Evergreen

花言葉を作る仕事は

刑期を三日ずつ減らしていく

美しいものばかりとは限らない

とても毒々しくて

ほくそ笑む花びらに

全てを終わらせてもらいたい時もある


だから私は緑を求める

決して越えられない境界の向こう

生命は常に過剰だ

咲くことも散ることもない

草木の普段着を

どうして人は纏っていないのだろう


例えばあの山が噴火して

空が灰色になったとしても

私は見つめ続けている

目に焼き付いた緑は

失われないだろうから

永遠に光は反射する


列車が一本通り過ぎて

新しい種を落としていく

花が咲くまでに

かんざしを見つけてやらねばならない

咲かねばいいのに

咲かねばいいのに



(「無責任」第二十一号より)

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