第27話 自分とは違うタイプの人間を書かなきゃいけない
生きているといろんな人間に出会う。
千差万別、本当にいろんな人がいる。
いくら顔がそっくりだとしても全く同じ顔の人がいないように、人の中身だって全く同じ人はいない。
突き詰めると人間は1人になる——それを「個性」と言う。
しかし、そんなことは誰でもガッテン承知の助だ。
ボクらは個性を求める反面、誰かと繋がりたいと願う。
そして、何かしら共通点を見出そうとする。
その共通点を見つけることでその人に親近感を覚え、安心する。
これが「同じタイプの人間」だ。
同じタイプの人間と居るのはやはり居心地がいいし、自然と一緒にいる時間が増えてくる。
同じタイプの人間とずっと一緒にいればいいのだが、そういうわけにもいかない。
同じタイプ以外の人間とも関わらなくちゃいけない——それが社会生活を送るということだ。
これはボクの話になるのだけれど、ボクは自分とは違うタイプの人間をちょっと毛嫌いする傾向があった。
「なんで俺はこんなに頑張ってるのに、お前は怠けてるんだ!!」
特にこれを良く思った。
その怒りをそのまま本人にぶつけたいけれど、そこまで言うのはちょっとやり過ぎだし…
それに立場だってあるし…第一そんな度胸もないしなぁと。
でも腹の中が煮えたぎっていた。
それが28歳くらいまで続いた。
とにかく腹が立っていた。
でもあるとき急に!!というわけじゃないけど、次第に腹が立たなくなった。
「あ~、こういう考え方の人もいるんだなぁ」
こう思うようになってからすんごく楽になった。
その人を認めた?認識したという感じ。
「それにこの人はボクの頑張らないところで頑張っているかもしれないし」
そう思ったらその人の一面性だけを見て、勝手に好き嫌いを決めつけるのは失礼じゃないかと思うようになった。
なんでこんな誰も聞きたくもない話を書いているのかというと、お話を書くときにもこういう考え方は大切だと思ったからだ。
28歳までのボクだったら、自分とは違うタイプのキャラクターを書いたら、その人物は全て「悪人」になってしまっただろう。
「こいつはこんな考え方をしているからダメだ!!」
そうやって一面性しか見えない単純なキャラクターばかりになってしまったような気がする。
そして主人公ばかりが妙に目立って、まるで聖人君子のような人物に創り上げてしまったと思う。
能力もチート。そして性格もチート。もうまるで神様だ。
自分とは違うタイプの人間を毛嫌いしなくなったことは現実世界で生かされるようになったのはもちろんだけど、今こうやってお話を書いているのも役立っているんじゃないかなと思っている。
これに気づかないと現実もお話も敵ばっかりになってしまうから
後はその魅力あるキャラクターを書くだけだ。
まぁそれがめちゃくちゃ難しいし、未だに悪人を書くことができない。
とにかく少しでも魅力が出せるようにいろんな面から考えて書いていけたらいいなと思う。
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