スタンプ台

気まぐれスタンプ台は

様々な色を纏う

赤以外用はないのだけれど

ほとんど上手くいかない

気まぐれスタンプ台は

二色以上も纏う

入り乱れたオレンジと紫

戸惑う謹賀新年


しかしある日スタンプ台は

私を見つめていた

そして言ったのだ

あなたの色はころころ変わる


気まぐれなのは彼女か私か

視界がぐるぐると回る

深緑の太陽と白黒の虹

右手の人差し指を

スタンプ台に押し付けた

そのはずだったのに

そこにはただ透明しかなかった

透明で謹賀新年を書いた



(「無責任」別冊第一号より)

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