第7話皆んなの友達に会いに行きましょう

 次の日、皆んなが自分達の友達に合わせてくれるって。僕のこと紹介してくれるみたい。っていうか、家族になったって、自慢したいみたい。そんな事言ってた。


「皆んな、羨ましがるだろうなあ。オレ自慢するんだ。」


「僕も!」


「俺も、どんなにハルトが凄いのか、自慢するぞ。」


 僕、そんなに凄いお子様じゃないんだけど。なんか無駄にハードル上げてない?僕、皆んなにあったら、どういう反応すればいいの?

 そんなこんなで、最初にフウ達の友達に会いに行きます。フウの友達が集まってる所が、ここから近いんだって。オニキスに乗って出発!


 この前の花畑を通って、少し奥に行った所に、僕が最初に見た湖とは違う、もう少し小さな湖が見えてきて、そこにフウ達の友達が居るんだって。先に僕達が来たこと知らせてくるって、2人とも飛んでっちゃった。湖に着いたら、たくさんの妖精が、羽をキラキラ光らせながら飛んでました。しかもそのキラキラが、みんな違う色してるからとっても綺麗。出迎えてくれた妖精さん達に、まずは自己紹介。


「はりゅとでしゅ。よりょしくね。」


「「「はりゅと!!」」」


 …違う。僕の名前は晴人だよ。は、る、と。もう、お子様のお口が恨めしい。


「違うよ。ハルトだよ。ハルト人間の子供。まだ小さいから、うまく話せないんだよ。それよりね。僕とライ、ハルトと契約してんだよ。いいでしょう!」


 フウの言葉に、集まってた妖精がワアーワアー言い始めました。いいなあとか、何で2人だけとか、僕も契約してみたいとか。それ聞いたフウもライも、


「皆んなは契約ダメ。オレ達家族になったから、契約したんだぞ。」


「家族は、この4人だけなの。だから皆んなはダメ。」


 そう言いながら、それでも自慢をやめないフウとライ。ハルトは可愛い、ハルトはすごい魔法使える、なでなでが気持ちいい、とっても優しい、何てことずっと言われて、何か恥ずかしいんだか嬉しいんだか。僕きっと今、顔が赤くなってるんじゃないかな。


「そうだハルト、今たくさん僕の仲間居るから、妖精の鱗粉かけてあげる。鱗粉体にかければ、ハルトも少しだけ、飛べるようになるよ。」


 何それ!僕が飛べる?!フウとライが飛んでみる?って。もちろん!!

 ドキドキしながら待ってたら、妖精が僕の周りに集まって飛び回りながら、鱗粉をかけてきました。キラキラ、キラキラ。綺麗な鱗粉が僕にかかります。


「もう大丈夫じゃない。」


「そうだね。ハルト飛ぶの想像してみて。」


 飛ぶのを想像。想像。うーんって目を瞑りながら、飛んでる姿を想像します。


「わあ、ほらハルト、浮いてるよ。でも…。」


 パッと目を開けて確認!本当に飛んでる?自分の足元見たら、たしかに浮かんでる。地面に足がついてない。でも…。10センチくらい?なんか僕の想像してたのと違う。こう、もっと皆んなみたいに飛べるの想像してたんだけど。オニキスが、僕はまだ魔力の使い方知らないから、本当なら自分の魔力も使えば、もっとうまく飛べるんだって。

 そっか。ちょっと残念。でも飛べてるのには変わりないよね。僕のこと見て、妖精が心配そうな顔してる。ちゃんとお礼言わないとね。


「みんな、ありあと。ぼく、うれちい。」


 そう言ったら、妖精達は安心したみたい。

 ちょっとだけ浮かんだ僕と、空中散歩です。あっちへふわあ~。こっちへふわあ~。歩くんじゃなくて浮いて移動してるから、なんか変な感じだけど、でも初めての感覚で結構面白かったよ。妖精がいた場所何周かしたら、足が地面に着きました。空中散歩は終わりです。楽しかった。皆んなありがとね。 

 空中散歩終わって、フウとライも、自慢が終わったって言うから、皆んなにバイバイして、今度はオニキスの仲間の所へ移動です。


「みんな、バイバイ。」


「ハルトまたねえ~。」


「また遊ぼうねえ~。」


 小さい手で皆んながバイバイしてくれました。可愛いなあ。

 オニキスの仲間がいる場所は、森のもう少し奥なんだって。森の奥に行けば行くほど、強い魔獣が多いんだって。

 オニキスが自分のこと教えてくれました。もともとオニキスはただのファングとして生まれてきたんだけど、皆んなよりも魔力が多くて、しかも汚れ(穢れ)を祓うほどの力持ってたから、毎日訓練して自分を鍛えて、それである時、ロードファングに進化したんだって。それからはずっとこの森のこと、守って来たって。

 オニキス偉いね。そんなオニキスにはなでなでしてあげよう。なでなで、なでなで。うん。なでなでしたタイミングが悪かったね。オニキス喜んで、スピードアップして走り始めちゃったんだ。お子様な僕が、そんなオニキスに乗ってられるはずもなく、


「まっちぇ~!!」


 落ちそうになって、オニキスの毛を慌てて掴みました。ぶら下がってオニキスに向かって叫んだよ。落ちたら大変。


「す。すまん。大丈夫か?」


 慌てて止まったオニキス。止まったオニキスにぶら下がったままの僕。うん。オニキス大きいからね、足なんかつかないよ。

 そっと毛を掴んでた手を離します。尻もちつきながら着地。いたたたた。


「大丈夫かハルト。本当にすまん。」


「オニキスいけないんだ!」


「ハルトお怪我しちゃうよ!オニキスは少しの間、なでなで禁止!」


 僕が何も言わないうちに、フウとライがオニキスに罰与えちゃったよ。別に気を付けてくれれば、良いだけだったんだけど。でもしょぼんて頭下げてるオニキス、ちょっと可愛い。罰は可愛そうだけど、少しの間なでなで我慢してもらおう。ごめんねオニキス。


 その後、もう1度オニキスに乗って仲間の所に。けっこう森の奥に来たかな。森の木がもっと大きい木に変わって、ここからがファング達の縄張りだって。

 群れって、どのくらいの群れなのかな?皆んなもふもふかな?会うの楽しみ!

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