第23話 杖を使った魔法の稽古
「せっかく杖も持っているのだから、杖を使った魔法も練習してみてはどうだ?」
せっせと体力づくりに励んで約1か月。
国王ウィリアムは 1日の半分くらいを 私の為に使ってくれていました。
しかし いつまでも私のそばにいることはできないからと、ほかの師匠につくように勧めるときのセリフが あれ↑、杖を使った魔法の稽古です。
私も ウィルに甘えてばかりでは申し訳なく思っていたので 素直に勧めを受け入れました。
もちろん 刀も剣も もっともっと腕を磨き 技を身に着けたいのですが。
魔法の師匠はマルレーン。
まっすぐ伸びた白銀の髪がサラサラ・キラキラ 腰まで背後を彩ります
その瞳は 突き抜けるように澄んだ青空のよう
そう 絵にかいたような王子様スタイル。
思わず うっとりとしていたら、すっと持ち上げられた杖の先から水が飛んできました。
けっこうな性格ですこと。
というわけで、杖をホースがわりに 農園で散水の稽古。
花ビラを散らさぬように 花園では霧雨の如く
野菜畑の土に穴をあけぬように 細かな水滴を。
最初は杖からほとばしるように水を出せばよかったのですが
そのうち 雨のように 上から畑全体に水をまくよう指導されました。
やがて 「散水範囲を拡げましょう。1か月ほど旅にでましょうね」の一言で王宮を連れ出され、
川の上をジェットスキーのように移動して村から村へ
といっても 最初のころは 水の上に立つこともできず、川の中で腰まで水につかって立っていたら、
「水の上と水の中の区別もつかないとは困りましたね」の一言で小船に載せられ
川の真ん中で「さあ ここからなら 川の上に足を踏み出せるでしょ」と突き落とされてブクブクブクブク
師匠は 見えない釣り竿で私を船の中に吊り上げると
「泳ぐのではなく 水の上を歩くのです!」と 再び 水の上におしだそうと
「ま 待ってください」 言い終わらぬうちに 押し出されて ブクブクブク
立ち泳ぎをしながら、懸命に尋ねました
「師匠! 杖 杖 杖はどこですか? とってください」
「おや やっと杖のことを思い出しましたか。」
「自分の杖は 自分で召喚しなさい。人にとられてどうしますか?」
「杖召喚!」
旅の準備をするときに 杖をどの袋に入れたのか思い出せないので とりあえず叫んでみた。
すると 杖の入った袋ごと飛んできたのです。
(ヤダ 荷物が濡れるのは!)
あわてて 「杖だけ わが手に。ほかのものは先ほどまであった場所に」と叫んだら
袋はすーっと後ろに下がって消えてしまい 杖だけ私の方に飛んできました。
私の頭に当りそうだったので 急いで杖をつかみ水の上にと念じたら、
私、水の上に立ってました。
え~~~~~~\(◎o◎)/!
杖を持つと 当たり前のように水の上を歩いて小船にもどることができました!!
マルレーン
「魔法使いは 杖を手放してはいけません。
いつも携帯すること!」
「はい」
「あの お師匠様 私の荷物はどこにあるのですか?」
「あててみなさい」
「お師匠様が持っている」
「私が荷物を持っているのが見えますか?」
「いいえ もしかして マジックバックか空間魔法を使っておられるのですか?」
「正解です ご褒美に荷物を返してあげましょう」
マルレーンは 川の上に私の荷物をぶちまける
「収納!」川の中に落ちると困るので必死に叫ぶと・・ハイ収納されました。
「杖を持って念じなさい。さすれば道が開かれるでしょう」
これが マルレーン先生の 本日のおことば でありました。
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