第24話 杖に乗って →水の精霊と仲間になりました

「では いよいよ杖に乗ってみましょう」


マルレーンは自分の杖をポイと川に投げ入れると すいすい前に進んでいく。


「おししょうさま~~~~」

慌てて追いかける。手に持つ杖を振り回しながら。

 スケボーに乗っているイメージで川面を滑るように。


マルレーンに追いつき追い抜くと

 「なんですか それは」


「見てのとおりです」


「競争しましょう」

 マルレーンは加速した。


 川は行く手で蛇行している


「えいめんどくさい!」地面の上を直進してショートカットだっ!


「お師匠様 ゴールはどこですかぁ?」


「そのまままっすぐ 山の上の 川の源流です」


「えっ 村には行かないのですか?」


「予定変更です」


「この川の源流でよいのですね?」


「そうですよー」 後ろの方からマルレーンは叫ぶ


「では 源流で会いましょう」

   めんどくさいので 飛行機の離陸をイメージして高度をあげた。

   私は飛行機 あの山の上に行くの♡


首尾よく斜め上に進むことができた。

 「探査 川の源流探し!」「マップ」

  ふむ あそこですね。

 

 「私はヨット 風を受けて前に進む」

   きちんと 源流まで飛んでいくことができました。


降下するときは 茶目っ気を出して サイボーグ7号のように頭を下に高度を下げて

目的地の上でくるりと体を回して足から着地

 魔法と アニメって 相性がいいわね。



のどが渇いたので 泉を鑑定して飲んでも大丈夫か確かめた。

すると「ナイアードの泉 飲む前にはあいさつしましょう」と出てきた。


「ナイアード様 ナイアード様 のどが渇いたので お水を頂けますでしょうか?」


すると 泉の中から美しい女の人が上半身を表した。

 水色の髪が 流れ落ちるように胸を半ば隠している。

  目は日の光を反射する水面のように変化に富んでいる


「どうぞ」彼女は両掌に水をすくって差し出してくれた。

  

「ありがとうございます。お手に口づけるのは恐れ多いので、その水をこちらに分けて頂けませんか」

 私も両掌をそろえてくぼめて差し出すと そっと水を注いでくださった。


ありがたくいただきました。2度にわけて。

「こちそうさまでした」と両手を脇につけておじぎをしたら


ナイアードはくすくす笑って、

「すくった水に願いを込めて名前をつけてごらんなさい」と言った。


泉に両膝をついて 掌に受けた水を捧げ持ち「清水よ 命の水に恵まれますように」と願ってみた。


すると 真っ青な鯉が飛び出して来た。 ピッチピッチ跳ねている。

 鯉の周りには しずく型の水滴や まん丸な水玉がふわふわ浮かんでいる


 水滴や水玉も「名前 なまえ 名前が欲しい」とつぶやいているので

「しずく」「水玉」と名前をつけたら


「見たまんま 名前を付けるお主に期待はせんが 少しは勇ましい名前をつけてくれ」と言いながら 今度は 透明の短髪 水玉のれんの腰布をまとった美男子が出てきた。

  腰布は かっこよく斜めに巻き付けられ、その下からすらっとした美しいおみ足が出ていた。


 「チグリス 大地を潤し命をはぐくみ 民を守る戦士」

「よいだろう その任しかと引き受けた」

  チグリスは 水色の剣と真っ青な丸い盾を持ち 腰には虹色の短剣を刺す戦士の姿となった。


そしてどこからともなく ヒョウタンを取り出すと差し出した。

 「これをやろう。水の精は乾燥に弱い。普段はこのひょうたんの中で休ませるとよい。このひょうたんの中には この泉の水がはいっているので 精霊達の疲れを癒し

その命を育む力がある」


「ありがとうございます」


・このひょうたんの栓を抜き、精霊に向けて名前を呼ぶと 精霊は吸い込まれる。

 精霊を呼び出したいときも 栓を抜いて 出てきて欲しい方向に口を向けて名前を呼ぶと 出てくる。


・マルレーンが追い付いてくるのを待つ間、水の精霊 清水・水玉・しずく・チグリスと光の精霊ティンカーと一緒に おしゃべりをした。


ティンカーの助言で清水に「水龍」と別名を与えると 彼は龍に変身しました。

 さすが 鯉の滝登り!


ティンカーは 契約をした日から今日までの約1か月間 ずっと私の髪の中に隠れていたそうです。

 寝返り打って押しつぶしかけたりしなかったかと心配してたずねたら「大丈夫♪」だって。


 ティンカーもヒョウタンの中に入って休むことができるのかと聞けば?

ふだんは私の髪やポケットに入っているからだいじじょうぶだって。

 でも もっと頻繁にティンカーのことを思い出して 呼び出して欲しいと言われました。


「ごめんね そのぅ 人前ひとまえで名前を呼んではいけないかと」

「頭の中で 名前を呼べばいいの!」

「すみません」


水の精霊達とも 頭の中で名前を呼んでヒョウタンの中に誘ったり ヒョウタンから呼び出すことができるように練習をしました。

 ヒョウタンそのものの存在も隠した方がよさそうだから。

 っていうか ヒョウタンをどうやって持ち運ぼうか?


すると ナイアードが私の杖の握りの部分に 小さくしたヒョウタンをセットしてくれました。

 こんなに小さくなっても大きな体のチグリスが入れるなんてちょっと驚き。


それにヒョウタンが杖と一体化したので管理がしやすくなったけど、杖の重要性が増しました。



 

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