帝都・ムーダン
俺の住む国”
「まあ、今さら驚きはしないが。道は
さすがに帝都ともなると広大で、非常に近代的だった。
「費用対効果の問題ですね。馬車を使えば、馬を世話する人の雇用が生まれます。ですが広大になると休みなく動き続ける流れを優先した方が良いことも有りますからね」
リウが解説するように、俺の
直線的に帝都を横断する”鉄道”、”駅”ごとに縦横無尽に張り巡らされた”バス”などの公共交通機関。
驚きはしないが、前世の世界への懐かしさを感じていた。
「では私はタイチ様の”
「ウチも興味が有るから付いて行くゾ!」
シロとの会話で一切、喋らなかったトウコツがチィェンに付いて行くと元気に答えていた。
「アイツは嫌いダ! ウチが
それはトウコツが
「では! ここからは私が案内します!! 勝手知ったる自分の庭ですから!!! 父上も首を長くして待ってますよ!!!」
ここからは皇女のシーの案内を頼りに宮廷を目指すことになる。
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「よく来てくれたな。無事にシーとフェイ・ランも”
ラフな格好だが、生地と仕立てが良いことが分かる格好で皇帝である”
ちょっとした会食に使われるのだろう宮廷の部屋で、俺達は大会を前に仕事の話をすることとなった。
「せっかく宮廷に招き入れたのだから、
今回のような国を挙げての催しの際に、次世代の教育の為に皇帝の執務を全て、後継者数人に任せるそうだ。
皇帝のダオ自身の休養も兼ねているし、急死など凶事に対応するため予行練習の制度だという。
紹介されたのは___
「初めましてね、タイチ様。次女の
長女のシーと比べて大人びた雰囲気の、少し茶色を帯びた長髪を後ろで縛っている帝位継承七位のルイ。
「はじめまして、タイチさん。ムムムーン! 凄いですね。タイチさんは、わたしの【占い】で国とっての”
シーと同じように長い髪をポニーテールにした活発そうな三女、帝位継承八位の
「………………」
不機嫌であることを隠そうともしないボサボサ頭の三男、帝位継承
___合計、三名。
「これ、フーよ。タイチに挨拶をせぬか」
「何故ですか父上? 皇族たる俺が何故、一介の傭兵如きに名乗らなければならないのです。しかも____
「フー兄様!!? ツァンさんのことを悪く言わないでください!!」
「ふん! 穢れたモノを。汚らわしいモノを。そのまま言ったことの何が悪い!!!」
「
「…………
そう言い捨てながら、フーは不機嫌なままに音を立てながら退出していった……。
ーーーーーー
「すまないな、タイチよ。ツァンと言ったか、其方にもな。
「そ、そ、そんなあ! もったいない御言葉だお。へっちゃらです。……
皇帝としての立場のため、頭を下げてはいないが言葉だけでも謝罪するということは珍しいことだ。
それが領主や貴族、他国の重鎮相手ではなく、自国の
「
「ですが父上! 市勢では横行しています! 事実、ツァンさんは
皇帝ダオの言葉に、一ヶ月近く光星街で過ごした皇女シーが実情を訴え出ていた。
「不当な”差別”。店を出せない、財産を没収される、暴力を振るわれるは無いはずだ。だが、”好き嫌い”までは取り締まれぬ。そこまで干渉しては、こちらが”差別”になる」
シーの陳情に極めて冷静に反論がなされる。
「良き機会だ、タイチ。意見が聞きたい。”
「……タイチ様が、
皇帝として、国の為政者として、様々な”
__ガンちゃんが”一般人”に反応していたが、無視されていた。
「”民主主義”だのの考えが有ることは理解しているが、この世界の国は基本的には”王制”だ。そのことについて、どう考える?」
「ここ百数十年、戦争らしい戦争が無く。貧富は有るが飢餓は無い。”民主制”を取っても良いだろうが、妖魔が居る。それによって交通、情報に制限が掛かる現状では”王制”が最善と思う。治安の関係から”貴族”などの地方自治は必要だからな」
「聡明だな。そういった理由で
いかに過ごしやすいとはいえ、ツァンが育ての親の店を離れることはないだろう。
「戦争が無いと、タイチは言ったが____戦争は在るのだ。それが”極真武”」
「勇者や英雄は、タイチの世界で言う”核ミサイル”なのだ。跳び抜けた”個”は全てを蹂躙する。いくら集まっても”
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