タイチを想う者達
時を少し
女性陣が温泉に入ろうと向かっていた。
「チィーーヒヒヒヒヒヒ!!! ……チィーーヒヒヒヒヒヒ!!! …………チィーーヒヒヒヒヒヒ!!!」
「うわぁあ……凄い笑ってるよ。僕、怖いよぉ」
「ボクも”金”を利用してきた立場ですけど。ここまで”金”に左右されているのを見ると、止めた方が良いのでしょうか……」
壊れたラジオのように不定期に、”無手”と合わせて”仙術”でも賭け金を手に入れたチィェンの笑い声が止まらなかった。
目が”金貨”のままで戻らず、だらしない顔をし続けているのにガンとシンが怯えている。
「ポリポリ。……ポリ……ポリポリ」
こういった時に、まっさきに叱咤するはずのホンは”おこぼれ”の≪
「ポリポリ、美味しいね! ホンお姉ちゃん!」
食べきれない程の”おこぼれ”の”おこぼれ”を手に、クゥイが笑っているのだけが癒しだった。
ーーーーーー
ーーーーー
ーーーー
ーーー
ーー
ー
「あら!? この宿だと聞いておりましたが、今からですか? 奇遇ですわね」
「ア゛ァ~~ハッハッハ! 憎きタイチの女達ね! アタクシはジェーン・リトルゲート! またの名を”
女性陣が温泉に入ろうとすると、極東の島国”
「あらら、タイミングが
「ほ~~。皆様、お揃いで。奇遇でして~」
西欧の列国”
何故、明日も戦うかもしれないタイチ達と会うかもしれない場所、ここに集まってしまったのか?
それは、ここ、≪老舗旅館・桃源郷≫自慢の
”無手”と違い”仙術”はの消費が激しいために、
言い換えれば、【
”武器”で最有力候補のタイチを倒すために、万全を尽くしに来たのだ!!!
ーーーーーー
ーーーーー
ーーーー
ーーー
ーー
ー
ーーーーーー
__『おうおう! 流石は優勝者だ! 服を脱いでも強いと分かる筋肉! 素晴らしい!』
「さっそく、お父様がタイチ様と交流してるみたいですわね」
「ほほう! シロちゃん達も、あわよくばと思とったけど、ソチラさんもやな」
ロゼは父、アレクセイがタイチを自国に、活動拠点を自国に勧誘することつもりであることを知っていた。
シロ達も仙力の回復も目的であるが、タイチと何らかの接触、交流を持つ目的でココに来ていた。
『勇者や英雄は、タイチの世界で言う”核ミサイル”なのだ。跳び抜けた”個”は全てを蹂躙する。いくら集まっても”
以前に皇帝ダオが語っていた言葉。
この世界に迷い込んだ”
他国からしてみれば、誰のモノでもない”核ミサイル”が道端に落ちている状況なのだ。
「ムム!!? 大変です! わたしの【占い】で国の”
「
「ユーとシー姉様が懸念することは、
「ボクの眼が変じゃなければ、アレって……シーさんですよね? アレで忍んでいるつもりなんですか?」
「駄目ですよぅ。こういうのは、知らないフリをしてあげるのがマナー、うふ、ですよぅ」
「ジィェン
持って産まれた気品、カリスマのせいで、
ーーーーーー
「シー姉様とユーは、覚えてる? タイチ様が、お父様と面会している時の雑談」
「確か、国についての話でしたね。難しくて、わたしでは理解しきれませんでしたけど、”民主主義”だの”王制”だの。お父様と
「お父様とタイチ様は気が合うようですね!」
__『ガッハッハハ! さあ、グリムの所用は終わったな。次は俺の話を聞いてもらおうか!?』
「お父様の考えは、
「シー姉様の弱点? ”仙術”でも、そうでしたけど。策や罠、”搦め手”に弱いところでしょうか?」
__『
「タイチ様を国に繋ぎ止め、シー姉様の弱点を補う最良の策。それは____
皇帝は純粋に雑談のつもりでタイチと話していたのだが、賢い次女の
ーーーーーー
極東の島国”
タイチの
「タイチちゃんが……タイチさんが、居なく……遠く離れちゃう」
「うふ、うふふ、うふふふふ。何処までも付いて行きますよぉぅ」
「あわわ、私、と、タイチ様が……こ、こ、ここ、婚姻!?」
両親の店が在るので離れられないツァンが不安がり、何処までも付いて行く覚悟をジィェンが決め、妹の考え過ぎの発言に動揺するシー。
__『
一斉に、鋭い視線が行き交う!
__『俺の
「お父様!!? 下品ですわよ!!!」
言葉では怒っているが、アレクセイのフォローのおかげでタイチにアピールできたことに、幼いながらも勝ち誇っている!
「やったー!
負けじと、世話になっているツァンなどの為に、ガンが猛アピールをする!
「ムム!? 聞き捨てなりませんね! シー姉様だって小柄ですけど結構、大きいですよ!」
「おおおおお!!? ユー!?? なんてこと言うんですか!?」
完全な善意で、
「シロちゃんの”属性”は”幻”やさかい。大小も、髪の長さも思いのままやで~~!」
しっちゃかめっちゃか、上へ下への大騒ぎ、女性が三人も居れば
「うおおおおお!! ボンバーーーー!!!」
「「「うわーー! 爆発したーーーー!!?」」」
後日、皇帝が
ーーーーーー
ーーーーー
ーーーー
ーーー
ーー
ー
ーーーーーー
「シー、ちょっと良いか? 話が有るんだが」
「え!??
妹に変な事を吹き込まれたせいで、温泉上がりのタイチに話しかけられただけで緊張が隠せずにいた。
「
「お父様に
「”縛り”について問題が__「気が早すぎます! うおおおおお!! ボンバーーーー!!!」
勘違いしたシーが、顔を真っ赤にして走り去ってしまった。
「__あり、そうだから。試合前に話が、したかった、んだが……」
「……何なんだ? いったい」
ただただ、タイチは困惑するだけだった。
ーーーーーー
ーーーーー
ーーーー
ーーー
ーー
ー
ーーーーーー
宮廷の宝物庫で、
「? ここにも何か無かったか? あそこにも何か……」
「も~~、ヤダぁ!
見回りの兵士が
「あ~……。そうだったな。シー様が、お使いになるから持って行ったんだったな」
「そだよ~。アレもアレも、アレも。シーちゃんが持って行ったんだよ。
兵士は
この時、持ちだされた”神器”は三つ。
「”無手”では【武道】などという卑怯な手で負けはしたが、条件さえ同じなら____俺が勝つに決まっている」
”乾坤圏”、”混天綾”、”風火輪”の
「”武器”では
タイチが持つ”神器”が”
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます