来ないんだもん。もう、いいじゃん遊ぶくらい。
「ぼく、マホ、れんしゅう、がんばるでしゅよ。おじちゃみたい、なるでしゅ。」
頑張ってるんだね。僕も魔法の練習してみたいけど、オニキス教えてくれないんだ。まだ小さいからダメって。子ファングだって小さいのに。浄化だけでも教えてくれないかな?
「あのね、オニキスは自分でやりたいんだって。」
「ハルトの世話は、オニキスの役目だって言ってたぞ。」
僕そのうち、何も出来ない人間にならないかな…。
暗くなって来て、皆んなにバイバイして家に帰ります。ライの魔法で明るくしてもらって、洞窟の中で皆んなでゆっくりします。そう、食器が増えたんだよ。昨日僕が寝てる間に、フウとライが、あのコップになる花摘んで来てくれて、ちょっと花びらが開いちゃってるのをお皿にして、それから大きい花は、木の実を入れておく入れ物にしたんだ。この花、大きさがいろいろあるから、とっても便利。
今日は寝る前に1つ仕事があります。そう、昨日僕達と一緒にこの家に来た、ルーリアに名前をつけます。ルーリアは魔力が弱い魔獣だから、契約は出来ないんだけど、家族になるなら名前がいるでしょう。何て名前にしようかな。
「どんな、なまえ、いいでしゅか?」
オニキスに通訳してもらいます。
「カッコいい名前がいいって言ってるぞ。男だからな。」
危ない。間違えてた。可愛いから勝手に女の子だと思ってた。名前つける前で良かった~。カッコいい名前かあ。うーん。家族から離れて、勇敢に外の世界に出てきた子。勇敢は確か英語でbraveブレイブ。うん。これが良いね。
「あのね、ブリェイブ。」
「ブレイブか?」
「しょう。ブリェイブ。いみは、ゆうかん。」
「勇敢か。カッコいいな。よし。」
オニキスが伝えます。気にいってくれるかな?ドキドキして待ってると、突然ルーリアが洞窟の中を走り出しました。どっち?気にいってくれたの?走り回ってたルーリアは僕の肩に乗っかって、顔をスリスリしてきました。
「気に入ったって言ってるぞ。今日からそいつはブレイブだ。」
良かったあ。顔をスリスリするブレイブの頭をなでなでします。どんどん家族が増えるね。僕とっても嬉しいよ。しかも人数が増えても、この家は全然平気。だって大きいのはオニキスだけ。あとはちびっ子ばっかりに、お子様な僕だけだからね。引っ越さなくても大丈夫です。
楽しいことばっかりで、1日がすぐ終わっちゃいます。今日だって気づかないうちに夕方になってたし。
次の日の朝は、子ファングが遊びに来てくれました。1人じゃないよ。子ファングのお父さんも一緒。家の中に招待です。子ファング喜んで飛び跳ねたら、葉っぱやモコモコ葉っぱが舞って、それ見て皆んなで大はしゃぎ。最後には皆んな身体中に葉っぱつけてて、オニキスと子ファングのお父さんが、ぶつぶつ言いながら、僕達の体についた葉っぱとってました。ごめんね、大人達。でもこれは子供の特権なのです!楽しいんだもん…。
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