第28話 一家に一台、一作品に一人

 ボクら自身に個性があるように、ボクが生み出すキャラクターにも個性が出てくる。


 片づけない。

 怠けもの。

 集中力がすぐに途切れる。

 ちなみにこれはボクの個性である。 


 でもそんな感じでボクが生み出したキャラクターにも個性を持たせてみる。

 男気がある女性にしてみたり。逆に女々しい男にしてみたり。

 髪型を気にするナルシストにしてみたり。

 天真爛漫で周りを巻き込んじゃうタイプにしてみたり。

 してみたり。してみたり。してみたり。

 考えれば考えるだけ個性というものは生まれてくる。

 そんな「個性」がたくさん積み重なって「個人」という唯一無二の存在ができあがる。


 しかし、やはり個性を考えるのは容易いことじゃない。それなりに悩む。

 何もしないで生まれてくるなんてことはまず起こらない。


 そんなキャラづくりをしていて気付いたことがある。

 食べることが大好きなキャラ。

 食い意地が張った個性のキャラクターがいつの間にか存在しているのだ。

 大食いキャラクターであったり、ある特定の食べ物には目がないキャラクターであったり。

 気が付けば生まれている。

 一家に一台という家電製品の謳い文句のように、一作品に一人、食い意地が張ったキャラクターがいる。


 なんでこんなに食い意地が張ったキャラクターがいるのか?

 それはこの個性はいろんなところで役に立つからだと思う。


 場を和ませたり、一息つけたり、ちょっとした繋ぎに使えたり、ガッツリエピソードになっちゃったりする。

 めっちゃくちゃありがたい個性で、ボクがお話を書くにあたって無くてはならない個性なのだ。


 この食い意地張ったキャラクターは世に出ている作品でも多々目にすることができる。

 海賊の王様になろうとしている体がゴムになっちゃった人。

 お尻からしっぽが生えちゃって、力むと金色の髪の毛になっちゃう人。

 いつも絶妙なタイミングで紋所を出して、悪人をひれ伏せさせるめちゃくちゃ偉い人!!

 …の付き人をやっているうっかりしちゃう人。

 上げ出せばいくらでも出てきそうだ。

 みんなもやはり重宝しているのかな?と想像してしまう。



「いつも本当に助かってます。ありがとうございます!!」

 本来ならボクはそのキャラクターに菓子折りを持ってお礼の一つでも言いに伺いたいところだが、残念ながらボクは現実世界に生きているので菓子折りは渡せに行けそうにない。

 だからせめて感謝の気持ちを忘れず…これからも乱用していきたいと思う。 

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