第36話 ベッドの中で
出陣前夜なので 今夜は接触通信による学習はなし。
なので 私は自室のベッドで一人で眠るはずだった。
ところが 寝室にはいると ベッドにウィリアムが腰かけていた。
私が声を上げるより早く ウィルは唇に指をあて、頭をかしげて自分の傍らに来てほしいと示した。
私が 入り口でなおも立ち止まっていると、
「内密の話がある。
今夜は ドローもエドガーも この階の こことは反対端の廊下で待機している。」
とウィリアムが小声で言った。
「ほんとうだよ」ティンカーが耳元でささやいた。
おっかなびっくり ウィリアムのそばに行った。
彼は ベットを叩いて私に座る場所を示したのち 自分はすこしだけその場所から離れた場所に座り直した。
おかげで 私は 手を伸ばせばやっと届くかと届かないかくらいかの距離に彼と座ることになった。
ウィリアムは 「すまない」といい、
遠慮がちに私に尋ねた。「少し距離を詰めてもいいか?」と。
??
彼は
「あーめんどくさい」と言って 靴を脱ぎ、ベッドに上がってベッドボードに背をもたせかけ、足を前になげだして座り込んだ。
剣は腰から抜いて足そばに平行に置いてある。
「それが あなたの素の状態だな。
ここ3日ほど あなたがあまりに馴れ馴れしいのでおかしいと思ったのだ」
「なれなれしい!?」ムカッときて問い直した。
「いくら情報交換の為とはいえ 私と3日も添い寝して あげく出陣中も同じ天幕で寝起きしたいと言うのは それ以前のあなたに比べて馴れ馴れしすぎやしないか?」
「なれなれしいと言う言葉の適否については 大いに異議ありですが・・
うーん なんかいわれてみると この3日間の自分をふりかえってみると・・
確かに違和感がなきにしもあらずというか なんというか???
わたし 出陣を止める為に戻ってきたはずなのに・・」
「残念ながら あなたは 誰かの術にかかっていたようだな」
え~~~~!\(◎o◎)/!
ショックのあまり 思わず ベッドの上に倒れ伏したくなった。
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