第23話 笑う、泣く、怒る

 主人公は笑った。

 主人公は泣いた。

 主人公は怒った。


 本来はこのように書けば済む話なのだが、しかしこの表現では良しとしない——このボクでさえも。

 もうちょっと詳しく表現するように努める。

 思いっきり笑ったのか?それともちょっぴり笑ったのか?

 お話の中のキャラクターが今どんな風に笑っているのかを言葉で伝えなければいけない。

 読む人が臨場感を味わえるように。


 しかし、困ったことになった。ボクの引き出しが非常に少ないのだ。

「手を叩いて大笑いする、ニヤリとする。う~ん…あとは~」

 引き出しが、引き出しが、圧倒的に引き出しが少ない。

 そこでボクが頼るのがインターネッツだ。

「笑い 言い換え」

 ↑これで検索する。

 すると、いろんな表現が出てくる——ズラズラズラ~っと。

 これに助けられることが多い。


 もしインターネットが無かったらと思うと、ボクはどうしただろうか?

 国語辞典や今まで読んだ本を出して、ちゃんと表現の仕方を調べていただろうか?

 いや、多分してないような気がする。

 面倒くさいというボクにとって最凶で最悪の敵に跡形もなくやられていただろう。


 でもインターネットばかりに頼ってしまうのもいかがなものか。

 確かにインターネットは便利だ。たくさんの表現がズラリと一覧になって出てくる。

 だがその一覧から選んでも

「本当にこの表現でいいのかな?」

 と正直しっくりきていない時がある。

 インターネットはその場しのぎにはいいかもしれないが、やはり先人たちの表現に学ぶことをしないと長い目で見たらかなり遅れを取るような気がする。


 鼻で笑う。冷笑する。微笑する。

 今のボクではこれらを適切な時に使い分けられる自信が無い。

 なぜなら、

「インターネットにはたくさんの表現がある。しかし、文面は少ない」

 こういうことだと思う。


 世に出ているたくさんの本を読んで、先人たちの表現の仕方を学び、それを蓄積する。

「あ、この時はこういう言い回しだな」

「でもちょっと待てよ。こういうのもあるぞ」

 そんな風に出来たら最高だ。


「千里の道をも一歩から」

 まずはこのことに気づけたことを第一歩としよう。


 でも考えれば考えるほど、言葉って面白いし難しい。

 今のボクは圧倒的に難しいの方が多いけれど、すこしずつ難しいを面白いに変えていきたい。

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