報酬の使い道
バスケットボール大の
貯まった仙力で【
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「
今か今かと待っていたのであろう依頼者の兎の獣人の青年が、虚空から現れた俺達に駆けよってくる。
リウに預けておいた”
「こ、これは、まさしく”満月草”。……ありがとうございます。これで、母は、助かります。なんと、お礼をすれば良いか……」
感激する青年から、
ほとんど使い果たしたと思われる俺の仙力が、大幅に補充されたのを感覚的に感じた。
「最近では珍しく、我が主、青龍様に適したモノ探しの”願い”だったので、仙力を無駄にしないように短絡的なことしか叶えなかったんです。それが今回の失敗でも有るんですが。その余りが、今にも消えそうなタイチさんの
母の薬の調合の為に、足早に去りながらも、何度も振り返り、頭を下げ続ける青年に手を振りながら、今回の件を思い返すリウの言葉。
何処に生えているか分からない”満月草”の場所を告げるより、その近くを通る心優しき信頼に足る人物を告げることの方が複雑で、難しいことなのは確かだ。
俺の仙力の上限が増える訳では無いが、使い終わった媒介でも余りで回復できるのは発見だった。
「確かに達成を確認いたしました。報酬の大銅貨1枚と、
色んな用途の有る仙石が無いせいで、かなり減額されてしまっているが、それでも結構な額になった報酬を手に、受付を後にする。
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ー
「何してるんですか!!? タイチさん!!
「コレは必要だ! 俺は仕事が終わったら、美味いメシとタバコを一服と決めているんだ! この世界でも、その
「る? は? るぅてえん? 何ですか、ソレは! 贅沢は敵ですよ! まったく!!」
失敗で、しおらしくなっていたが、リウは口うるさいほうが、
美味いメシに関しては、生前でも数えるくらいしか記憶に無いが、タバコだけは俺を裏切らない!
「美味しい、ご飯。……ううぅぅう、オヤツ」
ガンちゃんの腹の音で、俺も、この世界で何も食べていないことを思い出す。
「日没寸前で、暗くなってきましたからね。何か食べることにしましょうか。……間に合ったかな……」
「そうだな。せっかくだ。初めての報酬、
「うううぅ、オヤツ。肉まんで誤魔化す気なら、前に
青年のことを気にしているが、あそこから先は、俺達の領分ではないので切り替えて話題を変えることにした。
「美味しい、美味しい肉まんだよ~~! 採れたて新鮮! ”
肉まんにしようと決めた時に、タイミング良く漂ってくる旨そうな匂いと、聞こえてきたツァンの声。
「奇遇だな。顔を出すと約束したツァンの店が、中華まん屋だったとは。行くか」
「タイチさん、待ってください。あの、お店は
俺の服を引っ張って、リウが肉まんを買うのを止めようとする。
「何故だ? リウ。約束もしたし、ちょうど肉まんの気分だったじゃないか」
「周りを見てください。また、傭兵受付の時のような問題を起こす気ですか? 問題を起こし過ぎると、この街に居られなくなりますよ」
「”
夕暮れ時、街も仕事帰りの者達、買い物客達で溢れかえっているが、ツァンの店先だけが
面と向かって言う度胸も無く、聞こえないように小声で話してはいるが、身体能力の高いツァンには、しっかりと
「……腹が減ったな。
「あ!!? タイチさん!??」
リウを振り払って、ツァンの店に向かって歩き出す。
「
ーーーーーー
「肉まん1つ、貰おうか。ツァン」
「あ!? タイチちゃん!??
別れる際に軽口を叩いていたが、本当に俺が来店するとは思っていなかったであろうツァンが、目を丸くするほどに驚いていた。
「微々たる報酬だが、正真正銘。自分自身で稼いできた報酬で、肉まんを1つ貰いに来たぞ」
この世界に骨を
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