世界の”しがらみ”
「
「でしょう? でも、シンちゃんは”金”で解決できないはずがないって、譲らないぽよ」
人の心の機微に
かなりの難題に、逆に笑えてくるほどのなのだがな。
「何が可笑しいんですか!? ”金”で
「新入りの
「リーさんを懇意にしている上客の誰かに肩代わりしてもらうとか。色々と抜け道だって」
「上客でもだ。話の妓女は肌が合わないんだろう? 身請けした妓女に手を付けては
シンが言う底の浅い反論に一つ一つ、
「
「タイチ様が特別に早いだけで。英雄、勇者の人で2~3年。一般人でソレくらいだね。
新情報である”迷い人”の消滅の目安にも即座に対応して、俺に教えてくれるガンちゃん。
阿吽の呼吸で、的確に俺の補助をしてくれる
「……何か、タイチさんが無礼なことを考えてそうですが。”迷い人”ですか。タイチさんと同じですね」
「その”迷い人”なのも問題なんだぽよ。多少、
「この仕事が性に合わない上に、消滅までの数年間は奴隷のような人生を送るのか。それは救ってやりたいと思うのも分からないではないが。”願い”を他人のために使ってまで、助けてやろうと思う理由は?」
俺と同じ境遇の妓女には同情はするが、リーが”願い”をするほどに助けたいと思う気持ちを聞きたかった。
「アタシは誰が何と言おうと、
リーが何故、この
他者を気遣い、真摯に客に、同僚に対して接するリーの心意気に、皆の敬意が集まるのだろう。
「
ーーーーーー
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ーーー
ーー
ー
さしあたって、その妓女にとっての”自由”とは何か? を聞き取るためにリーの部屋まで呼び出してもらうことになった。
「とりあえずは、身請け代は確保しないとだが。【
「ボクはタイチさんの、お手並み拝見なので。あまり口を挟みたくは無いですが。生み出しても問題ないのでは?」
呼び出す間に現状確認と方針の説明中に、
「身請け代というのは、その妓女に掛かった費用、これから稼ぐだろう利益、そういうのを天秤に懸けて決められる。自由になりたい妓女が稼ぐためにヤる気になる金額に設定するのが、元締めの腕の見せ所だ」
「アタシの身請け代はバカ高いぽよ。もう、自前で払えるけどね。誰からの申し出も受ける気は無いし、仕事が好きだから自由にはならないけど」
必然として身請け代が高くなり、困窮する妓女が増えるだろうし、降って湧いた過剰な大金は貨幣経済を崩壊させる危険性が有る。
金が無いのを解決させるために国の硬貨や紙幣を文字通り、大量に
「シン! タイチさんの話を聞きましたか!!? 卑しくも
「ええぇ……。ちょっとくらい良いじゃないですか!?」
リウが、ここぞとばかりに責め立てるが、今まさに
ーーーーーー
『……”
外からのインターフォンの声に驚き、
部屋への自動ドアが開く音が聞こえ、長い廊下を歩きながら、呼び出した妓女がリーに話しかける。
「チィゥ・リー姐様が、私を何かと気にかけてくださってるのは嬉しいんですよぉ」
俺の世界の
「でも、新人の私が大切にされてるのが面白くない他の姐様たちが居るんですよぉ。前にも話しましたけど、この仕事しかないんですぅ。”迷い人”の私には……」
二度と関わりを持てないと割り切ったはずの、生前の俺の世界で聞き覚えのある、
「? タイチちゃん、どうしたの? 凄い汗だお」
「タイチ様? 暑いの?」
俺の異変に、共に身体能力のスペシャリストであるツァンとガンちゃんが気づき、心配される。
妓女の声に俺が動揺し、体調と心情の乱高下を繰り返すのも仕方ないのだ
長い廊下を抜け、部屋に入って礼儀正しく
「チィゥ・リー姐様。お呼びに、参上しました。新米の”
この妓女は、
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