”無手”予選~鮮烈デビュー~
~~”
・【
・頭上の球体による体力や
・公正を期すために大会期間中の仙力回復は球体からの回復と
・勝敗は気絶を含む戦闘不能、降参が認められているが、八百長などの防止を目的とした【縛り】の効果で、選手は常に”
~~”無手”・限定【縛り】~~
・試合場内、選手、リング全てが
・【
ーーーーーー
__『突如、現れた新星! ”
”無手”は不人気だとは聞いていたが、五千人は入れると言っていた会場に良いとこ四百人くらいしか入っていないように思える。
__『世代交代は成功したのか!? 極東の”
「世界が!
自信満々といった感じに、悪趣味に思えるラメ入りのド派手な衣装で猿の獣人の青年。
極東の島国”ヤンルーブォ”の”仙術”代表のテスラが俺とは反対の入場口から入場してくる。
さて、皇帝からの特別な”縛り”が有る状態で、俺の【武道】が何処まで通用するかな……。
ーーーーーー
「タイチ
「ひっ!? クゥイ様、聞かないでください。怖くて聞けなかったんですから」
皇帝との対談の際に居なかったクゥイが、チィェンが恐ろしくて聞くに聞けなかった事を幼さゆえの無邪気な好奇心で聞いていた。
「簡単な事よ。クゥイは
「ダオ陛下は、古き良き時代の”無手”の大会を取り戻したいのだな。私が若い頃は”
問いに答えるホンに、タイチの住む”
過去の”極真武”の”無手”は【武道】のような目を見張る技術こそ無かったが、重量級同士の見応えの有る戦いで人気も高かった。
柔よく剛を制すような選手などが出てくるのは、本来なら良いことなのだが【仙術】を用いたソレは観客の記憶に残らず、段々と今のような閑古鳥が鳴く状況なのだ。
「タイチ様みたいな【武道】を発達させるには時間が掛かるからね。1から発展させるより青龍様に頼るってのは理解できるけど。見てる方は退屈だよ」
「青龍様は目に見えないことに関する【仙術】が多いですから。発見や操作、感情や記憶、探知なんかの結果を
探し物を見つける過程、投げた物が曲がる理屈、そういった目に見えないモノを【仙術】で得られるのは利点だが、
仙力と引き換えに得られる【
「難しいことはクゥイ、分かんないけど。タイチ
ーーーーーー
__『それでは____”
「
タイチが”白虎”の【仙術】しか使えないことなどを、いざ知らず、意気揚々と雄叫びを上げるテスラ。
テスラ自身が叫んでいるように、声の大きさに比例するように、眼が眩むような光量で
「ただの目潰しだと思うなよ!
”光”を発するだけの【仙術】は存在するが、テスラのように”属性”としての”光”は通常と違い、様々な付与効果を持たすことの出来る”光”。
何もしなければ、周囲が見えない状態が翌日まで続くような”光”を受け、無防備となったタイチに襲い掛かる!
「……お前。ちゃんと”
「何ィ!!???」
無防備になった
__・試合場内、選手、リング全てが
目潰しは認められていても、”光”などによる
「ならば! 直接、叩くまでよ!! 【
拳を振りほどき、距離を取ったテスラの手から鋭利な【爪】が、刺身包丁のような鋭い【爪】を拳に生やす。
「ズルくないですか!? ”無手”ですよね!?? 刃物なんて!? これじゃあタイチ様が!!?」
「チィェン、貴女にだって”爪”くらい生えてるでしょう? ”縛り”的に、何も問題は無いわ」
__・【飛行】などの本人の身体能力を遥かに超えた【仙術】の効果も無くなる。
「切り刻んでくれる!!!」
「タイチ的にも、この程度の攻撃は____
付き合いは他の
テスタの【虎爪】がタイチに触れようとする瞬間に、
「なぁぁあにぃぃいぃいぃぃ!!!???」
テスラが【虎爪】による刃物を持ちだすなら、タイチは【手刀】という刃物を持ちだしていた。
”人”である【空手】の達人がビール瓶を両断することの出来る【手刀】が、”人”を超えたタイチが放つことによって【虎爪】を容易に砕いたのだ!
「悪いが、ここからは俺の見せ場だ! 【武道】を多く見せる為に、
テスラ戦でタイチが皇帝に、国民に、観衆に見せることに選んだ【武道】は____【空手】。
__【左鉤突き】
「ごふぅ!!?」
ボクシングの左フックに似た動き、汎用性が高い
____【右下段回し蹴り】
続けざまにフェイ・ラン戦で見せた【ローキック】に似た攻撃が重心の浮いたテスラを捉え、強烈な【柔道】の足払いのように両脚が地から離れ、その身が中空へと投げ出される!!
______【左正拳突き】
強烈な足払いにより、その身を地面と平行になる刹那に放たれる
「がああぁぁぁあぁぁぁあ!!!??」
絶叫しながらテスラが、大の男が、砲弾のように会場の壁へと激突する!
両者の頭上で輝いていた球体の、テスラの球体だけが、けたたましい音と共に砕け散る!!
__『し、勝者!? コレエダ・タイチ!!!!!』
為す術もなく、
自身の敗北から、かなり遅れて発せられた審判の声ですら信じられないというようにタイチを見つめていた。
「今のは【空手】という【武道】だ。基本的な立ち技の全てが詰まっていると言っていい」
「「「「「うおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおお!!???」」」」」
今まで退屈そうにしていた観客が事態を飲み込むまでに時間が掛かり、津波のような歓声が遅れて轟いていた!
ーーーーーー
「チィーーヒヒヒヒヒヒ!!! タイチ様の【武道】を目の当たりにするのは初めてでしたけど。これならイけますよ! ”無手”は優勝ですね!!!」
「む~~! いつものタイチ様なら最初の攻撃で終わってたよ。”手加減”してるね。なんで?」
なんとか賭けに勝てそうで浮かれるチィェンと対称的に”手加減”を、【
「全ての試合が”1撃”で終わったら退屈でしょう? ねえ、クゥイ。見応えが有ったでしょう?」
「うん! タイチ
クゥイの純粋な笑顔を見ながら、初めての”無手”の観戦が、タイチの参加しているもので良かったと思う一同なのであった。
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