”仙術”決勝~今、再び~
「タイチ様、勝てるかな? もう【
タイチとの付き合いは、
「もしもタイチが負けるとするなら、
「予選から思っていましたが、ホンは何でタイチさんが勝つことを確信しているんですか? 【雷海】は確かに強力ですが、最強でも万能でも有りません。相手によっては相殺できずに押し切られたり、消費も激しいですから、ジリ貧で負けることも有り得ますよ?」
最も付き合いの浅い
「よく分かりませんが、”仙術”で重要な”適性”の朱雀様の精霊のホンが言うなら、タイチさんが優勝するとボクは思いますよ?」
中間の
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ーー
ー
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司会者に入場を促される前に、タイチとシーが舞台で佇んでいた。
__『”
__『”仙術”・決勝!!』
__『
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ーー現在のタイチの仙力は”球体”からの回復により【
当初、タイチは”無手”と違い、観客席が満員となっている”仙術”の決勝で
開始早々に”炎”の壁で身を守り、タイチを狙わんと無数に現れた【
上空には
タイチを、狙ったモノを焼き尽くす【殲滅】が形成されようとしている状況でだ!
「皇帝には……済まないことを、することになるな」
しかし、タイチは
不可思議な”縛り”の誤作動が起きている中で
タイチが____”降参”の二文字を口にした瞬間にだ!!!
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周囲に張り巡らせていた【仙術】の槍などを撃つことなく、【殲滅】が形成し終えるまでシーは俺を攻撃してこなかった。
「タイチ様。”無手”で手合わせを出来なかったこと、非常に、
シーは何か勘違いしているのか、俺が無策で、勝機も無い状態まで仙力が不足しているのだと思っているようだ。
「【殲滅】が出来るまで、
格下の俺、”仙術”において絶対的強者である自分から攻撃せずに、格下からの攻撃に対応する形でシーなりに試合を楽しもうと思ったのだろう。
だから、【合気道】で攻撃に入る”気”を、”機”を、”起”を狙っていた俺が攻撃しないことを、
俺は、ただ____攻撃に入った時の
__『タイチは”
「
「タイチ様、”降参”してください! 試合と言えど、尊敬する貴方を!!
「無抵抗では無い。気にせず撃ってくるといい。俺は、
せめてもの情けで、俺の狙いを遠回しで伝えてみる。
シライシに”搦め手”で、人質を取られることで呆気なく誘拐されたことを教訓にしているのなら良いのだが。
____『コントン、いや、ケイオスよ。見事に”縛り”を
「今のシーは”縛り”の
「おっしゃる通りでございます、ノン様。
「では! その隙を突けるなら!! 遠慮は致しません!!!」
残念ながら、真っ向勝負しか出来ず、柔軟性に欠け、”搦め手”に弱い所は治せなかったようだ。
覚悟を決めたシーの”気”が変わる!
「タイチは”雷”のことに関してなら
「……!!? まさか!?? タイチちゃんがアレを!? ツァンの、
______その微細な、繊細な”電気信号”を高度な
「お覚悟を! 【殲___
攻撃に移る時に訪れる最大の隙、その”機”に!!
「【
とっておきの”
「ミ____
自分の意思に反しての”降参”の宣言に、シーが間抜けな顔で驚いていた。
「「「「「………………は?」」」」」
「……おい」
言葉を失った会場に、俺の声が響く。
「おい! 審判!! 俺の勝ち、だぞ!!!」
当然の主張をする俺の声が轟く!
__『……はっ!!? こ、”降参”です!?? 勝者! コレエダ・タイチ!?』
長く、呆気ない幕切れから”竜頭蛇尾”な内容だったと語り継がれるだろう”仙術”の大会が終わったのだった。
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ー
タイチが使った【仙術】は、ツァンの中の”
脳の中に
”自害しろ”などの極端なことを【指示】するならば、それは【神技】の域に達していただろう。
声に出すだけの簡単な【指示】ならば仙力の消費は少なく、簡単に掛けられるのだ。
しかし、殺し合いならともかく、試合でならソレが命取り!
希少な”雷”の”属性”、”仙術”では主軸に使われない青龍の”適性”の【仙術】。
全身に薄く、仙力の防護幕でも張られれば掛からぬ”搦め手”を警戒しろ、と言うほうが無理な話だろう。
ここまでの試合で、ここぞという場面まで使わなかったタイチの作戦勝ちだったのだ。
見た目は滑稽で、つまらない試合だったが、その裏の真意、内容は”仙術”の試合に相応しい。
非常に高度な【仙術】を、ここぞという場面まで温存した”戦術”を秘めたタイチが、”仙術”の優勝者に相応しい!
しかし、___
「
___この内容で観客が満足するのかは、別問題。
「何だ!? 何だ!!?」「
「チィーーヒッヒッヒ!! 五月蝿いですよ!! ”
今にも暴動に発展しそうな騒ぎに、狂乱した騒ぎに、”無手”と同様に頭を痛める皇帝ダオの姿が在ったのだった……。
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