第31話 精霊たちの解放
ジェッドが草原まで運んでくれた。
そこで 「シルフィード」と名付けた精霊に、争いが起きぬように水を分配して欲しいとの願いを込めて 水を送った。
北の山岳地帯を吹く風には「ポレアース」
海辺の風には「ノトス」「ハドレー」「エウロス」と名付けた
いずれも 水の公平な分配により 争いを防いでほしいと願いを込めて
それぞれの地へはジェッドが運んでくれた。
セフィードと別れてからは、私の眷属となった風たちも自由に空を飛びまわり
ただの運び屋ではなく 風として、花粉を飛ばしたり、生き物たちに安らぎを与えたりと自由に活動を始めた。
どうもセフィードやナイアードたち王と名乗る者達は 過去の魔法使いとの契約に縛られ 精霊本来の働きを歪め限定的に同族を縛ろうとする傾向があるようだ。
私だって 木の葉や花びらに姿をかえて 風にのって 空に舞い上がったり 宙で舞い踊りたいわ♫
すると ジェッドが 渓流のある谷間に連れて行ってくれて
自分の姿も私の姿も小さくしてから 手をつないで 木々の間や川の上を飛び回ってくれた。
ピーターパンとウェンディみたいで楽しかった。
ティンクも楽しそうに 私達の周りをくるくる回っていた。
ひとしきり遊んだ後、崖の祠でひと眠りした。
眠っている間に 私が欲しいと思っていた 大気と水の流れに関する情報を 眷属たちがしっかりと集めて持ってきてくれた。
そして 魔法使いたちが介入する前の 状態についての情報も。
「おいおい 人間の国って 元は砂漠地帯に作られていたの?!
それで 砂漠を人の住む地にかえるために 肥沃だった土地を砂漠にしてしまったと!」
なんなんだ この歴史
王都にもどり ウィリアム王に歴史を教えてもらうことにした。
精霊とは もっと本来 自然の調和をつかさどり その一部となってホメオスタシス(恒常性)を形成する者だと思うのだが。
魔法使いと一緒になって よその土地を滅ぼしてどうする!
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