第6話家族になって1日目。そしていろいろ。

 契約が終わって、家族になって。最初ははしゃいでた僕だけど、やっぱり子供だからかな。さっきたくさん寝たのに、また眠くなっちゃった。オニキスが寝ていいって言うから、また寄っかかって眠りました。前よりも気持ちいい毛並み。最高のベッドってこんな感じ?

 またまたぐっすり眠った僕が目を覚ましたのは、もうだいぶ明るくなった頃でした。オニキスに、朝とか昼とかあるのか聞いたら、明るくなれば朝だし、暗くなれば夜。お昼はなんとなくだって。一応は朝とかあるんだね。まあ、自然で生きてるんだからそうなるよね。

 あとね、夜に明るくしてくれた光の妖精、名前はライって言うんだけど、朝起きてから確認したら、まだ僕達と一緒に居たから、ライにも一緒に家族にならないか聞いたんだ。だって夜にとってもお世話になったし、1人だけ仲間ハズレみたいでしょう。

 そしたらそれ聞いてフウが怒っちゃって。ライと大喧嘩始めちゃったんだ。


「ハルトは僕と初めて会ったんだよ。だから僕がハルトの1番の家族になるんだもん。ライはまだ会ってから、少ししか経ってないでしょう。だからまだダメ!」


「どうして!フウだってオレとそんな変わりないじゃん。僕だって、夜からずっと一緒に居て、ちゃんと役に立ったんだから、家族になってもいいじゃん。」


 なかなか喧嘩が終わらなくて、最後にはオニキスが2人のこと叱ったよ。僕のこと困らせたら、フウは契約解除するし、ライは契約させないぞって。それでやっと喧嘩は終わりました。

 フウに何でダメなのか聞いたら、同じ妖精だから、ライのことばっかり僕が優しくするかもって思ったんだって。そんなこと僕しないよ。皆んな同じに幸せじゃなきゃ。だって家族でしょう。

 

「フウ。ぼくみんな、たいしぇちゅ。みんなだいしゅき。だかりゃ、なかよくしよ。」


 そう言って、人差し指で頭なでなでしてあげたら、うーんって。何か考え込んじゃった。やっぱりダメかな。そしたら、


「ライ、なでなでしてもらう時は、一緒になでなでだよ。1人だけダメだからね。」


 あれ?もしかして、なでなでするのが好きなのかな?なでなでが減るのが嫌だった?もう、言ってくれれば、いっぱいなでなでしてあげるよ。ほら。

 僕はフウをなでなで。嬉しそうにするフウを見て、ライもそっと寄って来ました。だからライも一緒になでなで。そしたら、オニキスが俺はって。その時のオニキスの顔が、とっても情けない顔してて。森を守るロードファングじゃないの?僕思わず笑っちゃったよ。

 でも僕の手、2つしかないからね、順番になでなでしました。そして結構疲れました。だって皆んななかなか止めさせてくれないんだもん。腕が…。

 ちょっと休憩してから、ライと契約しました。3人家族と思ったけど、4人家族に訂正です。いっきに家族が増えて、僕はうきうきです。


 今日はどうしようか?家族になって1日目。何か必要な物とかあるかなぁ。まあ、今の僕には大した事出来ないかも知れないけど…。そう言えば皆んな、お家とかあるのかな?

 聞いてみたら、皆んないろんな所で寝たり、ご飯食べたりしてるんだって。そうか、ここは森の中。そして魔獣と妖精。家がなくても平気なんだね。でも、雨降ったりとかしたら、僕風邪ひいちゃうかも。

 よし決めた。今日は皆んなで暮らす所探そう!


「何だ。家が欲しいのか?」


 オニキスにいい場所ないか聞いたら、雨に濡れなくていい、僕達が入っても全然狭くない洞窟があるんだって。その洞窟の近くには木の実もたくさんあるみたい。オニキスはよくそこに居たんだって。

 オニキスに乗って、その洞窟まで移動です。


「すぐ着くぞ。あの洞窟は俺の縄張りだから、他の魔獣は来ないんだ。」


 オニキスが言ったとおり、すぐに洞窟に着きました。中にはいったら、僕達4人ちょうどくらいの広さでした。よし!今日からここが僕達の家。決定です。

 オニキスから降りて座ってみます。やっぱり岩だから痛い。まずは、葉っぱとか集めて、地面をふかふかにしよう。


「はっぱ、あちゅめましゅ。みんなであちゅめよ。」


「あっ、それならオレとフウ得意!ちょっと待ってて。フウ行こう!」


「うん!」


 2人が出て行っちゃいました。皆んなで集めた方が早くない?そう思ってたんだけど、帰って来た2人見てびっくり。2人の頭の上に大きな葉っぱの塊が。魔法で集めてまとめて持って来れるんだって。2人が何回かそれを繰り返してくれて、地面は葉っぱでふかふかにになりました。

 あとね、何かワタみたいな、ふわふわの葉っぱも持って来てくれて、さらに地面がふわふわに。あんな葉っぱ見たことないよ。きっと僕、見たことない物、ここにはたくさんあるんだろうな。ちょっと楽しみかも。


 2人のおかげで、すぐに終わっちゃったから、お礼に大好きななでなでしてあげました。それ見たオニキスは、ご飯は俺に任せろって、出て行っちゃいました。木の実採るのはいいけど、どうやって持って帰ってくるの?

 僕の疑問はすぐに解決。戻って来たオニキスは大きな葉っぱに木の実入れて、その葉っぱ咥えて戻って来ました。皆んな何でも出来過ぎじゃない?

 木の実を置いたオニキスは、しっぽをブンブンふってニヤニヤしながら、僕が頭なでなでするの待ってます。僕、思わず笑っちゃったよ。オニキス、強い狼じゃなくて、大きい犬みたい。でも、木の実持ってきてくれてありがとね。オニキスの頭をなでなでです。オニキス嬉しそう。


 そのあと、今日は洞窟の周り、皆んなでお掃除しました。皆んな?それにお掃除?僕が石とか、ツルとかに引っかかって転ばないように、皆んなが片付けてくれたんだ。僕は危ないから、まだ外出ちゃダメって、洞窟の中でじっとしてました。

 僕今日1日、何もしてないんだけど…。

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る